先週木曜日に今年の「ボジョレーヌーヴォー」が解禁となりました。
都内のビストロやブラッセリーでは、毎年11月の第3木曜日深夜0時になると、前日夜から集まった人たちがこの解禁を祝うのが風物詩となっていましたが、今年は街もさすがに少しひっそりとした様子。
SUNTORY恒例の「ジョルジュ デュブッフ ボジョレーヌーヴォー」解禁イベントも、今回は同日にオンラインで行われました。
日本ではメジャーなワインの銘柄なので、既に十分ご存知の方も多いと思いますが、あえて解説すると、「ボジョレーヌーヴォー」とは「ボジョレー地区の新酒」という意味です。
ボジョレー地区とは、フランス第2の都市・リヨンの北にある場所。
新酒というのは、その年の晩夏に収穫したばかりのブドウで作られたということ。つまり収穫してから2、3カ月で出来上がったとてもフレッシュなワインなんです。
この赤ワインを特徴づけているのは、ガメ(ガメイと呼ばれることも)というブドウの品種。ブルゴーニュ地方原産のガメ種は、粒は大きく、皮は薄く、果汁が多くてとてもジューシー。
だからこそ作られるワインも爽やかで軽やかなボディに仕上がり、少し冷やして飲むぐらいがちょうどいい味わいになるのだとか。
比較していうと、フランスの全く別の地域、ボルドー地方では「シャトー・ラトゥール」や「シャトー・マルゴー」などの5大シャトーをはじめ、カベルネ・ソーヴィニョン種のブドウを使ったワインがメインですが、そういったパワフルな赤ワインとは別物です。
気になるのは、今年の「ボジョレーヌーヴォー」の出来具合。
最近はヨーロッパも異常気象が続いてブドウにも厳しいのかも……と思いきや、そうでもなかったようです。
ボジョレー地区では、7月は小雨で乾燥し、8月は40度近い猛暑が続きましたが、ガメ種のブドウは、そのおかげで成熟度が高まったと。
人間たちは、コロナ禍でてんやわんやなのに、やっぱりブドウは強いですね。
ブドウやトマトといった歴史のある果実は、痩せている土地でこそ美味しく育つ、という話を聞いたことがあります。
さて、私も「ボジョレーヌーヴォー」をおうちでいただいてみました。
なんとなく合わせた料理は、ピーマンと竹輪の塩炒め。
これが結構いいマッチングなんですよ。
竹輪というよりも、ピーマンが合う、合う!
ピーマンって、苦味があって、その後に酸味が追いかけてくる感じがあるでしょ?
その後にワインを飲むと、口の中で逃げゆく苦味と酸味をまた拾って繰り返してくれるんです。苦味と酸味のリフレイン。
「拾って」と表現したところがポイントで、苦味や酸味が強いワインだと「拾って」はくれないんです。主張しすぎてピーマンの後味を流してしまうのです。
ピーマンを生でいただくなら酸味の効いた白ワインでもバランスがいいでしょうが、ピーマン炒めには「ボジョレーヌーヴォー」が正解。
自分ではそう思っています。
いつも思うのですが、「赤ワインは肉料理、白ワインは魚料理もしくは鶏肉」という考え方がありますが、どうして野菜との相性のことをもっと考えないのですかね?
「ボジョレーヌーヴォー」。確かに今年は当たり年のようです。
フレッシュなうちに飲むのが美味しいワインで、しかも数には限りがありますのでお早めに!
ボジョレー地区のさまざまなワイナリーがリリースした「ボジョレーヌーヴォー」は、ネット販売はもちろん、酒屋やスーパーでも取り扱っています。
750mlボトルで価格はだいたい¥2,000前後です。
【飲んだワインはこちらです】
ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 2020
(SUNTORY)