「定年後、ずっとダンナが家にいることを想像すると恐ろしい……」。
10年後、15年後を想像して、そんなふうに思っていたら、このコロナ禍の自粛生活で期せずしてダンナがずっと家にいることになり……。それがただで済むわけはなく、起こるわ起こるわ数々の事件。一方、ダンナの知られざる一面を知り、改めて見直す人もいたりして……。
Withコロナ生活、定年後に備えて、夫婦生活を穏やかに送る、解決策まで伝授します!
★ 世にもこわーい「ブラックな話」
◯ 怒りにまかせてベランダから電子タバコを投げた姿がZOOMで実況中継されちゃいました
とにかく飲みに行くのが大好きな夫。自粛期間中、しばらくはおとなしくしていましたが、ある日からZOOM飲み会をするように。
こちらは、家事を終えて娘が寝てから仕事しているのに、大笑いして朝方まで飲み会は続き、その上、食べっぱなし、飲みっぱなしでリビングで寝る始末。 「お前は学生かっ!」とイライラし、それが数日続いて大げんかに。 そして、やめたはずの電子タバコを吸うのを見つけて、取り上げてベランダに走り放り投げたら、それがなんとZOOMで実況中継されてました(汗)。
仕方なく、「失礼しま~す」と画面からフェイドアウトしましたね。
(Y・Yさん(45歳) 広告代理店勤務 家族構成=夫、10歳娘)
◯ お気に入りの照明器具を壊されて、ただ今別居中です
4月、5月は3人の息子に主人と皆が家にいて、まるで動物園状態。体力が有り余っているせいか子供たちのケンカが絶えず、それを止めも怒りもしないダンナに、ストレスがMAXに。
ある日、ドスンという音がしてリビングに行ってみると、私のお気に入りのオシャレな間接照明が倒れて割れていて……。なんと、照明器具にボクシングのパンチングボールをぶらさげて4人で遊んでいたんです。
あまりに疲れたので、長男を連れて主人に実家に帰ってもらいました。それ以来、今に至るまで別居が続いています……。
(S・Nさん(42歳) 金融関係勤務 家族構成=夫、8歳、10歳、12歳の息子3人)
◯ 息が詰まって、 急きょ逃げ場所にレンタルオフィスを契約
3月から3カ月間、夫もほぼ自宅勤務で、家族4人がずっとステイホーム。さすがに息が詰まってしまい、「離婚して!」と、思わず近所にレンタルオフィスを契約しました。
それまでは、偉そうに部下とZOOM会議をしていた夫ですが、掃除機をかけると「ゴメンねー。会議中だからあとにしてもらえるかなー?」とぺこぺこ。6月になり、夫が会社に出かけるようになると、私の心も平常心に戻り、「あの時は、虫のいどころが悪くてゴメンね!」と謝ったけど、コロナ第二波に備えて、今でもレンタルオフィスは借りたままにしています(笑)。
(S・Mさん(43歳) 司会業 家族構成=夫、小学3年生、中学1年生)
◯ 夫に家を締め出され、スパイ映画のごとくコインで鍵を開けベッドへ
私の夫は、見かけは熊のようにどっしりしているのに、自粛期間中は食材調達以外は一歩も外出しないビビリ男子。私が車で30分圏内の実家に行くと言うと「2週間は隔離して帰ってこないで」と言われ、それでも出かけたことにムカついたのか、夜帰宅すると内鍵がかかっていたんです。
でも私は慌てませんでした(笑)そんなこともあろうかと、私は用意周到、YouTubeで内鍵の開け方をマスターしていて、必要な道具を車に常備していたんです。ルパン三世のごとく華麗に内鍵を開け、なおかつ寝室の鍵もコインで開けて、何事もなかったように夫の隣で眠りました。
夫は、外から開くはずのない内鍵が開けられ、嫁はスパイ? 怪盗? 特殊工作員? と頭の中が???でいっぱい、ガクブルで朝まで眠れなかったそう。
(M・Kさん(45歳) ライター 家族構成=夫)
◯ 家族写真を 両親に送ろうとして、浮気写真まで流出!
アメリカ人の夫は、同様に自粛生活をするアメリカの父や母に「写真を送ろう!」と家族で何枚か写真を撮り、撮った写真をパソコンへ。ところが、家族写真だけじゃなく、知らない女性と2ショットの写真が何枚かパソコンに流れてきて……。
息子達を前にして浮気がバレた夫は、「あれ? パソコンがおかしいな」とパソコンを持って、部屋から出て行きました……。
(M・Sさん(45歳) 会社員 家族構成=夫、9歳息子、12歳息子)
◯ 自分を見つめる時間を得て、 離婚を決意!
