『夫のトリセツ』という新書が50万部を突破し、読者にアンケートをとれば、ダンナにイラつくエピソードがわんさと出てきて……。そう、皆を悩ませるのは、一番身近な存在にもかかわらず、相容れないダンナとのコミュニケーション。でも、それも当然。男と女、脳のしくみが違うのですから。この先長い夫婦の時間に途方に暮れるAround45歳からは、男の脳を知りダンナをどう扱うかで人生が断然変わるはずです!『夫のトリセツ』著者・黒川伊保子先生が読者のモヤモヤを解決、第二弾です。
人工知能研究者。脳機能論の立場から世界初の語感分析法を開発した感性分析の第一人者。『妻のトリセツ』、『夫のトリセツ』はともに累計50万部以上の大ベストセラーに。
黒川先生の答えは…
女性は命懸けで半径3m以内を制御して子供を育てています。それで、段取り上手な妻ほど夕方までに疲れてしまう。だから、「同居人」なんて言うダンナさんは、もってのほか。前にも述べたように、男性脳は定番が好き。特に、家という定点に対しては、玄関で脳のモードを切り替えるので、外に出ていく瞬間と帰ってきた瞬間が大事です。夫婦の場合、「行ってらっしゃい」と笑顔でハグし、「お帰りなさい」と嬉しそうに玄関に迎えに行く。あとは朝一番、爽やかに「おはよう」を。これを定番にしてみてください。この三点主義を貫けば、"一日中機嫌のよい妻"と思い込み、恋心がずっと紡いでいきます。どんなにイラついていても、ケンカの最中だとしても、毎日この三点だけ女優になれば、キレイでご機嫌な妻を妄想して、夫は頑張るんです。以前、藤竜也さんとお話させていただいた際、当時藤さんは78歳で、「奥さんは6歳上の84歳で、お互い年だからおやすみなさいと寝てしまったら、明日の朝会えなくなるかもしれない、そう思うようになって毎晩おやすみの握手をすることにしました。長年連れ添った奥さんの手が愛おしくて、家に帰りたくなるんです」とおっしゃっていました。こんなふうに、定番があることは夫婦にとってとても大事なことです。
黒川先生の答えは…
奥さんの決めたルールで家庭が回っているのに、ときどき父親が口を出し、子供を甘やかしてルールを破ってしまったら、子供は母親を舐めてしまいます。どうしても息抜きさせたいときは、「お母さんが正しいんだけど、今日だけ2人で悪い子になろう」と外で内緒でやること。家の中で堂々とやってはダメです。もし夫があれこれ口出しをしたら、「それでは、あなたのルールですべてやってください。受験勉強も受験票を書くのも、合否もすべてあなたの責任でやってください」と言ってみましょう。それに、痛い思いを覚悟で、1〜2週間投げ出してみるのもいい。いずれにしろ、自分と夫、異なる世界観は混ぜられないので、どちらの世界観で家庭を回していくか、主導権を決めることが大切。主導権が決まったら、100%任せることが必要です。
※2020年4月号掲載