UNIQLOをはじめ、いまや大人気のファストファッションブランド。“プチプラ”とも呼ばれるこれらのブランドを、40代が上手に取り入れるにはどうするのが正解? そこで、“プチプラ”を攻略すべく、STORY認定パーソナルスタイリストの二人がSTORY12月号誌面に掲載されたMA-1ジャケットの2つのコーデをなんと約¥25,000で完全コピーすることに挑戦しました!
「その人のファッションのお悩みを解決する」パーソナルスタイリストだからこそ見えた40代とプチプラとのリアルな付き合い方、選び方とは?
●12月号MA-1コーデで「プチプラ完コピ」! ポイントは?
●パーソナルスタイリスト的「40代のプチプラ」の生かし方
STORY認定パーソナルスタイリスト 田代かな子
顔タイプ、カラー、骨格はもちろん、さまざまなファッション理論を学んだ引き出しの多さから、その人のお悩みに寄り添いながらリアルに落とし込む「ずっと使えるスタイリングアドバイス」が大好評。
STORY認定パーソナルスタイリスト 小宮山幸江
プチプラアイテムを巧みに取り込むミックスコーデで「ファッションで日常を変えてくれる」と大人気。自身が身長149cmでファッション選びに悩んだ経験から、その人の諦めないおしゃれをサポート。
プチプラ選びの入り口は口コミよりもブランド重視
田代かな子(右):小宮山さんは、普段プチプラブランドでお買い物することはある?
小宮山幸江(左):よくチェックしてるよ。最近、お手頃で優秀なブランドが増えているから宝探しの感覚。例えば、「Discoat」は幅広い年齢層に似合って、旬なものも、定番モノも見つかる。「tiptop」は、カジュアルなアイテムを探すのにお勧め。田代さんはどう?
田代:実は、私は今回の企画で久しぶりに手に取ったの。以前は話題のアイテムだからと人に影響されて買ってみたりしたのだけど、自分には全然似合わなかったり……。プチプラって「失敗しても痛くないお値段だから」「汚れてもいいから」って、なんとなく妥協して選ぶものになってしまってた。でも、実際に探してみてびっくり! 他人軸ではなく、“自分スタンダード”で似合うものを探したら、着てみたいものがたくさんあって、それが今回いちばんの発見だった。
小宮山:似合う、似合わないが出てくる40代だからこそ、プチプラでもそこから自分に合うものを選べるかどうかは重要だよね。靴だと「SESTO」も面白かったかな。色やデザインも豊富で、トレンドのメリージェーンや、ビジュー付きのローファーはSTORYでも人気の某ブランドにそっくり!
田代:それ、気になる! でも、改めてブランド選びが大切だと思った。顔タイプ的に、子ども顔の可愛らしい雰囲気の小宮山さんはカジュアルがとても似合うから「Discoat」のようなブランドが合うし、私はフェミニンなもののほうが得意だから、今回セレクトした「mysty woman」や「B.C STOCK」はぴったりだった。同じMA-1のコーデを選んだけど、お互い逆のコーデを選んでいたら似合わなかったよね。
「Discoat」「tiptop」「SESTO」
●田代さんがチェックした狙い目!大人きれいめ系ブランド
「mysty woman」「B.C STOCK」
12月号MA-1コーデで「プチプラ完コピ」! ポイントは?
