1993年、天皇陛下(当時、皇太子さま)とのご婚約が発表されると、知的でエレガントな雅子さまに日本中が夢中になり、メディアでは雅子さまの着こなしなどが様々な雑誌で特集されました。時代はバブルが崩壊した直後。キャリアに邁進する女性たちが活躍し始めた時代に、雅子さまの華やかで自立したムードの着こなしは新鮮で、憧れそのもの。とりわけ、1着のアウターを9通りに見せるなど、変幻自在にアレンジされるスカーフ使いは大きな注目を集めてきました。ご成婚後も、結び方の工夫や素材・柄違いを取り入れながら、同じスタイリングにさりげない変化を添える雅子さま。その卓越したスカーフセンスは、たびたび話題となっています。スカーフは、装いに品格と華やぎを加える存在であると同時に、お召し替えが難しいご公務の場で寒暖差を調整したり、何カ所か訪問される時に印象を変える実用的なアイテムでもあります。まさに雅子さまのスタイルを象徴するアイテムのひとつと言えるのではないでしょうか。
今回は、ジャケットやTPOごとに、スカーフのアレンジや柄を変化させる雅子さまの着こなしを紹介します。
★ カラフルなスカーフの色と、お召しものの配色とを合わせて
★ スカーフの素材感で、季節感もさりげなく演出
★ 訪問先に敬意を表した柄をお選びになることも
★ お召しものと異なる雰囲気のスカーフを効かせてバランスを
シックなジャケットが季節を感じさせるマリンスタイルに
2005年5月、日本ユニセフ協会創立50周年記念行事にて。
シックなネイビーのテーラードジャケットを、ストライプのボウタイ風スカーフで季節を感じさせる爽やかなマリンスタイルにアレンジされた着こなし。スカーフをエレガントに巻くのではなく、首にひと巻きされたマニッシュなアレンジは、テーラードジャケットのきちんとした雰囲気に寄り添っていて見事にマッチ。合わせるジャケット次第でスカーフの柄だけでなくアレンジも変化させる、スカーフ上級者の雅子さまらしい着こなしです。
カラフルなスカーフの色と、お召しものの配色とを合わせて
2017年10月、デンマーク皇太子同妃両殿下をお出迎え、千代田区パレスホテル東京にて。
雅子さまが、10年以上愛用されているピンク、ベージュ、グレーなどのペールトーンの色使いでお花が描かれたエレガントなスカーフ。着こなしで淡いピンクのジャケット、ベージュのクラッチバッグとスカーフの色を拾い、イヤリングもお花モチーフ。スカーフの色と柄にリンクさせることで、全体の印象に統一感をもたせているのではないでしょうか。お召しものとスカーフのリンクが強調されるタイ結びのアレンジも素敵です。
スカーフの素材感で、季節感もさりげなく演出
2025年4月、大阪・関西万博にて。
雅子さまのご公務の定番、マニッシュなテーラードジャケットのパンツスーツに華やかな印象を添える同系色のスカーフを。ショールのように纏うことで、柔らかく透け感のある素材の上質さが際立ち、雅子さまの優美な雰囲気と響き合っています。また、素材感で朗らかな春の日差しのような軽やかさも体現されているようにも感じます。この日はアクセントカラーは使わず、ジュエリーもパール、クラッチバッグもオフホワイトと、クリーンなカラーコーディネートでまとめられた雅子さま。万博の開会式当日でもあったので、まだ何色にも染まっていない「白」を選ばれたのかもしれません。
訪問先に敬意を表した柄をお選びになることも
2025年10月、国際フォーラムご出席のため京都ご訪問。京都府立植物園の視察にて。
この日、京都駅に到着されてから、その足で植物園に向かわれた天皇皇后両陛下。到着された際は、ピンクベージュのスーツをシンプルにお召しになっていましたが、植物園では、フェラガモと思われる鮮やかなボタニカル柄のスカーフをさらっと首にかけて、印象をがらりと変えてご訪問されていました。植物園への敬意が感じられ、訪問先の風景と調和された佇まいが印象的です。
お召しものと異なる雰囲気のスカーフを効かせてバランスを
2025年11月、「全国豊かな海づくり大会」ご出席のための三重県ご訪問中、鳥羽水族館へ。
秋らしいシックなベージュのパンツスーツに、暖色の花柄のようなスカーフをほんのりと効かせた着こなし。シングルのジャケットが多い雅子さまには珍しいダブルのジャケットは、ハンサムに見えるアイテムですが、美しい紅葉を思わせるスカーフをプラスされることで麗しいムードが高まる印象です。1つ前の着こなしではフェラガモとお見受けするスカーフを着用されていましたが、この着こなしでお持ちになっているバッグもフェラガモのミニケリー。ご成婚前から大切に使われているそう。雅子さまの物を大切にされるお人柄が感じられます。
文/味澤彩子












