令和の皇室を支えられるプリンセス、愛子さまと佳子さま。9月20日には天皇皇后両陛下と愛子さまが「第70回日本伝統工芸展」を鑑賞され、日本工芸会の総裁である佳子さまが出迎えられました。
愛子さまは両陛下とリンクしたような、クリーム色のセットアップ姿。佳子さまはロイヤルブルーのノーカラージャケットに、グラデーションのプリーツスカートをお召しになってのお出ましでした。
実はこの日の装いは、お2人の普段のファッションの特徴が表れていたそう。今回は、2人のプリンセスのファッションの特徴や違いについて、放送作家・皇室ライターのつげのり子さんに伺います。
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愛子さまはご家族と相談しながら、佳子さまはご自分らしく
「成年皇族になられてから公式の場でお姿をお見かけする機会は増えたものの、まだ公務のご経験が少ない愛子さま。以前の連載でも特集しましたが、ご家族でお召し物をリンクされていることが多く、また、テーラードジャケットを選ばれるなど、雅子さまがアドバイスされているのでは? と思われる装いをされているのが印象的です。成年皇族になって間もないですから、ご家族など周りの方々に相談しながら決められているのだと感じます。いつも国民と誠実に向き合われているご両親の影響を受け、どんなファッションがいいのか、その場に合うかどうかを考えながら、ご自分らしさを出そうと研究中なのではないでしょうか。
一方、もうすぐ29歳になられる佳子さまは女性皇族として愛子さまより年長ですので、ご公務の経験も豊富。それぞれの公務に合った装いや、ファッションにどんなメッセージを込めるのかを常に意識して、お召しになるものをチョイスしているように思います。長年のダンスの経験から表現するのがお上手で、それをファッションでも発揮されているのではないでしょうか。
成年皇族になりたての頃はシックな装いが印象的で、その後は赤い装いを好まれている時期もありましたが、今年の3月以降は淡いお色味を好まれているようです。ブランドがわかるような特徴的なデザインのお召し物を選ばれたり、白いクラッチバッグなどお気に入りの小物を上手に使い回されているのも佳子さまの装いの特徴。ファッションが好きでこだわりがあることを感じます。また、ご訪問する地域や催しの趣旨に合わせた色を選ばれたり、その時期の季節にちなんだりと、着こなしを熟考されていることが伺えます」(つげさん、以下同)
ドレスにも、ファッションの違いが
「雅子さま同様、テーラードのジャケットをお召しになられることが多い愛子さまですが、成年行事の際のローブ・デコルテもテーラードジャケット仕様だったのが印象的でした。ドレスのラインも、ボリューム控えめのAライン。ジャガード織ですが白一色の生地でデザインされていて、上品さを醸し出していましたね。一般参賀でのローブ・モンタントも、新年は水色、天皇誕生日は淡いピンク色で、初々しさの中にも女性皇族らしい装いでした。
佳子さまが成年行事でお召しになったローブ・デコルテは、金糸が織り込まれた生地でショールカラーのジャケットにふんわりとしたプリンセスラインのドレスで、佳子さまの雰囲気に合った甘く華やかなデザインでした。今年の新年一般参賀では、ぱっと目を引く鮮やかなバーガンディカラーのドレスをまとわれていて、ファッションへのこだわりとご自身らしさが確立されているのを感じました」
カジュアルスタイルでは、よりご自分らしく
「愛子さまの私服姿を拝見すると、最近の大学でのお姿やお誕生日写真では、パンツや、ロング丈のジャンパースカートを選ばれて、等身大の21歳のファッション。“私の現在地はこうです”というような、そのままの自分を見てもらいたいという思いが伝わってきました。普段ご家族でお召し物をリンクされることが多い中、今年8月の那須ご静養では、これまでのチョイスと違っていたのでハッとしました。愛子さまは小花柄のワンピースをお召しになり、髪も短くされ、とてもお似合いでご自分に合ったファッションが見え始めたのではないでしょうか。今後さらに磨かれていくのではないかと期待が膨らみます。
お誕生日に公開される写真と映像は、ご自身の成長を国民に報告するもの。この時にお召しになっている装いを佳子さまご自身が決められているなら、トレンド感度が高いことがわかります。過去にはとても珍しいコラボレーションのスニーカーを履かれていて話題になったこともある佳子さま。2021年はややクールに、2022年はがらっと変わり白を基調にした甘い雰囲気の装いで、一辺倒ではない様々な装いを楽しまれている印象です」
コロナ禍も落ち着きつつあり、皇室の中での存在感もぐっと増してきたお二人。どんなファッションを開拓されていくのか、今後も楽しみです。
教えてくれたのは…
放送作家・皇室ライター
つげ のり子さん
テレビ東京系『皇室の窓』の放送作家。2001年の愛子さまご誕生以来、皇室番組の構成を担当し、皇室研究をライフワークとしている。ワイドショーから政治経済番組、ラジオまで様々な番組の構成を手掛ける。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)『佳子さまの素顔』『素顔の雅子さま』『素顔の美智子さま』(河出書房新社)などがある。