こんにちは!ライター・秋元恵美です。
今月から、お勧めの本をご紹介させていただくことになりました。
私にとっての読書とは、読み始めると物語の世界にワープできて、地下鉄のほんの10分の移動時間でも、色んな雑念を瞬時に忘れられる、究極の気分転換なんです。
だから、読むのは、一瞬で物語に入り込める 推理小説やサスペンスなど、ドキドキ・ワクワクものが中心。そんな私が、ご紹介する第1冊めは、唯川恵さんの『手のひらの砂漠』です。
唯川さんといえば、TVドラマで話題沸騰中の『セシルのもくろみ』をはじめ、女性のさまざまな生き方を表現する作品が人気ですよね。でも、これは、唯川作品には珍しいサスペンス仕立て。主人公の可穂子は、夫のDVに苦しめられて家を逃げ出し、シェルター、ステップハウス、DV被害者だけで運営している農園へと、追い立てられるように生活の場を変え、それでも、周囲の人たちに助けられながら、自立への道を模索していきます。その一方で、可穂子を執拗に追う夫。迫りくる足音、息をつく暇もないほどの展開に、もう心臓バクバクです。そして、衝撃のラストシーンは、怖くて、切ない。
スリルとサスペンスをめいっぱい堪能できるのはもちろん、誰もがトラップにかかってしまう可能性があるDVについて、その呪縛から逃れるための知恵や社会の仕組みなど、色んな事を学べて考えさせられる作品でした。
ぜひぜひ、一度、手にとってくださいませ。絶対、お勧めです!