「あと何年後に離婚」とお互いに話し合って別れるまでの期間を設けることで、離婚後の準備ができたり、逆に夫のことを許せて復縁する可能性もあり得るようです。
夫婦円満の新しい形になりうる「離婚約」、男性側からの視点を専門家に伺いました。
<夫が注意すべきポイントとタイミングは?>
◯ 伺ったのは … 行政書士 露木幸彦さん
男性の離婚相談に特化した行政書士事務所を開業し、開業から6年間で有料相談件数1万件近くに達する。特に妻の多重債務、不倫、ヒステリー、育児·家事放棄などに悩む『男性の離婚相談」を得意とする。著書『男の離婚ケイカク クソ嫁からは逃げたもん勝ち なる早で! ! ! ! !』(主婦と生活社)など。
★ 男性側は40代での離婚はハードルが高い
実は男性が40代で離婚するのはハードルが高いです。例えば、子どもが2人いて多感な時期で教育にお金がかかり、家のローンを返済中。また、両親と同居中の場合や、年老いて面倒をみるために毎週実家に通わなければならない場合も。
離婚を自分から切り出したらほとんどの場合、現在の生活を家族のために維持してあげるのが最低の条件なので、離婚後も夫が住宅ローンを返済し続け、私立校の授業料を夫が払い、そのうえ自分の一人暮らしで余計にお金がかかるという、とても大変な事態になります。
★ 離婚を考えるなら50代
離婚を考えるなら50代がいいでしょう。40代のうちに夫婦間にトラブルがあっても、時間が経つことで抱えている問題が解決する場合もあります。どうしても別れたいなら、子どもが大学生になり下宿したり、介護にめどがついたり、年金や退職金も具体的になる50代で踏み出すのが賢明です。
最近は女性が自立し、経済状況も今までと男女逆転しているケースも多く見られます。少し前までは、夫が仕事に夢中で平日は家事・育児をやらず、週末は接待ゴルフでつぶれ、妻の不満からの離婚が多かったのが、今は妻の仕事が忙しく、妻が構ってくれなくて寂しいと夫が離婚を言い出す場合も。
いずれにしろ、子どもへの影響は考えないといけないところ。奥さんへの感情は押し殺して、子どもが理解できる年齢になるまでは、家庭内別居でも父と母の関係を続けることをお勧めします。
撮影/吉澤健太 取材/立花あゆ ※情報は2021年2月号掲載時のものです。