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2018年度 第13回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」受賞者発表

日本ロレアル株式会社

●物質・生命科学分野 受賞者4名
●日本特別賞は、認定NPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹氏に決定
●新しい取り組み「女性科学者を応援する男性リーダーとして」を発表

世界最大の化粧品会社ロレアルグループ(本社:パリ)の日本法人である日本ロレアル株式会社(本社:東京都 新宿区、代表取締役社長:ジェローム・ブリュア)は、本日 2018年7月18日(水)、フランス大使公邸にて、2018年度 第13回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の受賞者発表および授賞式を実施しました。

1) 「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」:
日本の若手女性科学者が、国内の教育・研究機関で研究活動を継続できるよう奨励することを目的として、2005 年に日本ロレアルが日本ユネスコ国内委員会との協力のもと創設しました。物質科学または生命科学の博士後期課程に在籍または、同課程に進学予定の女性科学者を対象に、各分野からそれぞれ 2 名 (計4名)決定し、奨学金 100 万円が贈られます。昨年までに47名の若手女性科学者が受賞しており、受賞以降は国内外で研究をはじめ、結婚・出産、次世代の育成など多様なキャリアを切り拓いています。

2) 「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本特別賞」:
2010年に創設され、科学をはじめ教育の分野への夢と希望を多くの人々に与えるとともに、社会的発信力があり、次世代のロールモデルとなる個人または団体を表彰しています。本年度の「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本特別賞」には、認定NPO法人フローレンス代表理事 駒崎弘樹氏に決定しました。
駒崎氏は、ソーシャルビジネス業界においていち早く日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスの導入をはじめ、待機児童問題解決のため「おうち保育園」を展開し小規模認可保育所の政策化、日本初の医療的ケア児対応保育園の開園など、さまざまな環境下にいる女性が活躍できるよう先駆的な取り組みを数多く推進されているソーシャルイノベーションビジネスモデルの功績を高く評価しました。また、メディアや講演、書籍など幅広い媒体を通じた積極的な発信力と政策への働きかけにおける多大な影響力と実績が挙げられました。
この度、新しい取り組み「女性科学者を応援する男性リーダーとして」の発表に伴い、ビジネス界で女性活躍推進において革新的な取り組みを推進している気鋭の起業家 駒崎氏に特別賞を授与する運びとなりました。
本年度の受賞者は下記のとおりです。 (詳細については、下記URLをご参照ください)

https://prtimes.jp/a/?f=d4813-20180718-2797.pdf

物質科学
黒田 千愛 (くろだ・ちあき) (27歳) : 誘電体材料を応用した光センシング技術を開発
早稲田大学 先進理工学研究科 電気・情報生命専攻

茂垣 里奈 (もがき・りな) (26歳) : 生体分子の働きを光で制御する“接着性”分子ツールの開発
東京大学大学院 工学系研究科 化学生命工学専攻

生命科学
野元 美佳 (のもと・みか) (29歳) : 試験管内で人工的にタンパク質を合成するシステムの開発と本法を用いた植物
免疫応答の解析
[2018年4月~] 名古屋大学 遺伝子実験施設 助教
(名古屋大学大学院 理学研究科 生命理学専攻 植物分子シグナル学研究室 卒)

森本 千恵 (もりもと・ちえ) (26歳):「またいとこ」までわかる血縁鑑定法の開発
京都大学大学院 医学研究科 法医学講座

日本特別賞
駒崎 弘樹 (こまざき・ひろき) (38歳) : 子育てのさまざまな社会問題を解決する先駆的なビジネスモデルと実績を評価
認定NPO法人フローレンス代表理事
受賞者集合写真
日本特別賞 認定NPO法人フローレンス代表理事 駒崎 弘樹
1) 新しい取り組み「女性科学者を応援する男性リーダーとして」
ロレアルグループパリ本社では、1998年からユネスコと共同で、世界規模で女性科学者の地位向上を目指して「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」を推進しており、これまでに世界117ヵ国から3,120名以上の女性科学者(ノーベル受賞者も輩出)を表彰してきました。同賞が創設された1998年に比べて、科学研究や専門職分野に進む女性の数は12%増大しましたが、現在、研究者に占める女性の比率はわずか28%にとどまり、科学分野のノーベル賞受賞者のうち女性はわずか3%に過ぎません。科学界において段階的な進歩は見られるものの世界の総人口の半数を占める女性たちの能力を認め、社会において活躍できるようになるほど急速に進んでいないのが現状です。

