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Prtimes調査レポート

子どものスポーツ活動、サポートする母親と父親の熱心さに“ズレ”

公益財団法人 笹川スポーツ財団

小学生のスポーツ活動における保護者の関与・負担感に関する調査研究2021

「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進する笹川スポーツ財団(東京都港区赤坂 理事長:渡邉 一利 以下、SSF)では、2021年9月、小学校1~6年生の第1子をもつ母親を対象とし、子どものスポーツ活動に対する保護者の関与の実態や意識を明らかにする調査を実施しました。

2022年2月に速報値を公開し、「子どものスポーツ活動(クラブ・教室等の団体に所属して行う活動)への保護者の関与は、母親自身が子どもの頃から母親が中心という構造」などの調査結果を明らかにしました。また二次分析を行い、2023年1月に「保護者の当番の“大変なイメージ”が、子どもをスポーツから遠ざける可能性」という調査結果を公表しています。

今回は、子どもがスポーツ活動をしている場合の、父親の関与と母親のサポート(当番・役割)に対する、やりがいや負担感との関係に関する二次分析結果です。父親の関与が高い群の方が、母親のやりがいも負担感も大きいことなどが明らかとなりました。

▼公式サイト
https://www.ssf.or.jp/thinktank/children_youth/2021_report1_03.html

調査結果のポイント

子どものスポーツ活動における、父親の関与と母親のやりがい・負担感の関係性
→ 父親が担う当番・役割(「 送迎 」「 練習の付き添い・見学」「 練習の指導」等)の項目数(全19項目)に応じ、父親の関わりを3群に分類
・「全く関わっていない」27.4% / 「1~3項目関わっている」35.0% / 「4項目以上関わっている」37.5%

■ 父親の関与が大きい群の方が、母親はやりがいも負担感も大きい
「父親が4項目以上関わっている」群は、母親が担う役割・サポートが平均10.2項目で、やりがいを感じる項目数は7.0項目(68.6%)、負担を感じる項目数は4.8項目(47.1%)と、他の群より高い

■ 父親の関わりが多い家庭ほど、母親の子どもへの期待が高い
「父親が4項目以上関わっている」群は、子どもに学校内で活躍する以上(「トップレベルの選手に」+「校内で活躍できるぐらいに上手に」)の期待が、47.4%と他の群より高い

研究担当者コメント

分析にあたり、父親が多く関わるほど母親の負担感は減ると予測していたが、父親が全く関わらない場合よりも母親の負担感が高いという結果になった。

この結果については、どのような父親が熱心に関わっているかという観点が重要である。子どものスポーツに多く関わる父親は、自身もスポーツ経験があり、子どもに期待するレベルが高く、子どもは活動時間が長いクラブに所属するケースが多い。それゆえに母親による熱心なサポートも欠かせず、結果的に母親がやりがいも負担も強く感じている可能性がある。

すなわち、本分析が前提としていた「父親と母親が同程度に関わる」姿ではなく、父親が熱心に関わる種目や担う役割には偏りがあり、母親は種目や競技レベルにかかわらず、全般的に子どもたちのケアを引き受けている実態が浮かび上がる。「母親がささえて当然」という風潮を変えるには、父親がサポートに入りやすいクラブの体制づくり、「ささえる」スポーツにおけるジェンダーバランスの意識、そしてスポーツを超えた社会全体で子育てをしやすい環境づくりが重要と考える。

 【笹川スポーツ財団 スポーツ政策研究所 政策ディレクター 宮本幸子、政策オフィサー 清水 恵美】

調査結果のポイント解説

1. 父親が担う当番・役割の項目数に応じ、父親の関わりレベル別の分類
子どものスポーツ活動において、保護者が関わる全19項目の当番・役割のうち、父親が担う当番・役割の項目数に応じて、3群に分類した。「全く関わっていない」が27.4%、「1~3項目関わっている」が35.0%、「4項目以上関わっている」が37.5%となった。(図表1)