小宮山:今回の完コピコーデ、私は12月号の優香さんのブラックコーデを参考にして組んでみました。実は、ブラックのMA-1は別のブランドでこれより数倍のお値段のものを持っていたんだけど、「Discoat」のもののほうが断然自分に似合ったの。
横から見ても可愛いコクーンシルエット、ドロップショルダーが女性らしいし、萌え袖っぽいところも今っぽくて、まさに“お値段以上”。優香さんの「Sサイズ」コーデは身長に合わせて短い丈を選んでいるけれど、「ナチュラルタイプ」の骨格に合わせて逆に長めを選んでみました。
田代:小宮山さんにとっても似合ってる! Sサイズさんのショートパンツコーデでも、かわいくなりすぎてないよね。
田代:私は、同じ12月号の畑野さんのMA-1コーデ。淡いグリーンは私には似合いにくいので、ブラウン寄りのものをセレクトしてみました。顔周りに白を入れることもポイント。自分に似合うベーシックカラーを顔周りに持ってくると、普段着慣れない色と合わせても似合いやすくなるよね。
小宮山:白いロングスカートをフレアではなく、マーメードラインにしたのも女性らしくて素敵だね。
田代:私もナチュラルタイプの骨格なので、あまりトップスにボリュームを持たせると上半身が大きく見えてしまうの。「UNIQLO」のスウェットから「mysty woman」のスカートまで白の縦ラインを作ってスタイルアップを目指しました。
畑野さんのコーデともう一つ違うのは、オブリークトゥのブーツにしたこと。これは「GU」のものなんだけど、足先をかわいらしい印象にして女性らしさをここにもプラスしました。
STORY本誌12月号より。撮影/川崎一貴(MOUSTACHE)
小宮山:“完コピ”というお題だったけど、自分らしいアレンジを加えるのは大切だよね。雑誌のコーデは素敵だけど、なかなかその通りに行かないことも。私は身長が149㎝なので、雑誌を見ても自分に似合うものを見つけるほうが難しくて(笑)。
田代:Sサイズさんは、サイズ選びが難しいよね。小宮山さんはいつもどうやって選んでるの?
小宮山:まずは、オンラインで事前にチェックしてから店舗で試着してるよ。最近のECは、スタッフコーデがよく掲載されているでしょう? 自分の身長に近い人の着方を参考にすると近道になるかな。
田代:今はプチプラブランドだけでも数が多いし、リアルで探してもなかなか見つからないものね。私は、ブランドのモデルさんのお顔をチェックするの。
小宮山:着用しているモデルさんの印象ってこと?
田代:そう。自分の顔タイプに似ている人がモデルをしていると、自分にも似合うことが多い。逆に、「ZARA」など海外のブランドは、やはりお顔立ちがはっきりしている人のほうが似合いやすいので、私には似合わない(笑)。日本のブランドで似合わなかったら海外のブランドで探すのもいいよね。
パーソナルスタイリスト的「40代のプチプラ」の生かし方
小宮山:「40代で全身プチプラって……」と思う人もいると思うけど、今回やってみて田代さんはどうだった?
田代:価値観の問題でもあるから一概にはいえないけれど、自分の似合うものが分かっていると、全身プチプラでも「安さ」だけじゃない価値が見つかりそうって思ったよ。
小宮山:そうだよね。今回、プチプラで似合うものが見つかってすごく得した気分。MA-1は色違いも買いたいくらい!
田代:うんうん、似合ってた! でもね、逆に似合うものが分かるって、すごく難しいとも思うんだよね。私たちは仕事がらお客様に骨格や顔タイプ、カラーからお伝えはしているけど、特に40代って、突然それまでの服が似合わなくなると感じる人が多いよね。
小宮山:私も40代前半は、まさにそうだったな。しかも低身長だからますます似合う服が分からなくて。だから、「この人みたいになりたい」という人を見つけました! 安達祐実さんは私と顔タイプが同じ診断な気がして。彼女の着ている服をチェックしたり、雰囲気を真似てみたりしてる。ただ、同じものをいきなり着るのはなかなか難しいから、ファッションECサイトで同じような服を探したりしてみたり。
田代:そのプチプラの活用の仕方いいね! ブランドを着ているモデルさんの顔で選ぶという話もそうだけど、それなら“自分の似合う”が見つけやすいかも。言われてみれば、今回コピーしたモデルのお二人は、顔タイプ的に小宮山さんは優香さんに寄せやすいし、私も畑野さんのほうが雰囲気は寄せやすいかも。本能的に選んでるのかな(笑)。あとは、プチプラを着るならヘアメイクもこだわりたい。
小宮山:ヘアメイクは本当に大事。洋服のクオリティが高ければそれなりに見えるけど、プチプラはそこには頼れないから(笑)
田代:40代は、土台も大事だなって気づいたよ。きちんと行き届いている感じがすると、プチプラだって“賢く選んでいる”ように見えるものね。
小宮山:プチプラでも、ハイブランドでも、自分で選んでいる感じが伝わるといいよね。40代にもなると、あれもこれも「自分には似合わない」という方向に決めつけがちだけど、逆に、だからこそ似合うものを探すことにチャレンジしてもらいたいなと思うよ。その小さなチャレンジを、プチプラから始めるのもいいよね。