こんにちは!ロンドン・デジタリスト・ブロガーの近藤麻美です。
今回は、日本関連アート・パフォーマンスのお知らせです。
ロンドンのパイオニア的インターナショナル・シアター、コロネットが現在、『ELECTRIC JAPAN 2022』を開催しています。
日本のエクスペリメンタル・アート&カルチャー・シーンを牽引する、様々なジャンルのアーティストがロンドン、ノッティングヒルのアイコニックかつユニークなコロネット・シアターに終結。海を越えて、日本からやって来たパフォーマーに加えて、イギリス在住の日本人アーティスト達の作品も楽しめるという、とても贅沢なフェスティバルです。
幸運なことに私もその一つに参加させていただくことができました。
今回、私が観覧したのは、5月11日「See Art Through the Body」と題された、一夜限りのショー。
インターバルを挟んだ2部構成で、前半はコリオグラファー&ダンサーの Fukiko Takaseさんとヴォイス・アーティスト、Hatis Noit(ハチスノイト)さんの共演。Meg Shirayamaさん(meg shirayama)のビジュアル・アートをここではフィジカルに融合させたパフォーマンス・アートです。
全員、ロンドン在住のアーティストです。
credit: Mayumi Hirata
Fukikoさん、 Noitさん、共に全身黒のシンプルな衣装で登場。時計の秒針のような規則正しい音を背景に、Noit がハミングすると、Fukikoさんがその肢体をしなやかに動かします。マイク・エフェクターでNoitさんの声に奥行きが広がり、高い天井へとエコーが響きます。そして、Fukikoさんのダイナミックに全身を使ったその振付は、力強く繊細に、時に空間からはみだすような躍動感を与えてくれます。
credit: Mayumi Hirata
時に離れ、時に絡み合いながら、二人が醸し出すアンビエントは極上の美しさ。ミニマリズムの極限を表現した、優美かつ洗練された、音とダンスの調和でした。
credit: Mayumi Hirata
そして後半は、Hatis Noitさんが単独で登場。前半とは打って変わって、鮮やかな赤のドレス。一目でIssei Miyakeの衣装だと分かりました。鼻に羽のピアスをまとい、独特の雰囲気、オーラを醸し出しています。2本のマイクを交互に操り、エコーを利用して奏でる声のループ。自身の声に、また自身の声を重ねるという特殊な技法で、音の厚みが増し、音域が上がるごとに、無限大の空間が広がります。孤独感漂う、声のみの音楽(アカペラとはまた違うのです)ですが、壮大なスピリットを肌で感じることができました。最後に、地元北海道、知床の海を想像して作ったという曲は、これまでと違い、波の音とカモメの声をバックにさらにオーガニックなヴォーカルを披露してくれました。
前半のダンス・コリオグラフィー、後半のヴォカール・パフォーマンス、視覚と聴覚を存分に研ぎ澄まし、堪能しました。
Hatis Noitさんのアルバム『Aura』。Hatis Noitさんの情報はこちらから。HOME | hatisnoit
Fukiko Takaseさんの情報はこちらから。
会場では、ロンドン在住の写真家、Mayumi Hirata さんの、フォト・エキシビションも同時開催されていました。
『IREZUMI–WORKS BY HORIREN 1st』地下のバーエリアに展示されています。
『Jump!』今回のショー会場となったシアター内の展示です。
credit: Mayumi Hirata
写真家Mayumi Hirataさんの情報はこちらから。
以下、公式サイトの発表です。
ELECTRIC JAPAN 2022
10 May –11 Jun
日本のパフォーマンスの新しい顔と文化の電撃的な出会い。東洋と西洋、伝統と現代を融合させた若い世代のアーティストが英国で初めて集結し、驚くほど新鮮でエキサイティングなフェスティバルを開催します。
ダンス、音楽、演劇、写真、ファッション、オペラ、アートなど、様々なジャンルのアーティストが集結し、コロネットシアターを舞台に、劇場でのパフォーマンスやコロネット内各所での展示など、エキサイティングな催しが繰り広げられます。
このフェスティバルでは、2022年ビエンナーレ、ダンス部門にて金獅子功労賞が授与されると発表された世界的に有名なダンサー・振付家の勅使川原三郎がThe Coronet Theatreに再登場します。