主人も私と同業の歯科医で、自粛期間中も仕事が休めず、また感染リスクも考えて、息子を実家の母に預けました。結果、夫婦としての在り方を見つめる時間に。
お互い仕事して帰ってきているのに、帰れば「ゴハン!」と言われ、掃除、洗濯も、私がするのが当たり前で。生活費は折半なのに、家事から育児まで私任せ。冷静に考えると、今は家のことを考え時短勤務にしていますが、「フルで働けばダンナより稼げるのに……」
そう思うと、居ても立ってもいられなくなって。離婚届をもらいに行き、記入しました。タイミングを見て夫に切り出すつもりです。
(Y・Tさん(40歳) 歯科医師 家族構成=夫、10歳息子)
◯ 夫と娘の要望通りの食事作りに、顔中すさまじい蕁麻疹が!
ステイホーム期間中に自分を見つめ、健康志向になった夫。ジムも行けないので、毎朝ランニングしたり、家でトレーニングをするように。
そして、食事は朝昼兼用でサラダを要望。毎回お腹が満足するサラダメニューを考えるのに四苦八苦するわ、娘は娘で朝はお米が食べたいと言うし……。そして、スーパーへ行く回数
も減らしていたので、冷蔵庫はもう夫の野菜でいっぱいに。
ストレスといったら、半端ありませんでした。夫がリモートワークをするようになってから1週間後、顔と首にすさまじい蕁麻疹が! 皮膚科に行くと、ストレス性だと言われました。
その話をママ友にしたら、友達も全く同じ症状。ああ! 主婦に〝コロナ手当〟が欲しい!
(Y・Tさん(40歳) 主婦 家族構成=夫、中学生の娘)
◯ 自粛直前に夫の浮気が発覚! 険悪な空気にストレスで13キロ太りました
緊急事態宣言の直前に夫の浮気が発覚! 険悪なムードのまま夫の在宅勤務が始まりました。
夫の食事作りや洗濯を放棄していると、子供から「何でパパのゴハンはないの?」と聞かれて……。それで、仕方なく食事だけは準備。でも、基本的に口はききませんでした。
それなのに、夫は謝るどころか、シラを切り通そうとするんです。その態度に呆れて怒りが収まらず、たまに激しい口論になることも。
そのストレスで過食になり、2カ月で13キロも太ってしまいました。
★ 予想外に起こった「深イイ話」
◯ やりたいことリストを二人で書いて、 自転車で世界一周が二人の夢に
主人の仕事が忙しく、これまでスレ違い夫婦だった私たち。自粛期間中は、久しぶりに一緒にランニングをするようになりました。
体を動かした後は、気持ちもポジティブになり会話も弾んで、将来のことを話すように。毎日のそんな時間の中で、「これからの人生、どんなことしたい?やりたいことリストをお互いに書いて、それを一つずつ叶えよう」と言ってくれました。
「定年後に二人で自転車に乗り世界中を回ろう」と、私の夢を叶えるべく、旅の本を読む姿に、「あー、人生を一緒に楽しもうとしてくれているんだな」と嬉しくなって。
普段は寡黙な主人だけど、その優しい一面を知り、新たな発見でした。
(J・F さん(46歳) ヨガインストラクター 家族構成=夫、中学生息子)
◯ 黙々と仕事をする父の姿に、息子も私も感心!
年頃なのか、普段から夫のことをウザがり、「単身赴任しないかな~、うるせぇんだよな」と、避けまくっていた高3の息子。
金融関係の仕事に就く夫はコロナ禍でも出勤していたのですが、多少風邪気味だったこともあり、自主的にリモートワークに。ロフトを仕事部屋に改装して、朝の7時~夜の21時までずっとこもって仕事をしていました。
リビングへと下りてきたのは、お昼ご飯の10分と夜ご飯の10分だけ。黙々と食べて、「じゃ、戻るね」とロフトへ上がっていく姿に、「パパってすごいね。別に誰も見ていないんだから、サボろうと思えばサボれるのに。ほんとすげーや!」と。
父が仕事をする背中を見せるのも悪くないな、と思うとともに、私自身も、真面目な人だとは思っていたけれど、「へー、そこまで!」と改めて見直しました。
(N・Kさん(47歳) ライター 家族構成=夫、高校3年生、大学生の息子)
◯ 早朝も深夜も、看護師をする私を 夫が毎日送迎してくれました
看護師をする私は、自粛期間中も、毎日病院勤務。
そんな私のことを考えて、テレワークになった夫が「万が一のリスクを避けるために、公共交通機関を使わないほうがいいよ」と、どんなに朝早くても毎日車で送迎してくれました。
こういう大変な時こそ、人の本質がわかる気がして……。改めて、夫の優しさを感じ、この人と結婚して本当に良かったと思いました。
(A・Hさん(39歳) 看護師 家族構成=夫)
◯ コワモテの夫がせっせと作った可愛い庭に、ご近所の評価がうなぎ上りに!
