2020年、41歳で18年間続けた結婚生活にピリオドを打つという大きな決断をした中林美和さん。そこに到るまでの生活、家族のこと、STORYだけに独占告白してくれました。
Miwa Nakabayashi
1979年、東京生まれ。16歳で『CanCam』の専属モデルに。結婚後は『SAKURA』で約8年間表紙モデルを務める。写真の右手薬指のカルティエのエタニティリングは40歳の誕生日に自分で購入したもの。
「会社も作った、この気持ちを忘れないためにエイッて思い切って買いました」
★ その後、2002年に23歳で結婚式を挙げ、同年に長女、2004年に次女を出産。4人の子育てをしながらモデルとしても活躍を続けていたのはご存じのとおり
★ 怒濤の子育て中、全てが順調だったわ けではなく夫婦の間で波風が立つことも
20 年の子育てを経て…脱皮。自分のために、 前を向いて生きていける!
「すべての感情が リセットされて、 今はまっさらな気分」
清々しい笑顔で、第一声からこう語ってくれた中林美和さん。そう自信を持って言えるのは、この20数年もの間、子育てをやりきったからだと言います。
中林さん
彼と19歳で出会って、突然始まった恋でした。当時の彼はシングルファーザーで。すぐに一緒に暮らし始めて、7歳と6歳の男の子のママになりました。この決断をしたのが今の長女の年齢と変わらない年頃だと思うと、周りの大人はどれだけ心配だっただろうと。でも当時は本当に彼のことが大好きだったし、なにより『自分に何かできることはないか。この子達を幸せにしてあげたい』その一心でした。今でもこの時の決断にもちろん後悔はありません。
その後、2002年に23歳で結婚式を挙げ、同年に長女、2004年に次女を出産。4人の子育てをしながらモデルとしても活躍を続けていたのはご存じのとおり
中林さん
誌面ではキラキラしたママモデルでしたけど、実生活は大変でした。
元夫は不規則な仕事柄、育児や家事を習慣的に頼れるという感じではなく、4人の子供達の世話と家事はほぼワンオペ。自分の時間なんて皆無で、シャワーでさえ、子供達が寝た後に音を気にしながらこっそり浴びるような生活でした。
ある時撮影現場に入ったらヘアメークさんに『美和ちゃん、眉毛が繫がってるよ』って言われちゃったんです。子供達は無茶苦茶可愛かったし、20代30代を子育てに全力投球できたのは自分にとって宝物です。
怒濤の子育て中、全てが順調だったわ けではなく夫婦の間で波風が立つことも
中林さん
でもそれは『私が心の中に収めておけばいいこと、夫婦ゲンカは子供達に見せたくない』と思っていたんです。だから、一切の揉め事は子供達には伝えませんでしたね。ただ、40歳という年齢が見えてきて、子供達も成長していつか私の手から離れていくものということが現実味を帯びてきたんです。
中林さん
息子達は自立し、下の娘の送り迎えも必要でなくなり、少しだけ自分の時間ができた頃です。それと同時に初めて自分自身と向き合い、将来何があってもいいように一人の女性としてもっと自立しなければいけないという思いも芽生え始めました。
その一歩として、これからの私自身のために何かを始めたいと考えるようになっていったんです。自分にできること、好きなこと、あれこれと考えて38歳の時に友人と会社を立ち上げ、アロマテラピーアドバイザーの資格も取得して、ヘアケア製品の開発にチャレンジしました。
40歳の時に香料は使わず100%国産オーガニックの精油を使ったシャンプー&トリートメントの『MAROA』をリリースすることができました。創立3年、会社は順調に育っています。会社って子育てみたいなもので、いろんな人に助けてもらい、失敗しながら、少しずつ何かを生み出せるようになって、ある時は自分を支える存在にもなってくれるんだなって感じています。
中林さん
夫婦間のことも今までの私だったら私の中だけにとどめていたのかもしれません。でも、自分を誤魔化して生きたくはなかったし、今回のことで、周りの方やなにより子供達に心配や迷惑をかけてしまったこともあり、決断に至りました。
娘達には、傷つけてしまったことを本当に申し訳なく思っています。今18歳と16 歳、子供だけれど子供じゃないという微妙な年齢で、今すぐには無理かもしれませんが時間をかけて理解してくれたらいいなと思っています。
ふたりともそれぞれ将来の目標を定めて突き進んでいて、私にはまぶしいくらい。最近では、その頑張りに母である私自身も引っ張られるようになるくらいの刺激を受けています。
期せずして40歳前後は様々な節目を迎えましたが、これからの人生は自分をもっといたわって、自分自身のために時間を使って生きていきたい。その扉が開かれたばかりなんです。
撮影/三宮幹史〈TRAIVAL〉 ヘア・メーク/森ユキオ〈ROI〉 スタイリスト/入江未悠 取材/安西繁美、角田ひかる、八尾美奈子 ※情報は2021年2月号掲載時のものです。