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展覧会史上初の一挙公開!特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」

上野・東京国立博物館 平成館では、特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」が開催中!

日本で最も有名な絵巻・鳥獣戯画といえば、思い浮かぶのは兎や蛙の愛嬌たっぷりな姿。でも実はその絵柄はほんの一部分で、鳥獣戯画が甲・乙・丙・丁の全4巻からなる作品だということは、意外と知られていないようです。

展示会場入口

平安時代の終わりから鎌倉時代初期にかけて段階的に描かれたといわれる鳥獣戯画は、誰もが知る作品でありながら、作者も、主題も、目的も、いまだ謎に包まれたまま。
絵巻物なのに「詞書(ことばがき)」が一切なく、黒い墨のみで描かれた「白描画(はくびょうが)」であることも鳥獣戯画の大きな特徴で、観る側に様々な解釈が生まれます。

本展は、甲・乙・丙・丁全4巻(合計44メートル超!)の全場面を会期を通じて一挙公開するという、史上初の展覧会。さらには絵巻から分断された「断簡」や、当時の原本を写した「模本」の数々も集結、まさに「鳥獣戯画のすべて」に迫る特別展なのです!

  • 《鳥獣戯画(甲巻)》展示風景
  • 《鳥獣戯画(甲巻)》展示風景より、「水遊び」
  • 《鳥獣戯画(甲巻)》展示風景より、前半と後半の境目
  • 《鳥獣戯画(甲巻)》展示風景より、「相撲」
  • 《鳥獣戯画(甲巻)》展示風景より、現在の甲巻の巻末

まずはもちろん、鳥獣戯画の代名詞ともいえる甲巻から。なんと動く歩道に乗っての鑑賞です!
まるで手元で巻物を広げていくかのように、ゆっくりと流れる視界・・絵巻が連続した動きを楽しむものであることを改めて感じる粋な構成に、ワクワクが止まらない♡
擬人化された動物たちの豊かな表情と躍動感あふれるポージング、そしてユーモラスな世界観。お馴染みの絵柄もこうやって見るとひとつひとつが本当に生き生きとして個性的で、見飽きることがありません。ちらほら出てくる擬人化されていない動物やレアキャラを探すのも楽しい!

甲巻は前半と後半で紙質が明らかに違っていて、その境目もくっきり。線の太さや運び、動物の描き方も前半と後半では異なっているため、別の人物が描いたものと考えられます。そのため前半と後半はもとは別々の巻物であったという説が有力です。

  • 《鳥獣戯画(乙巻)》展示風景
  • 《鳥獣戯画(乙巻)》展示風景
  • 《鳥獣戯画(丙巻)》展示風景
  • 《鳥獣戯画(丙巻)》展示風景
  • 《鳥獣戯画(丁巻)》展示風景
  • 《鳥獣戯画(丁巻)》展示風景

続いて乙・丙・丁がコの字型に展示されたコーナーです。

乙巻も動物ですが擬人化はされておらず、前半は日本の身近な動物が、後半は異国の動物や空想上の霊獣がさながら動物図鑑のように描かれています。
甲巻・後半と乙巻は紙質や動物の描写が似ているため、同一人物が描いた可能性があるそう。

丙巻は前半が人物戯画、後半が動物戯画になっています。近年の調査で、この前後半は一枚の紙の表裏に描かれており、それを剥がしてつなぎ合わせたことが判明(墨の裏写りに注目!)。制作年代も作者も表と裏で異なる可能性が高いようです。傷みが激しく、薄くなった線を上から濃い墨でなぞってる箇所が随所に見られます。
巻末の「蛇の登場に驚く蛙」も印象的です。乙巻の最後「悪夢を食べる獏」同様、なにかを暗示するような謎めいた終わり方に余韻が残ります。
同じ擬人化でも、親しみのある「甲巻」とはずいぶん違う動物たちの顔つきもおもしろい!

