心臓に近いバストをケアすることは、美しさのためだけでなく、健康のためにも大切だといわれています。ホルモンバランスや体型の変化を感じやすい40代は、長時間肌に触れる下着選びに、もっと意識を向けたいところ。「バストはケアした分だけ、必ず応えてくれます」と語るプロボディデザイナー・植田稀紀子さんと、「年齢を重ねても自尊心を満たすのは、美しいバスト」と話す Nao Lingerie デザイナー兼代表・川嶋菜緒さんに、“40代からのバストケア”について伺いました。
【前編】はこちらから
★ 合う下着を選ぶだけじゃ足りない!正しく着けられていますか?
★ 毎日バストに触れるだけで、脳が必要な部位だと判断します
★ ナイトブラはしなくても◎ノーストレスで眠ることで細胞の回復力がUP
今回お話を伺ったのは...


合う下着を選ぶだけじゃ足りない!正しく着けられていますか?
北野:正しい下着のつけ方をあらためて教えてください。
川嶋:ブラは長時間バストを支え続けるもの。だからこそ、着け方を間違えると、バストラインが崩れるだけでなく、体への負担につながる可能性もあります。「苦しいから」という理由だけでカップ付きキャミソールに移行してしまうのは、実はとてももったいない。まずは“心地よく整える着け方”を身につけてほしいですね。
意外と見落とされがちなのが、カップの中心に指を入れて、バストの下部分をクイッと持ち上げるひと手間。こうすることで、バストの下がワイヤーに押しつぶされるのを防ぎ、自然で美しい位置に収めることができます。ぜひ試してみてください。
▼川嶋さん直伝!正しいブラの着け方
毎日バストに触れるだけで、脳が必要な部位だと判断します
植田:年齢とともに乳腺がバストの下の方に萎縮してしまいます。乳腺自体の元気もなくなり、血流が悪くなってリンパも滞ります。バスト周りってリンパが集中しているから、阻害しちゃダメなんです。
バストが大きいとか小さいとか垂れるとか以前に、バストは心臓にも近くて健康にとても大事な場所。免疫に関わる胸腺は年齢とともに萎縮し、日々下着で押さえつけられることで呼吸が妨げられ、自律神経の乱れに繋がります。
授乳を終え、男女の触れ合いも無くなると、脳はバストの役目を終えたと思ってしまう。下に乳線が溜まり、上は脂肪だけになるから、上部分が落ちて削げてしまいます。みんな年齢を理由に諦めてしまうけど、正しいバストケアをするとキープできるんです。50代になっても自分でバストに触れて愛してあげると、脳が“必要な場所”として反応します。
そもそもバストが重く、固く、冷たく感じるのは、リンパの流れが悪いせい。乳首から乳線が張り巡らされているので、乳首に刺激を加えると形も良くなります。バストが大きくても、ちゃんとマッサージした“ふわふわのバスト”なら、そんなに肩凝りも感じないはずです。
▼植田先生に聞きました!洗いながらできるバストケア
ナイトブラはしなくても◎ノーストレスで眠ることで細胞の回復力がUP
北野:やっぱりナイトブラってした方が良いですか?
植田:夜はノーストレスで寝る方がメリットが大きいので、ノーブラで寝ることをお勧め! 人は寝ている間に様々なカラダの修復がおこなわれます。そもそも睡眠障害に悩む人も多い現代、皆さんは上手に眠れていますか?
昼間のストレスを抱え、カラダも下着や服で締め付ける日々。寝ている時くらいはストレスから解放してあげましょう。実際はナイトブラをした方がバストの形は保たれるかもしれません。キレイでいたいのか、健康でいたいのか、そのバランスだと思いますが、ナイトブラに縛られる必要はないと思っています。
川嶋:私もナイトブラはつけません。バストが垂れる不安はゼロです。それよりも、人としてどう生きるかを考えます。
睡眠はとても大事。リラックスした状態で寝ることで血流が良くなり、細胞が回復する睡眠時間を阻害したくないんです。まずは健康が第一優先なので、ナイトブラは着けない選択をしています。
北野:昔、ノーパン健康法ってありましたよね(笑)。
植田:そうです。実際、かゆみやおりもの、匂いやヒリつくなど悩みがある人は、騙されたと思って1週間ノーパンで寝てみてください。もちろんパジャマは着て大丈夫です(笑)。私の生徒さんやお客さんは、大抵それで良くなっています。
パンツにストッキング、ガードルや座り仕事など、日常の生活で血流が悪くなると膣の常在菌のバランスも崩れて悪化していくんです。補正下着をずっとつけている人ほど、ノーパンでカラダを解放してあげて。夜寝る時くらいはストレスを与えない。皮膚って脳とも連動しているんですよ。
北野:年齢のせいだと諦めていた不調も、もしかしたら下着一つで良くなるかもしれない。周りの意見や情報に流されず、自分にあった下着を選んだり、適切なケアをすることでボディラインも体調も守っていきたいです。
取材・文/北野法子、イラスト/黒猫まな子