図表1. 父親の関わりレベル別の分類

※小学生のスポーツ活動における保護者の関与・負担感に関する調査研究2021

2. 父親の関わりレベル別にみた、母親のやりがいと負担を感じる個数
分類した3群について、母親が担っている役割の個数およびやりがいと負担を感じる項目数を図表2に示した。やりがいと負担感の%は、やりがいと負担感の項目数を母親が担っている役割の項目数で割った数値である。つまり、母親自身が担っている役割のうち、やりがいや負担を感じるものがどの程度あるかを示している。

その結果、母親のやりがいは、父親が「4項目以上関わっている」群で68.6%と最も高く、「1~3項目関わっている」群57.1%と10ポイント以上の差があった。

一方で母親の負担感は、父親が「1~3項目関わっている」群39.3%が最も少なく、「4項目以上関わっている」群47.1%と7.8ポイントの差があった。父親が「4項目以上関わっている」群が、母親はやりがいも負担感も最も抱えている結果であった。

図表2. 母親のやりがいと負担を感じる個数(父親の関わりレベル別)


注1)やりがいは、「とてもやりがいを感じている」+「まあやりがいを感じている」を選択している個数から算出。
注2)負担感は、「とても負担に感じている」+「やや負担に感じている」を選択している個数から算出。
注3)カッコ内の%は、担っている役割に対する割合を示す。
※小学生のスポーツ活動における保護者の関与・負担感に関する調査研究2021

3. 父親の関わりレベル別にみた父親の運動・スポーツ歴
「4項目以上関わっている」群は他に比べて学生時代に運動・スポーツをしている割合が多く、特に「小学生のとき」は60.2%と高かった(図表3)

図表3. 父親の運動・スポーツ歴 (父親の関わりレベル別)


注)複数回答
※小学生のスポーツ活動における保護者の関与・負担感に関する調査研究2021

4. 保護者の期待 (父親の関わりレベル別)
子どものスポーツに対する保護者の期待母親に尋ねた(図表4)。学校内で活躍する以上(「トップレベルの選手をめざしてほしい」+「校内で活躍できるぐらいに上手になってほしい」)を求める割合が「4項目以上関わっている」群47.4%に対して、「全く関わっていない」群29.0%、「1~3項目関わっている」群27.2%であった。

図表4. 保護者の期待 (父親の関わりレベル別)


※小学生のスポーツ活動における保護者の関与・負担感に関する調査研究2021

■報告書(全文)
https://www.ssf.or.jp/files/2021_Parents_report.pdf

調査概要

【調査名】
小学生のスポーツ活動における保護者の関与・負担感に関する調査研究2021

【調査対象】
対象は小学校1年生~6年生の第1子をもつ母親。複数の子どもがいる場合は第1子について回答。

【有効回答数】
2,400人(対象となる子どもの学年・性別が均等になるよう割付。全学年男女各200名)

【調査項目】
1.全体への質問
現在行っているスポーツの種目/子どもの運動能力への期待・満足度/母親自身が子どもの頃の保護者の役割/家庭環境/保護者の属性など

2.現在行っている種目がある場合(子どもがスポーツ活動をしている)
所属する団体の種類/実施頻度/保護者の関与:母親の関与・父親の関与、保護者組織の有無、母親のやりがい・負担感、コロナ禍での変化

3.現在行っている種目がない場合(子どもがスポーツ活動をしていない)
スポーツ活動をしていない理由/子どもがスポーツ活動する場合の母親の負担感

【調査期間】
2021年9月

【研究担当者】
公益財団法人 笹川スポーツ財団 政策ディレクター 宮本 幸子
公益財団法人 笹川スポーツ財団 政策オフィサー  清水 恵美

笹川スポーツ財団「行動するスポーツシンクタンク」

公益財団法人 笹川スポーツ財団は、「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進するスポーツ分野専門のシンクタンクです。国、自治体のスポーツ政策に対する提言策定や、スポーツ振興に関する研究調査、データの収集・分析・発信、自治体との共同実践研究などを通し、スポーツで社会課題を解決します。

代表者 : 理事長 渡邉 一利
所在地 : 〒107-0052 東京都港区赤坂1-2-2 日本財団ビル3階
設立 : 1991年3月
目的 : スポーツ・フォー・エブリワンの推進
事業内容
・生涯スポーツ振興のための研究調査
・生涯スポーツ振興機関との連携事業
・生涯スポーツ振興のための広報活動
URL : https://www.ssf.or.jp/

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