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この映画は一生モノ。── 『アフター・ヤン』

動揺するほど素晴らしい映画と出合ってしまった・・!

記録と記憶。存在すること、無になること。家族の定義とは、アイデンティティとは。異文化と多様性、継承されていくもの。
深遠なテーマを日常のあたたかいまなざしで描いた、とてつもなく愛おしい作品。

AIロボットやクローンが一般家庭にまで普及した近未来。
茶葉店を営むジェイクは妻カイラと中国系の養女ミカ、ミカの教育のために購入したAIロボット・ヤンと穏やかに暮らしていた。しかしある日ヤンが故障して動かなくなってしまう。修理に奔走するうち、ヤンには“1日あたり数秒間の動画を記録できる特殊機能が備わっていたことが判明。そこに映っていたものとは──。

私たちが触れるのは、世界を見つめるヤンの豊かなまなざし。ヤンにとっての「記録しておく価値がある」という判断は、もともとプログラミングされたものなのか。それとも彼のなかに生まれた愛情のようなもの、「記憶しておきたい」という想いによるものなのか。

銀河のように渦巻く記憶の宇宙で、私たち人間は何を忘れ去り、何を保管しておきたいと願うのだろう。
もし死の間際の走馬灯があるのなら。私は私の人生に起きた美しいことだけを、最後に見ることができるだろうか。

ヤンの記録に映っていたささやかな日常風景、自分たち家族の姿、大切な人──ヤンの見ていたものを通して、世界を見つめ直すことになるジェイク。内に閉じていたジェイクの視点が、湯に舞う茶葉のようにゆっくりと開いていって・・。

養子縁組家族生物学的家族とを「接ぎ木」を例えに説明し、ミカに継承したい文化的ルーツを自分自身が「知識ではなく経験として知っていれば」とつぶやくヤン。
ミカにとってだけでなく、穏やかだけれどどこか分断の気配が漂うこの家族というチームをつなぐ存在でもあったヤンの存在。
喪失と再生、他者とのつながりによって見えてくるもの。ヤンの目を通して見る世界はどこまでもやさしくて、せつなくて愛おしい。

小津安二郎監督の信奉者としても知られる、韓国系アメリカ人のコゴナダ監督。その卓越した映画言語はいちいち思わず唸るほど。
世界中の家族がリモートで競い合う、オープニングクレジットの
ファミリー・ダンス・バトルも最高です!
余白たっぷりの映像に寄り添うテーマ曲を手掛けるのは坂本龍一。岩井俊二監督作『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)の挿入歌「グライド」の新バージョンも印象的で。

AIのSF映画というと様々な作品が思い浮かびますが、『アフター・ヤン』は私が知っているどれとも違う味わいのヒューマンドラマ。いつまでも静かに心を震わせる、抱きしめたくなるようなこの余韻。

原作小説(アレクサンダー・ワインスタインの短編『Saying Goodbye to Yang』、日本語未訳)は未読ですが、個人的にはカズオ・イシグロ『クララとおひさま』が好きな方にも強くオススメしたいです。

やわらかい光とそよぐ風、においまでもが沸き立つ映像美。これはもう絶対にスクリーンで観てほしい作品。ぜひ!!

 

アフター・ヤン
(2021年/アメリカ/96分)
10/21(金) ~TOHOシネマズ シャンテ ほか全国ロードショー

FEATURE

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