花火や夏祭りなど、日本ならではのイベントが本格的に戻ってきた今年の夏。9月10月も花火大会がある地域は多いので、数年振りにご無沙汰していた浴衣で楽しみたい!という方も多いはず。ただ、どんなに浴衣を素敵に着こなせていても、ヘアアレンジが「なんだか古臭い…」という印象になってしまうともったいないですよね。せっかくならTPOを考慮して、ヘアアレンジも品よく更新したいのが40代の大人世代。
そこで、夏祭りや花火大会など”ラフに楽しむ”日の【自分でできる簡単アレンジ】、ホテルランチや納涼歌舞伎 など〝ちょっとよそ行き”の日の【お願いしたいプロアレンジ】を、和装ヘアメイクに定評のあるメイクアップアーティスト・甲斐美穂さんに教えてもらいました! 最新トレンドを取り入れた大人の浴衣ヘアアレンジ8選です。
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大人の〈ミディアム〉浴衣ヘアアレンジ
40代に一番人気のミディアムヘア。程よいレングスでダウンからアップまで色々なアレンジが可能だから、さじ加減で大人でも挑戦しやすいトレンド感に仕上げられるのがメリットです。まとめ髪やハーフアップなど、色々なバリエーションを楽しんでみて。
【自分で楽しむ簡単ヘアアレンジ】夏祭りや花火大会など"ラフに楽しむ"日に
①ヘアクリップがあれば1分で完成!ローポニーをゆるっとまとめた簡単アレンジ
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甲斐彩香さん(42歳)
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子どもと花火大会や夏祭りに行く時は、沢山歩いて汗をかいても崩れにくい、タイトなアップスタイルがおすすめ。ローポニーをキュッと捻り上げて、ヘアクリップで留めただけの超簡単ヘアアレンジは、出先で崩れてしまっても簡単に直せるから安心。前からはすっきりシンプルな印象だけど、後ろから見るとアシンメトリーで動きがあるところがポイントです。毛先をばさっと散らして抜け感を出し、前からも少し見えるようにするとさらにおしゃれ見え。湿気にも強いまとめ髪なので、どんな毛質の方にもおすすめです。
★このミディアムアレンジのHOW TO
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①タイトに結んでローポニーを作ったら、ゴムの部分を下に少し引っ張って結び目をずらし、緩めます。
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②緩めたローポニーを、左上に捻り上げます。この時に、右手で襟足あたりを押さえながら捻ると綺麗にまとまります。
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③手持ちのヘアクリップを、ヘアゴムを隠す位置に留めたら完成!毛先は、前から見た時に少し見えるように散らして。
②簡単なのに今っぽい!おしゃれ見えNo.1のヘアピン留めハーフアップ
前から見ると一見普通のハーフアップだけど、バックスタイルにトレンド感のあるヘアアレンジ。両サイドから持ってきた毛流れ×ランダムに付けたヘアピンで簡単におしゃれ見えするから、イベント的に家族で行く浅草観光からのランチなど、ちょっと大人っぽくこなれた雰囲気を出したい時、人と被りたくない時におすすめです。ヘアピンはゴールドやシルバーなど、メタリックでシンプルなものを選ぶのが正解。ヘアピンのカラーをミックスする場合は2色までに抑えつつ、バランスを見ながら色々な方向から留めてみて。
★このミディアムアレンジのHOW TO
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①ハーフアップを作る時と同じように、サイドの髪の毛を後頭部に流します。この時に少しオイルを馴染ませると、ツヤ感もプラスされて綺麗にまとまります。
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②サイドの髪の毛を押さえながら、ヘアピンを留めていきます。この時に、上からも下からもしっかりバランスよくピンで留めるのが崩れにくくなるポイント。左右両方をヘアピンで留めたら完成です!