「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」が20周年を迎えた今、才能に恵まれた、高い目標を持つ女性が科学界で活躍する機会がこれまで以上に増え、主導的役割を果たせるよう、男女差別撤廃を加速するために新たな取り組み「女性科学者を応援する男性リーダーとして」を発表しました。同コミットメントを通じて指導的地位に就いている男性科学者の協力を得ることにより持続的変革を目指します。

日本においては、研究者全体に占める女性の割合は15.3%となり、過去最高を更新していますが、主要国と比較し、依然最下位となっています。日本においても同取り組みを展開し、実績のあるまたは同行動宣言に賛同する男性科学者リーダーと協働しながら女性科学者が直面するさまざまな課題に応えていきます。

「ロレアル‐ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」選考委員会

2018年度 第13回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」―物質科学分野
黒田千愛(くろだ ちあき)


“科学とは、好奇心の持久走”

<社会と研究の接点> 簡単に操作できる高感度なバイオセンサーのための、光センシング技術の実現に貢献

<研究内容>タイトル: 誘電体材料を応用した光センシング技術を開発
高感度バイオセンサーが実用化されると、例えば一滴の血液から、体内に僅かに存在するインフルエンザウイルスを検出することができ、熱などの症状が出る前に薬で治せる可能性があります。世界中でバイオセンサーの開発が盛んに行われていますが、ウイルスを高感度に検出するためには、高額な装置や熟練の技術が必要でした。
本研究では、簡単に操作できる高感度なバイオセンサーの実現を目指し、「誘電体材料」という電気を通さず光を通す物質を応用した、光センシング技術を開発しました。具体的には、誘電体や金属に光をあてると、その表面近くに「近接場光」という特殊な光が発生することに注目し、以下4つの技術を世界に先駆けて開発しました。

1. 血液から効率良く血しょうを分離する技術
⇒ 1滴の血液から短時間にウイルスを検出でき、患者の身体的負担を減らせる。
2. 紫外近接場光を発生させる誘電体検出チップ
⇒ ウイルスを高感度に検出できる。
3. 細菌を検出チップに効率良く集めて光らせる、電極付き 誘電体検出チップ
⇒ 細菌を短時間に検出できる。
4. 電極上と電極外で測りたい物を集めて検出できる、 同時検出チップ
⇒ 多くの種類のウイルスを同時に検出できる。
開発してきた技術は、これまで実現が困難と考えられていた簡単・高感度なバイオセンサーを実現するための基礎技術です。これらの技術をバイオセンサー装置として実現するためには、その他にも数多くの技術を開発していく必要があり、今後は商品化に向けた研究に取り組んでいきたいと思います。

2018年度 第13回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」―物質科学分野
茂垣里奈(もがき りな)


“科学とは、世界中で共有できる ワクワクの源”

<社会と研究の接点>
生体分子の機能を光で遠隔制御するための分子ツールを開発し、副作用のない癌治療など、次世代医療技術の発展に貢献

<研究内容>タイトル: 生体分子の働きを光で制御する“接着性”分子ツールの開発

私たちの体内では、DNAやタンパク質といった生体分子の働きがいくつも組み合わさることで、代謝やシグナル伝達、遺伝子発現などさまざまな生命現象が引き起こされています。このような背景から、生体分子の働きを「光」で制御し、疾患治療に役立てようとする試みが近年盛んに行われています。光は任意のタイミング・部位で照射できるため、疾患部位のみで生体分子の機能を調節することにより、他の部位に副作用をおよぼさない癌治療などが可能になります。ほとんどの生体分子は元来光に応答しないため、光制御するための仕組みをいかに導入するかが重要な課題です。
本研究では、多様な生体分子表面に接着する「分子の糊」を基本パーツとし、生命現象を光で制御するための“接着性”分子ツールの開発に取り組んできました。特に、タンパク質表面に貼り付け、その機能を光でON/OFFできる「スイッチ」や、光を当てた細胞でのみ薬剤を細胞核に運搬できる「輸送タグ」を開発しました。従来の光操作ツールは、対象とする生体分子に働きかけるための最適な設計をその都度模索する必要がありましたが、“接着性”分子ツールはさまざまな対象に対して分子糊を共通のデザインとして利用できるため、より幅広い生命現象の光制御、さらには副作用が少なく、より多様な疾患の光治療に発展することが期待できます。

