DigitalistLifestyle

映画『カモン カモン』─ 子どもと暮らす。世界と出合う。

お風呂に入れ、ご飯を食べて、寝かしつける──ありふれた子育ての日常。それは親密で愛おしい、かけがえのない風景。

自らの体験をベースに『人生はビギナーズ』では父との関係を、『20センチュリー・ウーマン』(←大傑作!)では母との関係を描いてきたマイク・ミルズ監督。待望の新作は、最愛の我が子との暮らしから生まれた、ささやかで驚きに満ちた物語です。

全米の子どもたちを取材してまわるラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)は、妹が家を留守にする間、9歳の甥ジェシー(ウッディ・ノーマン)の面倒を見ることに。
突然はじまった子どもとの生活は、思い通りにいかないことばかり。しかしジェシーと真摯に向き合ううち、いつしかジョニーは自分自身とその人生、さらには自分たちを取り巻く社会ともリアルに向き合うことを学んでいく──。

デトロイトからロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズへと移動するロードムービーでもある本作。旅路のなかでジェシーとともに成長し、新たな目で世界を捉え直していくジョニーの静かな変化に、観ている私の視界までが広がっていくよう。

ジェシーの奇妙な“ごっこ遊び”は一見ギョッとするけれど、彼にとっては複雑で未分化な感情をどうにか処理するための重要な行為で。
きっと、大人だってそう。だから私たちには“物語”が必要だ。

作品全体を通して流れる、実際にホアキンがインタビューした9~14歳の子どもたちの“生の声”がまた素晴らしい。人生について、未来について、子どもだってちゃんと意見を持ってるし、聴いてほしいと思ってる。自分の言葉で語る彼らのなんという知性、ユーモア、たくましさ!子どもは大人が思うよりもっとずっと、遥か先へと向かっている。

子どもは、未来そのもの。
息子と出会って初めて見えた世界が、私にはたくさんある。
この作品が示す「すべての大人は子どもとその未来に責任がある」というブレないスタンスの、なんとクールであったかいことか!

監督の作品すべてに通じる俯瞰したまなざし、フェミニズム的視点、孤独も矛盾や葛藤も込みでのあふれる人間味。分かり合えないとしても相手の話に耳を傾けようとする姿勢、誰かと関係修復を図るときの実直で謙虚な態度。それらがますます際立つモノクロ映像は、どこか寓話的で美しく。

もともとNYのカルチャーシーンでCMやMVの映像監督、グラフィックデザイナーとして活動していたマイク・ミルズ監督。映像はもちろん音楽の選曲もカッコよくて♡
主演2人の掛け合いも最高だし、この作品の好きなところを挙げていったらキリがないほど。

観るたびに好きになる、それぞれの人生が愛おしく思えてくる、マイク・ミルズ作品。
世界を覆う暗いニュースが続くいま、ぜひ映画館で味わってほしい作品です。
本当に、大好き!!!

 

カモン カモン
(2021年/アメリカ/108分)
4/22(金)~ TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー

 

FEATURE

May
28
今日の40代おしゃれコーデ

【背中出し】のウォーミングアップは、浅開きのワンピから![5/28 Sat.]

【背中出し】のウォーミングアップは、浅開きのワンピから![5/28 Sat.]

会員限定PRESENT

会員プレゼント

【ホテルインディゴ軽井沢】の朝食付き宿泊券(1泊2名・1室)を1名様にプレゼント

会員プレゼント

「OMO5 京都祇園 by 星野リゾート」の 宿泊券を1組4名様にプレゼント

PICK UP