【お願いしたいプロアレンジ】〝ちょっとよそ行き〟の日に
③トレンドの"羊ヘア"を大人風にアレンジ!粋で可愛げのあるアップスタイル
ママ友と集まる高級ホテルランチなど、ちょっと敷居の高い場所に行く時におすすめのアップスタイル。お団子を2つ作るトレンドの「羊ヘア」は、えりあしに近い後ろの位置で、少し高低差をつけて結えることで大人でも取り入れられるおしゃれ感に。前から見るとタイトでクラシカルな印象だけど、バックスタイルはほんのり個性的で可愛げがあり、前後のギャップを楽しめるへアレンジです。毛先を散らして正面の両サイドからも見えるようにすれば、顔まわりも華やかになって写真映えも◎。毛量が多く、お団子を1つにまとめづらい方にもおすすめです。
④格式の高いシーンにもマッチする、上品な大人の和髪アレンジ
夫との納涼歌舞伎など、上品に大人の魅力を演出したいときは、クラシカルな王道の和髪スタイルがおすすめ。左上、右の耳上、真ん中と3方向から複雑な毛流れを作り、ほんのりアシンメトリーにするのがおしゃれ見えのポイント。毛先もお団子にまとめてしまうのではなく、くるっと輪っかを作るように中に入れ込むと、ツヤ感が出てモダンでワンランク上の上品なヘアスタイルにまとまります。ルーズ感がないので崩れにくく、スペシャルなイベントや長時間のお出かけにもぴったり。カンザシを挿してより華やかな雰囲気に。
大人の〈ショート〉浴衣ヘアアレンジ
レングスが短い分、「バリエーションが少なくアレンジが難しい…」というイメージのあるショートヘア。でも実は、エアリー感を出したりタイトなまとめ髪風にしたり、セット次第で遊べてこなれ感を出しやすいんです。浴衣に似合う、トレンド感のある大人のアレンジを紹介します。
【自分でできる簡単アレンジ】〝ラフに楽しむ〟日に
⑤ヘアアイロンとピンだけで、可愛げ×モードが叶うお手軽ヘアアレンジ
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香道実華さん(41歳)
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ふんわりとしたエアリー感とタイトなモード感のバランスが今っぽいショートのヘアアレンジ。ショートヘアはペタっとなってしまうとカジュアル感や抜け感を出せなくなるので、根元をしっかり立ち上げてふんわりさせるのがポイント。サイドを大きめのヘアピンで留めると、根元の立ち上がりや毛流れがキープされ、ヘアの形が崩れません。毛先は外ハネボブ風に後ろに流して、モードっぽさを出すとこなれた雰囲気に。オイルなどのスタイリング剤でウェットな質感にするとよりおしゃれ見えします。
★このショートアレンジのHOW TO
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①前髪がふわっと立ち上がるよう、ヘアアイロンで後ろの方向に根元から巻きます。細めのカールアイロンやストレートアイロンがおすすめ。
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②オイルなどのスタイリング剤を軽く手に馴染ませて、両手で髪を立ち上げるように掻き上げ、両サイドへ流します。
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③大きめのヘアピンを、下からぐっと髪の毛を持ち上げる意識で抑えながら留めたら完成。頭部のふんわり感がキープされるよう、しっかり留めましょう。
【お願いしたいプロアレンジ】〝ちょっとよそ行き〟の日に
⑥ショートでもできる和髪アレンジで、トレンド感のある上品アップスタイルに
ショートでもできる、アップスタイル風にすっきりまとめた和髪アレンジ。サイドの毛を捻って襟足に入れ込み、後ろから見てもシンプル過ぎずおしゃれ感のあるスタイルです。頭の形を綺麗に見せたいので、後頭部には逆毛を立ててふっくらさせるのがポイント。捻った毛に沿ってヘッドアクセを付けるとより華やかさがアップします。お出かけ中に汗をかいても首元がベタつかず、崩れにくいのもメリット。
大人の〈ロング〉浴衣ヘアアレンジ
「いつもどこかで見たようなお団子やまとめ髪になってしまう」という声も多いロングヘア。定番のまとめ髪は、今っぽさを取り入れてアップデートすることで、老け見えや古臭さを回避することができます。ロングだからこそ、崩れにくく清潔感もキープできるヘアアレンジが正解です。レングスを活かしつつ、トレンドを大人風にアレンジしたアップスタイルに挑戦してみて。
【自分でできる簡単アレンジ】〝ラフに楽しむ〟日に
➆縦に並べたダブルのお団子アレンジを、大人風にアップデート
「本当に自分でできるの!?」と疑ってしまうほど、複雑に見えておしゃれ感たっぷりのアップスタイル。お団子を縦にダブルでつくった”リボン”のようにも見えるアレンジは、襟足に近い位置でキュッと結ぶことで大人も楽しめる可愛げスタイルに。後ろからも横からも立体感があり、シンプルだけど華やかになるまとめ髪です。シースルーにした前髪と、こめかみからちょっとだけ出した後れ毛がこなれ感を出すポイント。レングスや毛量によって上下のお団子の大きさが変わるので、その違いも楽しんでみて。
★このロングアレンジのHOW TO
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①ローポニーを作ったら、一部(1/4くらい)の髪を垂らしたまま、残りの髪をヘアゴムから抜き出すようにして、下にお団子を作り、その毛先を上に持ち上げます。
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②上に持ってきた髪を捻って、上の位置でお団子を作ったら、余った毛先をヘアゴムに入れ戻すように通し、留めます。
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③結えたゴムの部分を隠すように、残して垂らしていた髪の毛を巻きつけて、ヘアピンなどで留めたら完成です。
【お願いしたいプロアレンジ】〝ちょっとよそ行き〟の日に
⑧イベントシーンを華やげる、韓国発の"カチモリヘア"を大人っぽく取り入れて
韓国の女優さんや海外セレブがこぞってしている髪型として一気にトレンドになった「カチモリヘア」。カチモリとは、韓国語で「あえて毛先を残したタイトなお団子ヘア」のこと。イベントシーンだからこそ、思い切りトレンドヘアを取り入れるのも浴衣ならではの楽しみ方です。大人世代は、耳横から耳下の低めの位置でまとめるとやり過ぎ感がなく取り入れやすい。毛先もバサっと出すよりも、両サイドからチラッと見える程度に散らすのが品よく見えてベスト。前から見るとタイトなシンプルヘアだけど、振り返ったらトレンド感があるのがポイントです。
担当してくれたのは…
ヘアメイクアップアーティスト 甲斐美穂さん
2017年に独立、ROI所属。トレンドを取り入れた旬なヘアメイクに定評があり、エッジーでこなれたメイクを得意とする。和装のヘアメイクにも造詣が深い。多くの女性誌をはじめ様々な分野で活躍中。
撮影/イ・ガンヒョン ヘア・メーク/甲斐美穂(ROI) 取材/渡部夕子