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箱根で‟体感する”アートな秋——『シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート』

「現代アート」って、なんだか敷居が高いイメージがありませんか?
古典芸術のように作品のジャンルや価値が定まっていないぶん、アート界隈の人でないとイマイチどこから入ればいいのか分からないというか。。
そんな「現代アート初心者」にも自信をもってオススメしたい企画展が、箱根・仙石原のポーラ美術館で開催中です!

国内屈指の西洋絵画コレクションを誇るポーラ美術館。同館が近年ますます力を入れているひとつが、現代アート作品の展示。2017年にはポーラ美術振興財団の助成を受けた現代美術作家の活動を紹介する「アトリウム ギャラリー」も新設されました。
満を持しての開催となる本企画展は、ポーラ美術館開館以来初めての本格的な現代アート展です。
タイトルの「シンコペーション」(切分法)とは、リズムを意図的にずらして楽曲に変化を与える音楽の手法のこと。同館所蔵の巨匠たちの作品と現代アートとの時空を超えたセッションは、いったいどんな音を奏でてくれるのでしょう。

まず現れたのは同館が誇るモネの名作《睡蓮》。奥の部屋からは聴こえてくる幻想的な音色。。

セレスト・ブルシエ=ムジュノ《クリナメン v.7》2019年 ©Céleste Boursier-Mougenot

パッと視界が開けた先に広がるのは、セレスト・ブルシエ=ムジュノ《クリナメン v.7》。
大きな水たまりのような円形プールに浮かぶ大小の白い陶磁器。それらが
ぶつかりあって偶発的に奏でられる音の響きに身を委ねると、そこはすっかり異空間。
「水のうつろい」によって絶え間なく変化するその光景は、モネが捉えた水面のきらめきとも共振して。
空間全体に漂う不思議な浮遊感に、時が経つのを忘れてうっとり。。

アリシア・クワデ 《まなざしの間に》は、鏡とガラスが迷宮のように配置された神秘的なインスタレーション。交錯する実像と鏡像、揺らぎだす時間と空間の境界。
シュルレアリスムの巨匠ダリが《姿の見えない眠る人、馬、獅子》で描いた「二重影像(ダブル・イメージ)」——その偏執狂的な妄想世界が広がる「鏡の向こう側」へと私たちを誘います。

こちらはカラフルで遊び心たっぷりな「ポートレイト」のセッション。
ピカソ、セザンヌ、フジタといった過去の巨匠やモデルたちの名前をネットで画像検索、そのイメージを断片化して組み合わせ「キュビズム」風に構成した、渡辺豊による《ピカソと女神たち》。
肖像画に描かれた人物の視線がときに交錯したり、同じ名前を持つ作品があったりと、思いがけないリズムやハーモニーに出合える心躍る空間です。

“モノ”から“コト”へ、磯谷博史の詩的な世界が広がる「出来事の設計」。
ピカソの《新聞とグラスとタバコの箱》と呼応するのは、Marlboroの箱がキスをするように重なる《カップル》(写真 左上)。フレームの一部に転移させた被写体の色(この場合はパッケージの赤と緑)がモノクローム写真を鮮やかに写し出し、そこにある物語が浮かび上がってくるよう。

独自の空間認識で静物画を描き続けたセザンヌの《砂糖壺、梨とテーブルクロス》と並ぶのは、石塚元太良の作品。アラスカのゴールドラッシュ時代のままに取り残された光景は、「廃墟としての静物」となって独特な存在感を放ちます。
このほか石塚氏は「偽る風景」と題し、マグリットの謎めいた風景画《前兆》とも共演。提示されるのはアラスカの氷河で見出した超現実的ともいえる自然の造形美です。

©Oliver beer フォーリンデン美術館、ワッセナー

オリヴァー・ビア《悪魔たち》は、同館の東洋陶磁コレクションとのセッション。
古代から現代にいたる様々なかたちの「器」にマイクを設置、その空洞にもともと内在しているかすかな音を増幅させ、美しいオーケストラを編成します。
時代も国境も超えて届けられる「声のかたち」は不穏でもあり神々しくもあり・・畏怖の念を覚えるような、不思議な感覚に陥ってしまいました。

森の中に佇むポーラ美術館は、「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに掲げています。
四季折々の景観を楽しめる森の遊歩道では、スーザン・フィリップスによる野外インスタレーション《ウインド・ウッド》が展開。
ラヴェル作曲《シェヘラザード》より〈魔法の笛〉のフルートを断片化した音が遊歩道内の11個のスピーカーから流れます。その旋律と「森を駆け抜けて」共鳴する、鳥のさえずり、虫の鳴き声、風にそよぐ木々のざわめき——幻想的な森の空気に思わず深呼吸。

まだまだこの他にも体感して楽しむインスタレーションが盛りだくさんのシンコペーション展。
ポーラ美術館の企画展はやっぱり斬新で、でもどこか親しみが持てておもしろい♡
共鳴、共振する現代アートと巨匠たちのセッションを、皆さんも実際に体感してみてくださいね。

そして仙石原といえば秋の大人気スポット“仙石原ススキ草原”も外せません!色づきはじめた穂が黄金色に輝き絶景となるこれからの時期、ススキも紅葉も芸術もいっぺんに満喫できる秋の箱根へぜひ!

 

【 展覧会情報 】
シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート
Syncopation:Contemporary encounters with the Modern Masters
会期:2019年8月10日(土)~ 12月1日(日)※会期中無休
会場:ポーラ美術館 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
ポーラ美術館HP ↓
http://www.polamuseum.or.jp/


        

instagram ↓
https://www.instagram.com/naomi_nm_/

中林直美
FROM中林直美 渋谷の映画館でもぎりをしつつミニシアターブームに傾倒した学生時代。大学卒業後は大手映画会社で約10年勤務。映画と旅が好き。 https://www.instagram.com/naomi_nm_/
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