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ノグチ空間を体感!——『イサム・ノグチ 発見の道』

上野の東京都美術館では、20世紀を代表する芸術家イサム・ノグチの創作の道行きをたどる特別展『イサム・ノグチ 発見の道』が開催中!

3層構造(LB階、1階、2階)の展示室をそれぞれひとつの章として構成。展示空間に徹底的にこだわりぬいた、ノグチ芸術の精髄に触れる“体感型”の展覧会です。

「あかり」インスタレーション

第1章「彫刻の宇宙」に広がるのは、大小150灯もの「あかり」が浮かぶインスタレーション。
岐阜提灯から発想を得た「あかり」は、竹ひごと和紙から生まれるやわらかな光を太陽と月に見立てた「光の彫刻」として、ノグチが30年以上にわたり200種類を超えるモデルをデザインしたライフワーク的作品です。

15分のピッチでゆっくりと点滅を繰り返す光のなかを回遊式でめぐる、まさに“宇宙”を感じる空間。あたたかな「あかり」に包み込まれることで母親の子宮に戻る感覚を得る、というノグチの言葉にもつながるよう。

  • イサム・ノグチ《ヴォイド》1971年(鋳造1980年)和歌山県立近代美術館蔵 ©2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713
  • イサム・ノグチ《化身》1947年(鋳造1972年)イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与) ©2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713
  • イサム・ノグチ《黒い太陽》1967-69年 国立国際美術館蔵 ©2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713
  • イサム・ノグチ《発見の道》1983-84年 鹿児島県霧島アートの森蔵 ©2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

「ぼくはとくに彫刻を秩序の芸術——空間を調和させ、人間的にするもの——と考えている。」
詩人である日本人の父とアメリカ人の母の間に生まれ、複雑な生い立ちや自身のアイデンティティに苦しんだノグチ。その孤独感や居場所のなさゆえに彼は「調和」を人一倍望んだのかもしれません。

《ヴォイド》=「虚空」は仏教用語で「すべてのものの存在する場所」という意味。ノグチはこの禅的な世界に魅了されていました。
実現はしなかったものの、反核の象徴として高さ10ⅿを超える巨大なヴォイドを制作する構想も持っていたそう。

  • 「あかり」インスタレーション
  • イサム・ノグチ《リス》1988年 香川県立ミュージアム蔵 ©2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713
  • 「あかり」インスタレーション
  • イサム・ノグチ《座禅》1982-3年 イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵 ©2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

第2章は「かろみの世界」。幸福な家庭生活はなかったものの、父の祖国である日本の文化や伝統は、ノグチにとって重要なインスピレーションを与えてくれるものであり続けました。

“照明”そして“軽い”という意味を持つlight=「あかり」。日本文化のいち側面である「軽み(かろみ)」を自らの作品に取り込もうと情熱を注いだノグチ。半透明で折畳み可能、安価で手に入れることができる「あかり」は、誰もが気軽に楽しむことのできる「光の彫刻」として世代を超えて愛されています。(我が家でもスタンドライトを愛用中♡)

金属彫刻の連作は、切り紙や折り紙をヒントにしたもの。ノグチ彫刻の新たな方向性を感じさせます。

《プレイスカルプチュア》2021年、鋼鉄、茨城放送蔵

生涯を通じて遊園地の建設プランを持っていたノグチ。《プレイスカルプチュア》=「遊びの彫刻」は、排水管でできた大型遊具です。鮮やかな色と躍動感あふれるフォルムに、大人でもわくわく!

イサム・ノグチ《ねじれた柱》1982-84年 イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与) ©2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

第3章「石の庭」は、生涯をかけて“彫刻とは何か”を追求し続けたノグチの到達点・石彫の世界です。

ニューヨークと香川県高松市牟礼町を制作拠点としていたノグチ。牟礼では、全幅の信頼を寄せた石匠・和泉正敏とのコラボレーションによる野外アトリエ空間を作り上げました。
牟礼の作品が同所以外でまとめて展示されるのは、1999年イサム・ノグチ庭園美術館開館以来初めてのこと。

《ねじれた柱》は高さ約3mにも及ぶ、本展で最も大きな作品です。
石が本来持っている自然の造形物としての美しさと、自分のビジョンとの融合。ノグチ芸術の集大成が点在する神秘的な空間に、ただただ圧倒されるばかり。

イサム・ノグチ《無題》1987年 イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与) ©2021 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/ARS, NY/JASPAR, Tokyo E3713

《無題》は見る位置によって全く違う姿をみせる、ノグチ最晩年の石彫。ふたつの石の組合せに見えますが、ひとつの石でできた作品です。
もともと石に内在していた優美な形がノグチの手によって掘り出されたかのような、見事な佇まい。
自然と対話し、空間と対話し、自らの彫刻の在り方を“発見”したノグチはいったい、巨石の内部にどんな声を聴いたのでしょう——。

会場ではサカナクション・山口一郎氏によるサウンドツアー「イサム・ノグチと音楽」も実施中(税込 800円)。音声ガイド機とヘッドホンを使い、音楽という視点からノグチ作品を紐解く新たな鑑賞体験にも注目です。

ノグチ芸術が生み出す「調和」の世界。ぜひ皆さんも実際に感じてみてください!

【 展覧会情報 】
イサム・ノグチ 発見の道
会期:開催中~2021.8.29(日)
会場:東京都美術館 企画展示室
開室時間:9:30~17:30(最終入室17:00)
休室日:月曜日(ただし、7/26、8/2、8/9は開室)
※最新情報は公式サイトでご確認ください。

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