
高校生、小学生の3人の子どもを育てながら、女優としても輝きを放つ広末涼子さん。毎月〝思春期ママ〟たちと思いを共有する場となる連載エッセイ。今回は、私たちの大問題「子どもの進路」をテーマに語ります。
学校選びや受験は、改めて子どもの夢や未来を考えるチャンスと捉えてみよう!
この子育て連載を執筆させていただいて今回が16回目、毎回のことなのですが、本当に毎回、悩む。どう書こうか? 何のエピソードを持ってきたらいいか? じゃあ、まず自分はどうしてきたか……。皆さんからいただいた「読者ママたちの声(メッセージ)」に共感し、深くうなずき、親として同じ疑問や悩みを経験してきたからこそ、簡単には書き始めることもできず、毎回悩む。
そして、今回もそう。だって、まさしく今、私自身も子どもの進路に迷っている最中なのだから。
〝進路〟――。皆さんやっぱり、親の希望と子どもの意思、夫婦間での方針の違い、何を優先すべきかで悩まれていて、私も完全に同感です。いくら自分がお腹を痛めて産んだ子だとはいえ、この子が何に向いているか、将来何を仕事にすべきか、なんて100%の確証が持てるはずがない。絶対にこうよ! とは言い切れないのは当然。何が得意で何が苦手、どんな性格かを知っている我が子だからこそ、どんな学校へ行かせるべきか、どんな環境がこの子にとって幸せなのか、余計に悩む。
学校見学にも行き、説明会にも参加し、学区内の公立校も比較し、塾の先生からのアドバイスも聞き、カウンセリングもして、他のママたちからの情報収集もして、やれることは全部やったうえで、更に迷う。
だから今回この連載ページでは、さっぱりキッパリ切り口を変えてみることにしました! 私たちママは、目の前の日常や生活、〝目の前の子どもの進路〟に囚われがち。だからこそ視点を変えて、学校選び、受験は、〝自分が好きなこと〟や〝得意なこと〟〝夢〟、ひいては〝なりたいもの〟〝未来の職業〟まで、子どもとじっくり話してみるいい機会! そんなふうに、ポジティブにとらえてみてはどうでしょう。
子どもが遊び感覚でいろいろな仕事にチャレンジできる職業体験アミューズメントは有名ですが、それだけでなく最近は、実在の企業と提携したオリジナルのカリキュラムで、憧れの仕事を身近に体験できる〝オンラインお仕事体験教室〟があったり、日本のみならず世界の企業の職業体験を検索、申し込みができるプラットフォームがあるんです。
楽しめるリアルな職業体験を通して、実在する会社の仕事、社会の仕組みや成り立ちを学ぶことができ、同時に子どもが早い時期から自分の職業観や価値観を育むチャンスになる! と人気が出てきているそう。実は私も、2番目の子に体験させてあげたくて絶賛検索中!(本当はもう少し早くやらせてあげたかったと後悔しているくらい)

小学生で将来の仕事を決めることや、中学受験で未来の職業を見据えて進路を考えることは難しいように思えるかもしれない。けれど、私は、ついこの間、長男に投げかけられた質問にハッとした。「ママ、オレって何をやったら(職業)成功できると思う?」。
長男18歳、進路と職業が現実的に直接的に繫がりつつある年齢だからこその、焦りや迷いがある。もっと早く、彼に具体的な夢や仕事に対する目標を与えてあげられる機会を作っていたら……と反省した。
もちろん、夢や目標にチャレンジするのに遅すぎるなんてことはない! と、私は思っている。だから今は、長男とも改めて無限にある可能性と選択肢を最大限に生かせる進路を模索している。と同時に、これを教訓に、2番目、3番目の子たちには少しでも早く、そしてひとつでも多くのパスを投げてあげられるようトライしていきたいと思う。
皆さんは、子どもの未来へのパス、投げてますか?

〈次回へつづく〉
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モデル&文/広末涼子 撮影/渞 忠之 ヘア・メーク/MAKI スタイリスト/竹村はま子 取材/奥村千草 ※情報は2023年4月号掲載時のものです。