いつも麗しい着こなしで、私たちを魅了される雅子さま。例年、秋になると紅葉を思わせるようなヴァーガンディカラーのお召し物が増える傾向にありますが、今年はやや違うご様子。暑さが長引いた今年、紅葉が遅れていることもあってか、今年はシャンパンベージュ、クリームイエローなど、イエロー系のお召し物でご公務にお出ましになる姿が印象的です。
今回は、雅子さまの「イエロー」な着こなしを振り返りながら、今年の秋の装いを紹介します。
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イエローが雅子さまの勝負服と言われる理由
ご婚約内定記者会見、納采の儀、令和の皇后になられて初めて国民に挨拶をされた新天皇即位を祝う一般参賀、饗宴の儀など特別な節目には、イエローのお召し物を選んでこられた雅子さま(ちなみに写真の婚約内定記者会見でのクリームイエローの上品な光沢のあるワンピースは角田明美さんデザイン、帽子は皇室ご用達ブランド、ベル・モード特製のもの)。ブルーよりも柔らかく、ピンクよりも甘くないイエローは、普段パンツスタイルや、テーラードジャケットで知的でマニッシュな着こなしが目を引く雅子さまらしく、また華やかな存在感をより引き立てる色といえそうです。
今年の秋コーデをチェック!
スマートなIラインシルエット、衿の後ろが高くなっている開襟のジャケットが上品で凛とした雰囲気を一層盛り上げる装い。柄などはなく、ボタンなどのデザインもシンプルで、品のいいイエローの色味で魅せる着こなしです。
シャンパンゴールドのセットアップは、雅子さまには珍しいレースのスカートが印象的。衿や袖の折り返しの着物を思わせる柄や、レースの模様がラグジュアリーで、気品溢れる雅子さまの雰囲気にマッチされています。写真では見えませんが、天皇陛下のネクタイもシャンパンゴールドでリンクされています。
女性皇族は、洋装だった今年の秋の園遊会。まだ紅葉が始まっていなかったこともあってか、太陽のようなイエローのセットアップで出席された雅子さま。このセットアップは、2023年3月にルーマニア大統領夫妻と面会された時、2023年10月沖縄での国民文化祭に出席された時にもお召しになられていたもの。ジュエリーなどの合わせ方を変えながら、お召し物を大事に着回される、雅子さまの誠実なお人柄が伝わってきます。
過去のイエローコーデをプレイバック
皇太子妃として出席する最後の園遊会には、季節感を表現されるかのように、淡いクリーム色に流水に散りばめられた紅葉の模様が印象的な訪問着で。ちなみに、こちらの訪問着は、1997年の秋の園遊会でもお召しになられていたもの。
皇太子妃から皇后になられて初の一般参賀という特別な日に選ばれたのも、やはりイエロー。ひわ色と言われるやや黄緑がかった春らしいイエローのローブ・モンタントは、ネックラインと袖口からまるで太陽の光が放射状にさし輝いているかのような繊細なビーズ刺繍がほどこされたデザイン。雅子さまの令和の皇后としての存在感と重なり、神々しさがありました。
お帽子は被られていませんが、セットアップは今年の秋の園遊会、沖縄での国民文化祭出席の時にお召しになられていたもの。耳元には大きめの1粒パールを、首元には小さめの粒の2連のゴールデンパールを合わされたメリハリのあるジュエリー使いでクラス感がより高まって見えます。ルーマニアの大統領夫人は、ルーマニアの国花・グッドローズを思わせるピンクを基調にイエローを効かせる着こなしをされているので、雅子さまも菊を意識されてイエローを選ばれたのかもしれません。
取材/味澤彩子