2017年03月17日(Fri) 中林直美
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【表参道で『アールブリュット?アウトサイダーアート?それとも?』】

STORY今月号の「未来は女の掌の中に」でも紹介されている、知的または精神に障がいのある作家の展覧会『アールブリュット?アウトサイダーアート?それとも?ーそこにある価値ー』が、表参道のギャラリーで開催中です。

アール・ブリュット=生の芸術、アウトサイダー・アート=正規の芸術教育を受けていない者による芸術、などと呼ばれる作品たち。
日本でも、これらを病の診断材料や治療目的としてではなく、"芸術作品"として価値を見直し評価する活動が広がっています。

オープニングレセプションでお会いした、ある作家のお母様の手には、短くなった色鉛筆の束が握られていました。息子は筆圧が強くて、と笑い、「でも本当に楽しそうに描くんですよ」と。
なんだか幸せな感じ、満たされた感じを受ける作品の多い展覧会だったのですが、作家がそんな作品を生み出す背景には、彼らを支える家族や周りの人々の愛情と理解、制作環境を用意するための大変な努力があるのだという圧倒的な事実を、あらためて思いました。

そして作家や作品を、福祉の分野を越え「公平な視点から芸術的価値を評価し、彼らの芸術活動に経済的視座を持つことへのためらいを克服」すべく活動を続けるスタッフ皆さんの熱意と労力にも、心を動かされます。


私がアウトサイダー・アートに初めて出合ったのは、20年以上前のこと。
幻想的な絵(ハインリヒ・ヘルマン・メーベス作、無題(生命の平和))と、「私は目覚めているときに、夢をみる」という印象的なキャッチコピー。駅で見たそのポスターが無性に気になって足を運んだ世田谷美術館の『パラレル・ヴィジョン』は、日本で初の本格的なアウトサイダー・アート展でした。
 

美術に関して特に知識も関心もなかった私がそのとき受けた衝撃は、今でも鮮やかに思い出せるほど。
 

昨秋に訪れたサンフランシスコのSFO美術館(空港ターミナル全体がギャラリースペースとして活用されています)では、ベイエリア在住の障害を持つアーティストによる『Celebrating a Vision』が開催中で、いろんな作品が作家の紹介や制作風景とともに展示されていました


アール・ブリュット、アウトサイダー・アートと呼ばれる作品が放つ強烈なエネルギーが、ハンディキャップという特性ゆえのものなのか、もともとの個人の資質や才能によるものなのか、私にはわかりません。ただ単純に、なぜか惹かれるものが多いのです。もっとたくさんの人に、この作品たちを知ってほしい。
『アールブリュット?アウトサイダーアート?それとも?ーそこにある価値ー』は入場無料ですので、この春休み、ぜひ皆さんも表参道をお散歩がてら訪ねてみてください。
 
 
【 展覧会情報 】
アールブリュット?アウトサイダーアート?それとも?ーそこにある価値ー
会期:2017年3月9日(木)~ 2017年4月2日(日) 11:00~20:00 会期中無休
会場:EYE OF GYRE/GYRE 3F 東京都渋谷区神宮前5−10−1
 
 
 
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