2018年度 第13回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」―生命科学分野
野元美佳(のもと みか)


“科学とは、楽しい気持ちをずっと与えてくれるもの”

<社会と研究の接点>
植物免疫応答の仕組みを明らかにし、病原菌や昆虫による被害を軽減する植物の作出に貢献
<研究内容>タイトル:試験管内で人工的にタンパク質を合成するシステムの開発と本法を用いた植物免疫応答の解析
世界的な人口増加に伴って食料の確保が問題視されていますが、実際には世界中で毎年約35%の主要作物が収穫前に病虫害により損失していることが分かっています。そのため、植物の病虫害に対する防御応答機構を理解することは、作物の安定供給のために重要です。

固着生活を営む植物は、病原菌や昆虫などの環境ストレスに対応するために動物と類似した免疫応答を保有しています。病原菌を認識すると、植物は植物ホルモンの一種であるサリチル酸(SA)を合成し、免疫反応を活性化することによって病原菌の感染を阻止します。一方、虫害に対しては、植物ホルモンであるジャスモン酸(JA)を合成し、忌避物質などの誘導を介して被害の拡大を防ぎます。古くから病原菌に対するSA応答性の免疫が活性化すると、JA応答が抑制され、虫害の被害が増大することが知られていますが、この互いに干渉し合う拮抗反応(クロストーク)の分子機構は明らかになっていません。
本研究は、植物免疫に関与するタンパク質の機能に着目し、実験に使用するために試験管の中でタンパク質を合成するシステムを開発しました。生きた細胞に含まれるタンパク質合成システムを抽出し、試験管の中で機能性タンパク質を合成するため、無細胞タンパク質合成系とも言われています。この手法を用いた生化学的な実験や遺伝子発現解析を行うことによって、SA応答性免疫の主要制御因子NPR1タンパク質がJA応答性の防御応答活性化因子の機能を抑制することを明らかにしました。本成果は、NPR1タンパク質の機能を調節することによって、病原菌と虫害の両環境ストレスに強い植物を作出する可能性を秘めています。
【NOTE】起業家としても活躍: 学会発表の反響により、製品販売への多くの要望に対応すべく2016年に名古屋大学発のベンチャー企業NUProtein株式会社(http://nuprotein.jp/)を設立。基礎研究や応用研究をサポートするために、タンパク質合成の受託サービスや研究用タンパク質の合成に使う試薬を販売。生体調節の根幹をなすタンパク質の機能の理解や研究に貢献することを目的としています。

2018年度 第13回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」―生命科学分野
森本千恵(もりもと ちえ)


“科学とは、「正解」がない問題”

<社会と研究の接点>
DNA配列上の一塩基多型を網羅的に調べることで、高精度な血縁鑑定法の実現に貢献

<研究内容>タイトル: 「またいとこ」までわかる血縁鑑定法の開発

ヒトの遺伝情報は、DNA(デオキシリボ核酸)によって親から子に伝わります。一人ひとりの顔や性格が違うように、DNAも人によって違いが見られる部分があり、この違いを検出することで個人を識別することができます。また、DNA配列の情報から、個人間に血縁関係があるかどうかを判定するのが血縁鑑定です。
本研究では、DNA配列上のわずかな違い(一塩基多型 : SNPs)を一検体あたり17万カ所以上調べることで、遠い血縁関係でも高精度で判定できるDNA鑑定法を開発しました。従来の鑑定法では、DNA配列上を15カ所調べ、一致している領域の数によって血縁関係を判断していましたが、二人の間の血縁関係は親子・兄弟しか正確にはわかりませんでした。開発した鑑定法では、一致している領域が連続している部分の長さを測ります。つまり、これまでは『点』の数を調べていたところを、本法では点をつないだ『線』としてとらえ、その長さが長いほど一致している領域が多いことを特定しました。
日本人約1,500人のDNAデータをもとに、コンピュータ上でシミュレーションを行ったところ、「またいとこ」でも判定できることがわかりました。さらに、約70名のボランティアからDNA試料を集め、正しく血縁関係を判定できるか検証した結果、兄弟・いとこ・またいとこなどの関係を高い精度で判定することができました。今後、地震などの大規模災害の被害者や少子高齢化に伴う孤独死の身元確認、戦没者の遺骨鑑定など広範な応用が期待されます。

