高見沢れいかさん(38歳)
花火や夏祭りなど、日本ならではのイベントが本格的に戻ってきた今年の夏。せっかく綺麗に浴衣を着たのに、猛暑の中の長時間のお出かけで、汗とともにメイクが崩れてしまった…という経験もあるのではないでしょうか。40代の大人世代は、浴衣の着こなしだけでなく、メイクも品よく綺麗にキープしてイベントを楽しみたいもの。そこで、長時間崩れにくく高級な浴衣にマッチする、大人の洗練顔メイクを、ヘアメイクアップアーティストの甲斐美穂さんに教えていただきました。浴衣に限らず、真夏のメイク崩れを回避したい方も必見です!
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教えてくれたのは...ヘアメイクアップアーティスト 甲斐美穂さん
2017年に独立、ROI所属。トレンドを取り入れた旬なヘアメイクに定評があり、エッジーでこなれたメイクを得意とする。和装のヘアメイクにも造詣が深い。多くの女性誌をはじめ様々な分野で活躍中。
【40代の浴衣メイク】に重要な〝ベースメイク〟のポイントは4つ!
①フィット感のあるプライマー×マットタイプのファンデーション
②ルースパウダーの付け方
③ フィックスミストの活用
④ ポイントメイクにもベースを仕込む
汗や湿気に耐久力のあるフィット感のあるベース作りを意識して
崩れにくい品のある肌をつくるためには、とにかくベースが命。ベースメイクが崩れると、その後にのせるアイメイクやチークまで総崩れしてしまうので、まずはベースを念入りにつくっておくのが大切です。
①~④まで挙げたポイントはすべて、とにかく崩れないベースメイクのために意識してほしいこと。プライマーを潔く全顔に塗布し、崩れにくいマットタイプのリキッドファンデーションを重ね、ルースパウダーをしっかり肌に叩き込み、抜かりなくフィックスミストで定着させ、ポイントメイクにも専用のベースを仕込みましょう! HOW TOで1工程ずつ、解説していきます。
今回、使用するアイテムはこちら
A.ライトリフレクティングセッティングパウダー ルース1410トランスルーセントクリスタル(NARS)B.パフ C.キープコンフィデンスミスト(vim BEAUTY)D.パワーファブリックファンデーション+1.5(GIORGIO ARMANI)E.アイシャドウプライマーポーション(URBAN DECAY)F.キープコンフィデンスプライマー(vim BEAUTY)G.アナスイ ウォーターファンデーション 10(ANNA SUI)/すべてヘアメイク私物
A .テカリを抑えて素早くサラサラ肌にしてくれるルースパウダーは、乾燥も防いでくれる優秀パウダー
B .肌に触れる面積が広く、毛足が短い細かいキメのパフが使いやすい
C .肌に潤いを与えながら、メイクしたての仕上がりをまるごとキープするフィックスミストは、オールシーズン崩れにくい肌をつくるマストアイテムです
D・G .ファンデーションは、 シャバシャバした水っぽい質感のマットタイプがおすすめ。好みに合わせて、素肌っぽさを残したいならD 、カバー力が欲しいならG を選んで
E .韓国アイドルも舞台で愛用していると言われているアイシャドウベースを瞼に塗るだけで、アイメイクもキープできます
F .気になる毛穴を均一にカバーしてくれるプライマーは、顔全体のベタつきをしっかり抑えたい時にも使える必須アイテム
HOW TO MAKE-UP ①プライマーにフィックスミストを混ぜて全顔に塗り、崩れないベースをつくる
プライマーは顔の内側から外側にのばして
手持ちの化粧下地にフィックスミストを数プッシュ混ぜて重ねると、さらに崩れにくい!
本来は小鼻やおでこなど気になるところに部分使いするプライマーですが、長時間崩したくない日は全顔使いに! 顔全体に塗ることで、ぴったり膜を張ったようなフィット感が生まれ、崩れを防ぎます。 プライマーを塗ったら、手持ちの化粧下地を手に取って、そこにフィックスミストを数プッシュして混ぜてから塗るのが裏ワザ!皮脂吸着効果や肌との密着効果がより一層高まり、崩れにくいサラサラ肌をキープできます。
②ベースを崩さないように、リキッドファンデーションを〝面〟でのせる
両頬→おでこ→あご→鼻の順に、指の腹でスタンプを押すようにファンデーションをのせていく
濡らして固く絞ったスポンジで、ぽんぽんと叩き込むように
ツヤ肌を意識した油分多めのファンデーションは塗るだけで崩れる原因に。崩れにくさを重視するなら、マットな仕上がりになるリキッドタイプを選ぶのがおすすめです。全顔に塗ったプライマーをできるだけ擦らないよう、肌の上に必ず”面”でのせていくことが重要なポイント!
