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闇の美術史をめぐるドキュメンタリー『ヒトラーvs.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』

ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点。戦後70年以上経った今でも10万点が行方不明と言われています。

ヒトラーが画家志望だったことは有名ですが、ウィーン美術アカデミーを2度受験するも不合格。もともとの性格や抱えたコンプレックスも相まってか、美術品を漁り故郷に“総統美術館”を設立するという野望を燃やす彼の姿には、異様なまでの“(彼にとっての)正しい美”への執着が感じられます。

ヒトラ―と競うように美術品を奪ったのがナチスのナンバー2であるゲーリング。一見ヒトラーとは正反対に明るく自信家な印象のゲーリングですが、裏でヒトラーを欺いてまで美術品に固執する姿はやはり相当なもの。

ヒトラーは1937年、純粋なアーリア人による古典主義的な作品を集めたナチスお墨付きの展覧会「大ドイツ芸術展」と、国内の公立美術館とユダヤ人収集家から没収したピカソ、ゴッホ、シャガール、カンディンスキー、クレーなど巨匠たちの作品をさらし者として乱雑に公開した「退廃芸術展」を同時期に開催。
しかしヒトラーの意に反して退廃芸術展の動員数は4か月で200万人を記録、あまりの人気に1941年までドイツ13都市を巡回したというから皮肉なものです。

映画は行方不明となった作品を追う様々な立場の関係者へのインタビューと当時の映像をもとに、史上最悪の闇の美術史へと迫ります。
多くの情報を一気に駆けぬけるので、前もってある程度の知識に触れておいた方がより作品を楽しめそうです。
美術品奪還のための特殊部隊“モニュメンツ・メン”の活躍を描いた『ミケランジェロ・プロジェクト』(ジョージ・クルーニー監督・主演、マット・デイモン、ケイト・ブランシェットら豪華俳優陣が集結)や、略奪された美術品の返還を求め国を相手に奇跡を起こす感動の実話『黄金のアデーレ』(主演ヘレン・ミレン、ライアン・レイノルズ)あたりが特にオススメです!
※以前書いたブログでこちらの2作品をご紹介しています。↓
https://storyweb.jp/digitalist/3689/

案内役はイタリア映画界が誇る名優、トニ・セルヴィッロ。
字幕監修はベストセラー「怖い絵」シリーズの著者・中島京子。

先の見えないこの時代、善にも悪にも加担しうる“芸術”が持つ特別な力とは——。
人類共通の財産である美術品をめぐる数奇な物語を、ぜひ劇場で。

 

『ヒトラーvs.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』
(2018年/イタリア・フランス・ドイツ/97分)
4/19~ヒューマントラストシネマ有楽町ほか 全国順次公開
http://hitlervspicasso-movie.com/

 

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中林直美
FROM中林直美 渋谷の映画館でもぎりをしつつミニシアターブームに傾倒した学生時代。大学卒業後は大手映画会社で約10年勤務。映画と旅が好き。 https://www.instagram.com/naomi_nm_/
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