2018年度 第13回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本特別賞」
駒崎弘樹(こまざき ひろき)
認定NPO法人フローレンス代表理事

1979年9月18日生まれ(38歳)。東京都出身
2003年 慶應義塾大学総合政策学部 卒業
2004年 認定NPO法人フローレンスを設立 代表理事に就任
2005年 日本初、訪問型・共済型病児保育事業を導入

「子育てと仕事を両立できる社会をつくりたい」と考え、2004年に認定NPO法人フローレンスを設立。日本初の「訪問型・共済型」の病児保育サービスを首都圏で開始、共働きやひとり親の子育て家庭をサポートする。2010年からは待機児童問題の解決のため、空き住戸を使った「おうち保育園」を展開。「おうち保育園」モデルは、2015年度より「小規模認可保育所」として、政府の子ども子育て新制度において制度化され、全国に広がった。2014年には、これまで保育園に入れなかった医療的ケアのある子ども達を中心とした障害児を専門的に預かる「障害児保育園ヘレン」を東京都杉並区に開園。2015年4月から、医療的ケアのある障害児の家においてマンツーマンで保育を行う「障害児訪問保育アニー」をスタート。2016年、赤ちゃんの特別養子縁組を支援する事業「フローレンスの赤ちゃん縁組」事業を開始。多様な家族を事業で支援する。
2010年より内閣府政策調査員、内閣府「新しい公共」専門調査会推進委員、内閣官房「社会保障改革に関する集中検討会議」委員などを歴任。 現在、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長、内閣府「子ども・子育て会議」委員を務める。
著書に『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(英治出版)、『働き方革命』(ちくま新書)、『社会を変えるお金の使い方』(英治出版)、『社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門 』(PHP新書)、『社会をちょっと変えてみた』(岩波書店)など。
一男一女の父であり、子どもの誕生時にはそれぞれ2カ月の育児休暇を取得。

【受賞理由】 子育てのさまざまな社会問題を解決する先駆的なビジネスモデルと実績を評価
ソーシャルビジネス業界においていち早く、子育て中の女性・家族が直面するさまざまなニーズや制度の課題に着目し、女性が社会において子育てしながら、活躍できるようソーシャルイノベーションビジネスモデルを構築し、先駆的な取り組みを数多く推進している。「いろんな家族の笑顔があふれる社会」という理念のもと、「病児保育の受け皿が足りない」「ひとり親が職を失いやすい」「待機児童問題」「障害児が保育を受けられない」「赤ちゃんの遺棄・虐待死問題」「子どもの貧困問題」など、さまざまな社会問題に応える革新的な取り組みは、法整備をはじめ、多くの実績につながっている。また、こうした社会問題についてメディアや講演、書籍など幅広い媒体を通じて積極的に発信し、多大な影響力を与えている。
【主な活動実績】
· 2010年待機児童問題に応え、空き住戸を使った「おうち保育園」事業を開始。同モデルが2015年に「小規模認可保育所」として、政府の子ども子育て新制度として制度化される
· 2016年「特別養子縁組」事業に参入し、政府への働きかけにより2016年12月特別養子縁組あっせん法案成立
· 障害児の母親の常勤雇用率は5%という社会的課題に応え、障害児保育園事業を立ち上げ、同保育園を利用する母親の常勤雇用率が88%となる
· 37.5℃以上の熱を出した子どもを保育園に預けることができないという社会的課題に応え、2005年に日本初の病児保育事業を開始。業界最多の保育実績を誇る
· 行政と共同のビジネスモデル: 2017年渋谷区初の病児保育室を開設。同年、子どもの貧困問題に応え、文京区と5非営利団体共同で子ども宅食事業をスタート
website: https://florence.or.jp/
facebook: https://www.facebook.com/npo.florence/
blog: https://www.komazaki.net/?_ga=2.216915926.1156942260.1529650529-1065750780.1522396006

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