Digitalist

【ロンドン発】ドーチェスター・コレクション、45パークレーン「鮨かねさか」へ行ってきました。

こんにちは!ロンドン在住・デジタリストの近藤麻美です。

前回の投稿で夏が終わった、と書いてしまったのですが、ロンドン暑いです!!9月に入って晴天が続いており、先日は、友人宅でバーベキューでした。お隣のプール付きの庭からは、毎日のように水のはねる音が聞こえ、本当に夏が戻った感じです。

 

さて、先日、東京のミシュラン2つ星レストラン「鮨かねさか」の支店がロンドンにオープンしたとのことで、ご招待をいただき、45 Park Laneホテルへ行ってまいりました。

45 Park Lane のエントランス。

 

ロンドン中心地、ハイドパークを望む、45 Park Lane(45 パークレーン)は、老舗高級ホテル、The Dorchester (ザ・ドーチェスター)の姉妹ホテル。ちなみに、ドーチェスター・コレクションは、イギリスではザ・ドーチェスター、45パークレーン以外にも、アスコットにCoworth Park(カワース・パーク)があります。

ウィンザー城近くの快適なカントリーハウスのホテル、カワース・パークには、テニスコート、乗馬場、ポロ競技場も完備しています。

 

さて、「Sushi Kanesaka」ですが、実はこちら7月1日にオープンしたばかり。「鮨かねさか」グループが、アジア太平洋地域外で初めて開業する店舗となります。

ぬくもりと落ち着きを感じる柔らかな色合いの店内。

 

オーナーの金坂真次シェフ。完璧を追求する金坂シェフは、Sushi Kanesakaのために、8 名のシェフ、ソムリエ、接客スタッフから成る精鋭チームを結成しました。

 

カウンターは樹齢500年の、1 枚の木曽檜から作られてい ます。店内を飾る壺は、有名な陶芸家の辻村史朗氏が鮨かねさかのために特別に制作したものです。

 

店内に足を踏み入れた途端、まるで銀座の高級すし店に訪れたような感覚に陥ってしまうような雰囲気。シンプルで和モダンな空間が広がる店内は、9 席のカウンタ ー席と、隣接する個室内の 4 席の計13 席で構成されています。

 

本日いただいたのは、17品からなる、おまかせコース。18時と20時半のタイムスロットで、専任の寿司職人が、熟練の技を披露しながら、鮨かねさか流のおもてなしでゲスト1人ひとりを魅了します。

 

それでは、コースの内容をご紹介します。

ガリのおいしいこと!生姜の風味を大切にさっぱりとした甘味と酸味で仕上げられています。

 

コーニッシュ・キング・クラブ、ジュンサイ添え。イギリス、コーンウォール地方の蟹の冷たいスターターで、透明のお出汁は、まるでガラス職人が作ったような美しさ。蟹の風味にじゅんさいのゼリー状のぷりぷりとした口ごたえがマッチします。

 

今回大変お世話になった、和田(Wada Hirotaka)料理長。流れるような作業の中、いろいろな質問にも答えていただきました。こちらで手に入りにくくて苦労したものはありますか?とお伺いしたところ、網目の細かいザルと雪駄、と。雪駄!?こちらからは見えないのですが、シェフはなんと厨房では雪駄を履いていらしゃるのだそうです。さて、その和田シェフの握る、最初の一貫は...?

 

中トロです。米は、山形県産の金坂シェフ独自のブレンド米を使用しています。

 

最初の一貫をお箸でいただいた後、和田シェフより、指でつまんで食べてください、とのご指導を受け、この後は手でつかんでいただきました。

 

下ろしたてのワサビがほんのり辛さを与えます。

 

魚介出汁の茶碗蒸しはシルキーな舌触り。

 

真ハタは柚子風味で爽やか。

 

なんとキャビアが登場しました。

 

ヤリイカのベルーガ・キャビア(チョウザメ)添え。
イカは噛み応えを感じさせず、優しい口あたり。

 

肉厚のアワビ。

 

タコの甘煮。

 

お二人でテンポ良く盛り付けされています。

 

タコには味がしっかりと染みており、とてもジューシー。アワビはカナダ産で、柔らかくするために6時間蒸しているそうです。ワサビがよく合います。

 

備長炭でグリルされた神戸牛。

 

ミディアムで柔らかく、ジューシーな神戸牛。ワサビか岩塩かはお好みで。

 

和田シェフは2本の包丁を巧みに使い分け、高度な技術で具材を切り分けていきます。

 

タレでマリネされた赤身。

 

鰻のかば焼き。ウナギはアイルランド産。

 

こちらは手巻きでいただきました。おいしいだけでなく栄養たっぷりのうなぎ。秘伝のたれでしっかりと味付けされ、ふっくらと柔らかい。炙った海苔もとても香ばしいのです。

 

美しく並んだネタを見るだけでも、次は何かな?とわくわくします。

 

シェフの手元と包丁さばきをしっかりと堪能します。こちらの白身は何でしょう?

 

カンパチでした!ポルトガルからということは、大西洋産ですね。これは嬉しい!

 

大好きなアジはコーンウォールから。中には紫蘇が施され、上にはすり鉢ですりおろしたアサツキが。そのため、ハーブの香りが高く、程よく脂ののったアジは臭みがなくあっさり。

 

同時に炭火でグリルされているのは...?