日焼けした肌に派手な格好をしてコワモテの夫は、近所では浮いている存在。ご近所のうるさ方は、「何のお仕事していらっしゃるのかしら……」とコソコソ話。
STAYHOME期間中、時間をもて余した夫は、庭のリフォームを開始。レンガを積んで花壇を作り、芝を敷き詰めて可愛いお庭に。毎日頑張る姿が好印象だったようで、「こんなに可愛いお庭を作るなんて、優しいご主人なのね」と、家の前を散歩するおば様方に評判に。
おまけにスーパーで買い出しする姿に、「本当に偉いわぁ」と褒められまくり、最近では、近所で評判の〝いい人〟ってことにスーパー格上げされました。
(M・Tさん(42歳) 主婦 家族構成=夫、12歳娘、10歳息子)
◯ 私のお仕事ファッションに主人が萌えて、夜の夫婦生活が復活!
2カ月間、夫婦ともにリモートワークとなり、リビングとダイニングでそれぞれ仕事をするようになりました。
普段は、主人が出勤してから出かけるため、私のお仕事ファッションを見たことがなかった主人。オンラインミーティングもあるため、上半身はお仕事モードでブラウスやシャツで過ごし、部下に指示をする私に、ある日主人が、「いつも仕事中はあんな感じなんだね。家着じゃない姿、すごく新鮮!」と。
そして、長い間ご無沙汰だった夜のほうも求められるように……。どうやら、〝母親〟から再び〝女〟に見えたらしいです。
それからは、私も何だか主人に〝男〟を意識しちゃって。コロナをきっかけに〝女〟を取り戻し、今では主人と仲良くなってイイ感じです♡
★ もし第2派が来たら!? 男・女両目線で「心理学専門家の立場からのアドバイス」
<男の目線>
五百田達成さん 作家・心理カウンセラー
実体験と豊富なカウンセリング実績で、人間関係、コミュニケーションにまつわるアドバイスが好評。『察しない男 説明しない女』などベストセラー多数。
旦那さんの定年後に会話が弾むよう今から会話量を2割増しに
これまでは旦那さんが仕事に出勤することで平和が保たれていたという方も多いのではないでしょうか。夫といえども、赤の他人。家族と思うから、腹も立つ。そこで、まずはシェアハウスの同居人と思うことから始めてみましょう。
友好関係を築くポイントは、会話を普段の2割増しにすること。お天気の話や食べるものなど、たわいのない話から始めるうち、相手もこちらに興味を持つようになります。
それでも関係性が変わらない場合は別居や離婚を考える前に「今日はお母さんを休業します。理由は考えろ!」と閉店してみるのも効果がありますよ。
<女の目線>
小高千枝さん 公認心理士・メンタルトレーナー
女性の自立と自律の支援活動に注力し、カウンセリングはリピーターが多い。「メンタルヘルスケア&マネジメントサロン」主宰。マスコミ出演多数。
2人で興味を持てるものを見つけて今後の夫婦関係を良好に!
〝夫婦〟としての時間を重ねると、いつの間にか互いにないものを補いあう相補性という関係がフォーカスされるようになります。
でも、共通するものに興味を持つ類似性があった結果、結婚したはず。だから、昔のように2人で興味が持てるものを探すことがオススメです。
新しいことを見つけてもいいし、今あるものを掘り下げたり、膨らませることで何かしら共通点も出てきます。類似性を探そうとする行為自体が第一歩になり、一緒に何かを感じることで気持ちが近くなるので、ぜひ試してみてくださいね。
撮影/嶋野 旭 ヘア・メーク/HIROKO(SECESSION)〈山口さん分〉、mahiro(m’sup)〈安さん分〉 取材/北野法子、先崎好美、片山あゆみ、小賀坂好映、木村まい イラスト/MASAMI ※情報は2020年9月号掲載時のものです。
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