もともと頬や額、顎の毛穴は、出口部分だけではなく、周囲もすり鉢状に窪んだ構造をしていて影となって目立ちやすい特徴があります。さらに毛穴の周りはメラニン活性が高く黒ずみやすいんです。

1 過剰な皮脂分泌

皮脂は汗と混ざり合うことで皮脂膜となり、肌の水分の蒸発を防いだり、外的刺激を防ぐバリア機能の役割を果たしています。しかし、生活習慣の乱れや、間違ったスキンケアによる乾燥などの原因で、毛穴から過剰に皮脂が分泌されると、毛穴が詰まって押し広げられ、表面が酸化して黒ずんで見えます。

2 加齢に伴う頬部の毛穴たるみ

30代以降になると気になるのが、頬や鼻に近い部分から目立ち始める縦型に広がった毛穴。これは、加齢により真皮のコラーゲンやエラスチンが減って、肌のハリと弾力が失われることが原因です。肌がたるむことで、毛穴の周りもゆるみ、涙形に垂れ下がるので「涙形毛穴」と呼ばれることもあります。

3 産毛による黒ずみ毛穴

産毛の断面が黒っぽく見えて、黒ずみの原因になります。毛穴から生えている産毛は1本ではなく、2〜4本と束になっていることもあり、その束が毛穴に詰まると黒ずみのように見えてしまいます。また、産毛はメイク汚れや皮脂、老廃物などと混ざり合って、毛穴をふさいでしまい、その結果、黒ずみ毛穴になってしまうことも。

1 スキンケアで大切なのはこすらない事

毛穴のつまりを落とそうと、クレンジングや洗顔時にゴシゴシと力を入れてしまいたくなりますが、摩擦による刺激は、色素沈着や詰まりの原因となります。洗うとき以外にも、すすぐ時やタオルでふく時にも、つい力が入ってしまいがち。肌をこすると、刺激から守ろうとして肌が余計に硬くなり、毛穴が開いたままになってしまうので、とにかく肌はこすらず優しくケアすることが大切です。

2 紫外線対策をしっかりする事

鼻は顔のパーツの中でも高い位置にあり、太陽の光が当たりやすく、皮脂の分泌が多い部分。皮脂が紫外線を浴びることで、活性酸素が発生し、メラニン色素が発生しやすくなり毛穴周りに黒ずみができる原因になります。曇りの日でも紫外線は降り注いでいます。メラニン色素を増やさないためにも、日焼け止めをこまめに塗って、紫外線対策を怠らないようにしましょう。

3 ノンコメドジェニックのスキンケアを使う

「コメド」というのは、毛穴に皮脂や角質が詰まって小さく膨らんだ状態のこと。この「コメド」ができにくくするものを「ノンコメドジェニック」と言います。特に毛穴の詰まりが気になる人は、ノンコメドジェニックテストを受けている商品を使うことをおすすめします。ノンコメドジェニックと表記されている商品の中には、脂肌用、乾燥肌用、敏感肌用など種類が分かれているので、自分の肌に合ったものを選んでください。

4 レチノールが配合された化粧品を使う

レチノールは、毛穴の黒ずみやたるみの改善に効果が期待できます。毛穴の黒ずみやたるみの原因の1つが、皮脂の過剰分泌です。レチノールは皮脂の分泌量を正常にして、肌のターンオーバーを促進します。レチノールを初めて使用する場合は、少し刺激を感じることがあるので、まずはレチノール濃度の低いものから試す事をおすすめします。

クリニックでできる毛穴の黒ずみ治療

5 レーザー脱毛 

医療レーザー脱毛とは、毛の発育を支える「毛包」の中にあるメラニン色素にレーザー照射をし、毛を効率よく脱毛する方法。レーザー脱毛によって産毛を少なく目立たなくし、毛穴のつまりを解消すると、黒ずみが軽減され、毛穴周囲のコラーゲン線維が増えることで毛穴もキュッと引き締まります。さらに脂腺の分泌が抑制され、毛穴の開きも予防します。

 6 ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、専用の薬剤を肌に塗布することで、肌に残っている古い角質や表皮を取り除き、皮膚の再生を促すもの。新陳代謝が悪くなった角質を取り除き、同時に毛穴の汚れも取り除くことができます。肌のターンオーバーを正常化することで、皮膚を再生させる働きが進み、コラーゲンやエラスチンが増え、肌のハリや弾力を回復させて毛穴を目立ちにくくします。

 7 フラクショナルレーザーやダーマペン

皮膚に小さな傷をつけ、成長因子などを導入する治療を行うことにより、新しい皮膚の再生を促し、肌の弾力と保湿力をアップさせ、たるみ毛穴に効果的に引き締めをします。フラクショナルレーザーは、レーザーを細かな点状にして照射し、ダーマペンは肌に細かい穴をあけて修復効果を引き出す治療です。繰り返すごとに新しい皮膚の再生を促し、毛穴の開きや黒ずみも軽減されます。

1 洗いすぎは良くないからと洗顔料を使わずに洗顔する

洗いすぎは良くないからと、朝はぬるま湯だけで洗顔をしている方も多いかもしれません。不要な皮脂や古い角質はぬるま湯だけでは落とせず、角栓ができやすくなるので、1日2回洗顔料を使って洗顔するほうがベターとされています。

 2 毛穴の汚れを落とそうと熱いお湯で洗顔したり、毛穴を引き締めようと冷水で洗顔する

基本的に、体温よりも高温のお湯での洗顔は、必要以上に皮脂をとりすぎてしまい、お肌の乾燥につながります。逆に冷水で洗顔をすると、皮脂汚れが十分に取れない可能性があるので、基本的に、すすぐ時はぬるま湯を使ってください。

 3 布やスポンジを使ってごしごしこすり洗いをする

摩擦により、色素沈着が起こってしまい、余計に黒ずみを悪化させてしまう危険性があるので、研磨剤の入っていない洗浄料を使って自分の指先で優しく洗うことをおすすめします。

4 アルコールや収れん剤など刺激する成分を含む製品で洗顔やスキンケアをする

エタノールなどのアルコールが蒸発するときに、肌表面の水分を一緒に奪ってしまうため、乾燥しやすくなります。肌刺激にもなり、毛穴の開きを悪化させる原因になるので、敏感肌用や、皮膚にやさしい成分を使うのがおすすめです。

いちご鼻予防の角栓ケアについてはこんな方法も

いちご鼻は間違ったアプローチをしていると悪化させてしまうこともあるので、自分に合ったケア方法を見つけて、正しくケアしていきたいですね！

取材／沢 亜希子