 

ぷりぷりの赤海老でした。むっちり弾力がありつつも、歯切れがよく柔らか。炭火で炙り、薫り高い一品です。

 

スコティッシュ・ロブスターのエビフライ。キツネ色の衣はサクサク、そして上に乗せられた卵の風味が豊かな自家製タルタルソースが悶絶するほど美味しい!和田シェフは、「ジャパニーズ・フィッシュ&チップス」と紹介し、笑いを誘っていました。

 

豪勢なネギトロがたっぷりと。

 

ネギトロ巻き。トロも大盛でしたが、ワサビもたっぷり。

 

玉子焼き、かねさかスタイルは、エビのすり身が入っています。まるで濃厚なムースをいただくような触感。甘めの味付けです。

 

そして〆はお味噌汁。写真では見えないのですが、ロブスターの爪の身が入っています。お出汁もロブスターの頭でとったもの。お代わりしたかった!

 

デザートはフルーツの盛り合わせ。メロンは静岡産、桃は山梨、マスカットは岡山産です。
イギリスでもすっかり高級品として有名になった日本産のフルーツです。

 

以上をコースで堪能しました。メニューはシェフの技と創造性が発揮され、味だけでなく器やグラスを含めたプレゼンテーションにもその品格が感じられます。

しかしここで、もしかすると、日本産のお魚は使用してないの?と思われる方がいるかもしれません。実はイギリスでは日本であげられた魚介類を輸入して使用することは禁じられているのです。そこで、こちらSushi Kanesaka では、イギリスをはじめ、ヨーロッパやオーストラリアなど、輸入が許された国から、魚は活け締めして鮮度を保ち、季節に合わせた新鮮で高品質な食材を取り揃えたうえ、日本と全く変わらないクオリティーで、このような最大 20 品からなるおまかせコースを提供しているのです。それにしても、江戸前寿司という、日本特有の伝統料理を一ミリの隙もなく、東京でいただくような最高品質で再現できるなんて、まさに職人技。そのプロフェッショナルな芸術性と正確さに畏敬の念すら覚えます。

また、かねさかでいただく酢飯は、温度も人肌で、握りの温度感に心を配るのも一流の証し。きつく握りすぎないので酢飯が口の中でネタとともにとろけるようほろほろと砕けます。

 

さらに今回は、酒ペアリングのオファーもいただき、お言葉に甘えて本当においしいお酒も堪能しました。

食前にいただいたのは、七賢スパークリング日本酒、山ノ霞(やまのかすみ)。うっすらと霞のように舞うオリの中に立ち上る、キメの細かい泡。フルーティーな吟醸香です。

 

鰻によく合います、と酒ソムリエの方がご紹介してくれたのは、「酒造りの神様(ゴッドファーザー!)」の異名をもつ農口尚彦杜氏の「山廃愛山、無濾過生原酒」。酒米「愛山」を使用、山廃仕込を採用し、苺を連想させる甘酸っぱい可憐な香りが漂います。瑞々しく綺麗な旨味とヨーグルトのような 優しい酸味からくるキレがエレガントに調和しています。

おまかせコースは、酒、ワイン、ビール、日本産ウィスキーとのペアリングもあります。

 

マネージャーのNagashimasさまのお話によりますと、ザ・ドーチェスターの熱いラブコールにより、かねさかのロンドン進出が実現したとのこと。高級ホテルならではの贅沢な空間と質の高いおもてなしで、世界中から訪れるゲストを魅了するSushi Kanesaka。その精神は、サービスにも表れており、細やかな気配りでリラックスした時間を過ごすことができました。また、握りを担当する料理長は、サーブをする際、一品一品、ネタや具材、そしてその産地、調理法なども英語で添えてくれるので、日本語を理解しない友人やクライアントなどをお連れしても安心して食事を楽しむことができます。このような心遣いが、伝統的な寿司職人の技への揺るぎないこだわりと相まって、私たちをスペシャルな美食の旅へと誘ってくれるのです。

 

 

最後に、もう一つSushi Kanesakaが最高の空間を与えてくれることを約束するエピソードを。予約確認のメールにこのような文が添えられてました。「繊細な味と香りを存分にお楽しみいただくために、香りの強い香水やコロンなどはお控えください。軽めの香りのものを選ぶか、あるいは香水をつけるのを控えることで、当店の寿司から生まれる繊細な香りを五感で感じ、お食事全体を引き立てることができます」。なんと素敵なアドバイスでしょう。確かな信頼をもって訪れることのできるレストラン、素敵な体験をいただきました。

 

Sushi Kanesaka

45 Park Lane, London W1K 1PN

FOOD AND DRINK RESERVATIONS
+44 (0)20 7493 4545
restaurants.45L@dorchestercollection.com

GENERAL ENQUIRIES
+44 (0)20 7493 4545
info.45L@dorchestercollection.com

公式ウェブサイトはこちら。

Sushi Kanesaka at 45 Park Lane | Dorchester Collection Behind a discreet doorway poised elegantly above Park Lane an www.dorchestercollection.com

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

それでは、皆さま良い一日を!

Have a nice day!!

Love from London.

[Instagram]では、毎日の生活を投稿しています

https://www.instagram.com/mamimoonismine

[note]では、本や映画、英TVのレビュー、ニュース翻訳、コラムを書いています。

近藤麻美 ロンドン在住フリーランスライター|note 1999年渡英。ライター&リサーチャー。英国ニュース、英国文化、海外ドラマ、イギリス生活、食、教育、音楽、映画、歴 note.com

FEATURE

Nov
30
今日の40代おしゃれコーデ

今季注目度の高い【ピンク×赤チェック】は気負わずデニムで着こなして

今季注目度の高い【ピンク×赤チェック】は気負わずデニムで着こなして

PICK UP