自粛期間に配信サブスクリプションに加入したものの、だんだん日常が戻るにつれ、元が取れてない! 状態に陥る人が続出しています。もちろんNetflixの韓国ドラマシリーズが盤石で間違いない面白さなのはあまりにも有名。「たまには違うテイストのものが観たい」「ランキングに出てくる作品以外を語って『へえ~』と言わせたい」という方に、失敗なく現実逃避できる作品を3回に分けてご紹介します。
『モダン・ラブ~今日もNYの街角で』
エピソード3『ありのままの私を受け入れて』がベスト!
実はこの作品、2019年のもので一部ではすでに大絶賛されているので後出しジャンケン感が申し訳ないのですが、何度観てもキュンとしたり、考えさせられたりする圧倒的な魅力があってお気に入りエピソードをおかわりわんこそばしてしまうのでご紹介。
配信されているシーズン1の全8エピソードはすべてニューヨーク・タイムズ紙の人気コラム『Modern Love』に実際に投稿されたエッセイに基づく物語。失恋のやり直しや倦怠期を迎えた夫婦の微妙な関係性など多彩なLoveの形がなかなかの豪華キャストでオムニバス形式で紡がれていきます。
中でも圧巻なのはアン・ハサウェイがヒロインを演じるエピソード3の『ありのままの私を受け入れて』。
とある“悩み”を持つヒロインの苦悩が描かれるのですが、その内容の重さとを吹き飛ばす勢いのミュージカル仕立てに脳がバグって平衡感覚を失います。アン・ハサウェイの衣装がとびきりキュートで歌もダンスも『ラ・ラ・ランド』風。軽く楽しく観ていたら最後にはグッと来る展開が待っていてもう心掴まれまくり。
また個人的に好き、かつ一般人気も高いのがエピソード1の『私の特別なドアマン』。ヒロインの境遇にも感情移入しちゃいますが、なんと言ってもヒロインが住むアパートメントのドアマン“グズミン”(推定年齢55歳)の渋キャラに痺れます。ヒロインが付き合う男たちにダメ出しをし続ける彼ですが、どんな時も彼女に寄り添い、言葉少ない中にも心に刺さるフレーズを連発。
思わず「もう男は年下しか許せないなんて思ってたけど苦み走った男も素敵♡」とコロッとうっかり宗旨替えしそうになり、気づくと大泣きして最後には大ハッピーエンドで癒やされるというマイベストエピソードです。
また『夫婦というラリーゲーム』はSTORY世代にとってもあるあるなお話でドップリと共感。
どれも1話完結で約30分と短いので細切れに観られるのがお気軽。
とはいえ、実はこの作品、総監督はジョン・カーニー。『ONCE ダブリンの街角で』(2007年)、『はじまりのうた』(2013年)という音楽&ロマンス映画を立て続けにヒットさせ、熱狂的コアファンを得ている監督でクオリティはお墨付き。
(そのうちジョン・カーニーが直々に演出しているのは1話、2話、3話、7話の4エピソード)。
軽いタッチで実力派監督がガッチリ演出する骨太さと今はもう遠い異国になってしまったNYの街並みに酔いしれてください。
蛇足ですが、NYと言えば田村正和様がTHEダメ男を快演しているバブル期の金字塔ドラマ『ニューヨーク恋物語』もFODにて人知れず配信中。リアタイしていた当時とは全く違う見え方のするドラマにもろもろ残酷な時の経過を感じるのも一興です。