コロナの影響もあり「子どもが動画漬けになっている」という声をよく聞きます。 同時に「子どもの読書離れ」「〝ちゃんとした本〟を読まない」傾向も心配なところ。「暇な時間はずっとYouTubeやTikTok」「本はラノベしか読まない」のはそもそもダメなのか? ママたちはどう思ってる?
<座談会に参加して いただいた皆さん>
★「読書量が少ない」「活字より動画派」が読解力の低下につながらないか心配
伊藤: 外出自粛や分散登校で子どもが家にいる時間が増えましたね。家では、学校では毎朝する読書もサボり、YouTubeばかり見 ています…。このままでは学力が低下する一方では? と心配ですが、皆さんはどうですか?
熊本さん(以下、熊本): 小学校で『5分後に意外な結末』シリーズが流行っているから、 短編のお話は読むんですけど、長編小説はまだ読まないかな。娘も読書よりも動画派。
熊澤さん(以下、熊澤): 中一の娘は最近になって小説を読み始めましたけど、小学校の頃は全然! 中学受験を控えていたこともあ り、お受験系の漫画を少し読む程度でした。
髙野さん(以下、髙野): うちの長女もお友達から本を勧められたことをきっかけに読書をするようになったけど、それまではまったく興味がなくて。最近も課題で作文を出されたんですけど、うまく書けずに悩んでいたばかり。もっと早くから読書習慣をつけていたら違ったかも、と私も反省をしていたところです。
伊藤: 何かきっかけがないと、なかなかラノベや漫画以外には手を伸ばせないですよね。でも、それだけでは必要な読解力を身につけられない気がする。
熊本: そもそも、読解力って何なのでしょう? 国語のテストは解けても、ニュースで話している内容やテロップを理解できないと、読解 力があるとはいえないような…。
髙野: そうですよね。私は国語の偏差値が出る高学年になって初めて、娘の読解力が心配になったんですけど、言葉を知らないことが原因かなって。コロナ禍では仕方がないですが、友達と遊べず、家族以外と喋る機会がないと語彙も増えないものですね。語彙が増えないと、読解力を伸ばすのは難しそう。
伊藤: 確かに、家庭で使う言葉ってすごく限定されていますよね。
熊澤: わかります! 娘も「侮る」とか「雲泥の差」など、家族の会話に出てこない言葉は知らなくて。これまで読書をしてこなかったから、知らないことにさえ気づけていませんでした。
伊藤: なるほど。そう考えると読解に必要な語彙力をつけるためにも、本を読んだり、家族以外の人の話を聞くのは大事だと感じますね。
熊本: あと私は、つい娘の言いたいことを先回りして答えてしまうので、もどかしくても 娘の言葉を待ってあげなきゃなと…。自分の 気持ちを言葉にするのもきっと大事ですよね。
伊藤: 同感…。YouTubeはどうでしょう? 何か制限は決めていますか?
熊澤: 一時は携帯依存症のような感じで、ずっと携帯を触っていたので、制限をかけました。最近は同世代の女のコが配信している動 画で、女子力UPの勉強をしている程度かな。
熊本: 先ほど言った通り、娘は活字より動画派なので、YouTubeで好きなアイドルの動画をよく見ているみたい。見る時間も内容も本人任せにしているけど、親のアカウントでログインさせて履歴はチェックしています。お友達の中にはゲーム実況や攻略法を知るのにYouTube漬けになっている子もいるみたい。やっぱり子どもと大人ではYouTubeの使い方も違いますね。
髙野: 娘はYouTubeのオタ活で今流行っているものを知って、話題についていけなくならないようにしているみたい。
伊藤: ちゃんと目的をもって見ていると思うと無闇にYouTube禁止! と言えないけれど、ダラダラと見続けるのは問題ですよね…。どう対処するのがベストなのか知りたい!
取材/伊藤綾香 ※情報は2021年11月号掲載時のものです。