丁巻は人物中心で、本気出したら相当な腕の持ち主がサラサラ~っと描いたような素早い筆さばきが特徴的。甲巻、丙巻のパロディと思われる場面がいくつもあるので、じっくり見比べてみてください。

  • 《鳥獣戯画断簡(東博本)》展示風景
  • 《鳥獣戯画模本(長尾家旧蔵本)》展示風景※会期中場面替えあり
  • 《鳥獣戯画模本(住吉家旧蔵本)巻第五》展示風景
  • 《鳥獣戯画模本(探幽縮図)》展示風景

次は第2会場へ。
鳥獣戯画は長い時を経る過程で、本体と切り離され掛軸などに仕立て直されたり(断簡)、糊がはがれて紙の順番が変わったり(錯簡)、いくつかの失われた場面があったりもするようです。

《鳥獣戯画断簡(東博本)》(平安時代)の左端にある黒い点、これは現甲巻・第十六紙の背景とつながっていて、この断簡がそこから切り離されたものであることがわかります。

時代の異なる模本の数々も、当時の絵巻の姿を読み解く重要な手がかりです。甲巻の模本を見てみましょう。
《鳥獣戯画模本(長尾家旧蔵本)》(室町時代)の「高跳び」や、《鳥獣戯画模本(住吉家旧蔵本)巻第五》(安土桃山時代)の「舟遊び」などは、現甲巻には存在しない場面。
《鳥獣戯画模本(長尾家旧蔵本)》と《鳥獣戯画模本(探幽縮図)》(江戸時代)の巻末には同一の絵が写されていて、そこには「蛇の登場で驚く蛙」が——丙巻の最後と同じ場面です。現甲巻のあまりに唐突な終わり方を見ても、甲巻の本来の結末はこの蛇だったと考える方がしっくりくる・・と、どこまでも想像が膨らみます!

  • 《明恵上人坐像》展示風景
  • 《夢記》展示風景※会期中展示替えあり

鳥獣戯画が伝わる京都の高山寺は、鎌倉時代の高僧、明恵上人(みょうえしょうにん)によって再興され、仏の教えを研究・実践する「学問寺」として発展しました。

本展では、高山寺の開山堂に安置され「秘仏」として普段は公開されていない重要文化財《明恵上人坐像》が28年ぶりに公開されるほか、明恵が生涯にわたって夢を記録した《夢記》など、ゆかりの品々も展示。「学僧」として知られた明恵上人の魅力にも触れることができます。

《子犬》展示風景

会場の出口で私たちを見送ってくれるのは、明恵が所持し大切にしていたという子犬の像。つぶらな瞳とどの角度から見ても愛らしいフォルムがたまりません♡

公式図録は鳥獣戯画全4巻全場面を「ほぼ原寸サイズ」で掲載。様々な検証や考察も収録した「鳥獣戯画のすべて」の決定版!会場限定のオリジナルグッズも盛りだくさんなので、公式サイトを要チェック!

知ってるようで何も知らなかった、鳥獣戯画の世界。紙の質感も墨の色も繊細で大胆なタッチも、今にも飛び出してきそうな愉快な動物たちも、やはり実物に勝る体験はありません!
全巻全場面をいっぺんに鑑賞することができる、もう二度とないかもしれない貴重な特別展。どうぞお見逃しなく!!

 

【 展覧会情報 】
特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」
※すべてのお客様は日時指定券の事前予約が必要です。
会期:2021年4月13日(火)~5月30日(日)月曜休館※ただし5月3日(月・祝)は開館
会場:東京国立博物館 平成館
開館時間:午前9時~午後7時(最終入場は午後6時)
※会期中、一部作品の展示替え、および場面替えを行います。国宝 鳥獣戯画4巻は会期を通じ、場面替えなしで全場面を展示します。
※「鳥獣戯画 甲巻」は「動く歩道」でご覧いただきます。日時指定の最終枠にご入場の場合は、午後6時30分までに会場内「動く歩道」の待機列にお並びください。
※展示作品、会期、休館日、イベント等については、今後の諸事情により変更する場合がございますので、公式サイトでご確認ください。

中林直美
FROM中林直美 渋谷の映画館でもぎりをしつつミニシアターブームに傾倒した学生時代。大学卒業後は大手映画会社で約10年勤務。映画と旅が好き。 https://www.instagram.com/naomi_nm_/
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