• TOP
  • Prtimes
  • 子どもたちの“共助”に注目、SNSで広がる新しい心の育成
Prtimesその他

子どもたちの“共助”に注目、SNSで広がる新しい心の育成

一般社団法人コミュニケーションワーカー支援機構

~SNS相談からみえた「コミュニティ免疫力」向上の実施と効果~

 現代社会において、小学生から高校生まで子どもたちの悩みは「SNS」というツールで発信されることが多くなりました。SNSは日記のようなものとなり、自分の心の声を投稿したり、時には重要なSOSを発する“場”にもなっています。

 そこで、SNSを使った子どもたちのメンタルヘルスケアへの試みや、SNSだからこそできる心の育成が注目されています。日常が劇的に変化していくコロナ禍で、子どもたちを取り巻く大人たちはその変化に翻弄され、子どもたちの声に耳を傾ける余裕さえもなくなっています。置き去りにされそうな子どもたちの悩みやストレス、心の声のよりどころとしてSNS相談のさらなる活用が注目されています。

子どもたちが悩みを共有し、互いの力で解決へ。SNS「みんなに相談」

「ほっとらいん」のリッチメニュー画面
 熊本市教育委員会は、SNSを活用した心のケア相談「ほっとらいん」を実施しています。利用方法は、学校などから案内されたQRコードを読み取り、子どもたち自身がLINEから友だち追加して登録します。
 画面に出てくる6つのメニューには、専門心理カウンセラーに相談するトークや、電話・メール相談の場所を調べたり、いじめ・虐待などを教育委員会に知らせる機能があります。

 なかでも「みんなに相談」は、自分の悩みを匿名で同世代に相談できるようになっています。そして、登録している子どもたちは、公開されている相談に回答できる仕組みになっています。「みんなに相談」は、子どもたちが悩みを共有して、互いの力で解決できる場の提供を目的としています。
【動画】詳しい利用方法 https://youtu.be/1kZnnua3TcY

▲「こころまもる」 https://www.kokoro-mamoru.jp/
このサイトには、「みんなに相談」に投稿された相談や回答が公開されています。相談のタグには「コロナやその影響について」もあり、子たちのコロナに関する不安も投稿されています。

広がる子どもたちの“共助” 公開中の相談274件、寄せられた回答810件

 「ほっとらいん」の「みんなに相談」は、2020年4月17日から始まりました。熊本市の教育委員会が主宰し、事業の受託者であるエースチャイルド株式会社がアプリを提供、管理を一般社団法人コミュニケーションワーカー支援機構が行っています。(2020年12月28日以降質問回答はできず閲覧のみ)
 2020年12月27日まで「みんなに相談」に投稿(公開)された相談数は274件、それに寄せられた回答が810件と、多くの子どもたちがこのSNS相談を積極的に利用しました。そこでは、悩みを持つ子どもたち同士がともに励まし合い、助け合う“共助”の働きが起こり、コミュニケーションの育成に大きな成果が生まれています。
調査概要:2020年4月17日から2020年12月28日 相談件数274件、寄せられた回答810件

心に光をもたらす励ましの言葉、子どもたちのコミュニケーション力

 「みんなに相談」を管理する一般社団法人コミュニケーションワーカー支援機構専任相談研究員で、有限会社セントラルEAPコンサルティング代表取締役・精神保健福祉士の鈴川みやこ氏は子どもたちの投稿について、
「寄せられる相談には自分自身のこと、家庭、友達関係、受験、恋愛、中には「死にたい」という声もあります。そして、これらの相談に答えるのは、投稿者と同じ年頃の子どもたちです。時には、小学生の子どもが高校生の悩みに答えることもあります。子どもたちはカウンセリングの経験もなければ心理学に精通しているわけでもありませんが、寄せられた相談の返信は、どれも心が温まる励ましの言葉であふれています。専門のカウンセラーのように具体的解決策には至らないですが“相手を想う気持ち”は、相談者の子どもの心に光をもたらしています」と、述べています。

