「恋愛」ものから「子育て」ものまで幅広いジャンルの漫画で時代を表現してきた桜沢エリカさん。常に最先端を歩く桜沢さんに40代のころを振り返っていただきました。
子育ては「干渉しない」でうまくいきました
36歳で長男を、39歳で長女を出産しました。さすがに出産の直後は休んでいましたが体が回復したらすぐに仕事を再開しました。100%母乳だったので、編集者さんが原稿を取りにきた時に子どもが泣き出すと、待って貰って母乳をあげてましたね。おっぱいをあげているうちに私が寝落ちしちゃったなんてこともありました(笑)。基本的に家事と育児は夫で仕事は私、という役割分担でした。でも、子育てを全て任せっきりにしていたわけはありません。家で仕事をしているので、子どもたちの様子は肌で感じとることができていたし、私が仕事中でも、悩んでいることや話したいことがあると仕事部屋にやってきたので、二人の話を聞いて私の意見も伝えて、とコミュケーションはよく取れていたと思います。「冷蔵庫のプリン食べていい?」なんて可愛い話題が、今では悩みの種類が変わって「異性とのこと」や「将来のこと」に変化しました。そんなコミュニケーションは変わらず続いています。
ずっと一緒に過ごしているわけじゃないから細かいことは言わない、深く干渉しない。それが良かったのかもしれません。お陰で息子に反抗期はなかったんですよ。思春期まっ盛りの息子に「ババアと言ったらこの家から追い出すからね」と言ったことはありました。(笑)。実は耳掃除や爪切りもかなり大きくなるまでやってました。中学生くらいまでかな・・・・・・そんな時間も良かったのかもしれません。息子はとってもマイペース。優しい子に育ったんですが中学生のときに元気がなくなって口数が減って、何かおかしいと感じた時があって。様子を見ていましたが、結局本人と相談して別の学校へ。そこから元通りに元気に学校に通い始めて安心しました。常に寄り添っていなくても漫画家という仕事柄、家で毎日顔を合わせていたので、そんな変化を見つけることができたのかもしれませんね。今18歳の娘はすごく元気で明るい子です。最近は洋服などをネットで購入することも多いみたいなので実際に手に取って選ぶ楽しさを感じて欲しいと思い、ルミネなど街での買い物に誘い出しています。
子供たちは私が夫にお料理を教えたと勘違いしてるんですよ。実はそんなことないんですけど(笑)。だからたまに作る私の料理をすごく楽しみにしてくれるんです。お料理と器の相性や、見た目の彩りなどに気をつけているので普段の夫の“男料理”よりは華やかに感じるみたいですね。失敗することもあるのに不思議です(笑)。
撮影/杉本大希 ヘアメーク/陶山恵実(ROI) 取材/見学裕己子