中指と薬指、2本の指の腹全体にファンデーションを取ったら、その指で優しくスタンプを押すように両頬→おでこ→あご→鼻の順にファンデーションをのせます。そのファンデーションを、スポンジでぽんぽんと上から叩き込んで馴染ませていきましょう。この時のスポンジは、水を含ませて固くしぼり、ティッシュで水気をオフした状態のものを使うのがベスト! 必要なファンデーションだけが肌に残り、さらにひんやり冷たいスポンジで肌が引き締まるので、化粧もちが格段によくなります。
③ちょっと多い?と思うくらい、ルースパウダーをたっぷりとパフで叩き込む
これくらいが半顔分の目安量です
決して滑らせずに、ぽんぽんと叩き込むように馴染ませる
テカリと化粧崩れを防いでサラサラに仕上げてくれるフィニッシングパウダーはマストアイテム。ブラシで付けることも多いパウダーですが、崩れにくさをキープするためにはパフを使うのが正解。キメが細かく毛足の短いパフなら、すでに肌にのっているプライマーやリキッドを擦る心配もなく、ムラになりにくいのがメリットです。
まずパフにパウダーをたっぷりつけて、手の甲ではたいて余分な粉を落とします。パウダーは肌の上を滑らせず、ぽんぽんと叩き込んむようにしてしっかり馴染ませましょう。特に崩れやすい小鼻の周り、鼻の下、目の下は入念に重ね塗りを。
④ベースメイクの仕上げには、フィックスミストを忘れずに!
腕を伸ばして数プッシュ。ちゃんと顔にかかったかな?くらいの感覚でOK
ベースメイクが完成したら、ポイントメイクに入る前に必ずフィックスミストを。潤いを保ちながら、メイク崩れを防いでくれる効果があります。直接当てると肌が水っぽくなってしまうので、20〜30cmほど離したところから3〜4プッシュ、ミストを浴びる感覚で適量を顔全体に吹きかけます。
⑤アイシャドウベースを、上下のまぶたに仕込む
まずは上まぶたに点でのせて、伸ばしましょう
崩れやすい下まぶたにも忘れずに
アイメイクが崩れると、大人世代は寂しい印象になりがちなので、アイシャドウベースはぜひ使ってほしいアイテム。 まず、アイシャドウベースをまぶたに点でのせたら、ムラが出来ないように伸ばします。目の下にアイメイクが落ちてしまうのを防ぐために、下まぶたにも少しのせるのがポイントです。アイシャドウベースで整えたら、あとはいつも通りのアイメイクでOK!色味の強すぎない、肌馴染みの良いベージュトーンのアイカラーがおすすめです。
+α でさらに完璧! チーク&ハイライトで自然なツヤをプラスして
顔の内側にだけ、チークで丸く色をのせます
チークの上から外側に向かって広めにハイライトをのせ、ツヤをプラスします
チーク&ハイライトを極めれば、マットな質感のベースに自然なツヤ感をプラスすることができ、より洗練された浴衣メイクに仕上がります。ピンクなど色味の強いチークは、崩れた時にヨレや擦れが目立ちやすいだけでなく、マットでハイカバーなベースに重ねると古臭い印象になってしまうため、浴衣メイクの時には避けた方が無難。浴衣メイクのチークは、顔に〝陰影をつける〟イメージで、 できるだけカラーレスで控えめな、肌馴染みの良いベージュ系のチークを選ぶのがおすすめです。
チークを入れる位置は、鼻の横あたりの顔の内側。外側に広げないように、顔の内側にだけ丸く薄っすら色をのせたら、そのチークの上から、ラメっぽい質感と抜け感をプラスするようにハイライトを重ねます。ハイライトはチークよりも広い範囲、顔の外側までのせて、自然で上品なツヤ感を仕込んだら完成です!
撮影/イ・ガンヒョン ヘア・メーク/甲斐美穂(ROI) 取材/渡部夕子