子どもたちの目線で、同じ悩みをシェアし合う

▼「こころまもる」に公開されている子どものやり取り
質問:精神的に追い詰められていることについて(高校生)
『部活の部長に委員長、テストや検定の勉強。初めてのことだらけで勉強に身が入らず、テストが悲惨な結果になりそうです。学年で10位、悪くても20位に入るようにと親に言われ(大学を推薦で受けるため)、休み時間も全て勉強に使い、その結果友人や周囲の人からは悪い印象を持たれ何事も両立できず、経験したことのない大きなプレッシャーと責任に押しつぶされそうです。最近では死にたいと毎日思い、通学中どこで死のうか、死ぬ方法を考えています』

質問の回答:(中学生)
『まず、とても頑張っていますね。すごいです。自分も部長をやっているので、少しわかります。責任重大ですしね。そのうえ委員会やテストと頑張っていて頑張り過ぎなぐらいです。部活や委員会は、メンバーに頼ってください。こんなに頑張っているあなたが死ぬ必要はありません。胸を張ってください。 疲れたときは息抜きも大事です。愚痴を思いっきり吐き出してみてください。紙に書いたりとか。泣きたいときは、泣くのも大事。年下のくせに偉そうですみません。自分に自信を持ってください』
 
 鈴川氏は子どもたちのコミュニケーションについて、「悩みを投稿した子どもは、誰かに受け入れてもらえるという“安心感”が持てて、回答した子どもは、自分の励ましのメッセージが届くという“充足感”につながっている」と、心の変化を考察しています。

「コミュニティ免疫力」向上、SNSを使ったメンタルヘルスケアの試み

「みんなに相談」のような利用者同士のつながりを可視化し、「大切な場」として育んでいくことで「コミュニティ免疫力」の向上が起こると考えられます。「コミュニティ免疫力」とは、「集団自体の問題解決能力」のことです。「コミュニティ免疫力」は、SNSを上手く活用することで高めることもできると期待されています。
 試みの一つとして、熊本市教育委員会の「ほっとらいん」では、植物を使った「タイプ別診断テスト」をメニューに取り入れました。診断テストは、雑誌の付録についている占いのような感覚で自分のタイプ=自分の“トリセツ”を知ることができます。診断結果は、キャラクターのイラストとともに自己理解と他者理解を深める内容になっていて、自分の“トリセツ”と友だちの“トリセツ”を共有できるのです。
「お互いが何を考え、どのような人物なのかを、ほんの少し言語化・可視化することで誤解や思い込みを減らし、相互理解が深まることで集団(学校や企業、地域など)の健康性が向上していく」と、鈴川氏は診断テストのねらいについて述べています。

 熊本市が実施した「みんなに相談」は、子どもたちのメンタルヘルスケアに一定の効果を見出しました。SNSを使ったメンタルヘルスケアへの試みは、コロナ禍で人々のコミュニケーションが 分断されがちな現代だからこそ、必要とされる心の育成方法かもしれません。

*「ほっとらいん」は誹謗や中傷などが投稿されないよう、専門的なノウハウに従って運営されています。子どもたちの相談や回答は匿名のため現実の学校生活でつながることはありません。

【 問い合わせ 】
心のケア相談「ほっとらいん」SNS相談の運営について
熊本市教育委員会事務局 学校教育部 総合支援課
TEL : 096-328-2743
e-mail : sougoushien@city.kumamoto.lg.jp

優先救済型SNS相談システムに関することについて
エースチャイルド株式会社
e-mail : info@as-child.com

SNS相談のカウンセリングに関する問い合わせについて
一般社団法人コミュニケーションワーカー支援機構
e-mail : comuwa001@comuwa.or.jp
https://comuwa.or.jp

企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ

RELATED TOPICS

FEATURE

Apr
25
今日の40代おしゃれコーデ

カジュアル苦手なスカート派にもフィットする【公園コーデ】の最適解は?

カジュアル苦手なスカート派にもフィットする【公園コーデ】の最適解は?

PICK UP