詩織　私の夫は、私には女性らしい格好をして欲しいみたいで、夫とお出かけの時にデニムやスニーカーだと、「え？何で今日スニーカーなの？」とか、デニムの日は「今日、どうしたのって？」って言われるわ(笑)。
真知子　ほら！やっぱりそういうものなんだって。
北野　詩織さんはパンツのイメージがないですね。
詩織　それは、パンツやデニムが似合わなくなってしまって…。痩せたらデニム再デビューしようと思って何年の月日が経ったことか(笑)。デニムって本当に難しいよね。40代後半になったら、デニムを垢抜けた感じで着こなすことが本当に難しくなった。だから同じデニムでもスカートを選んじゃう。デニムのスカートが大好きすぎて、５枚以上は持ってるもん(笑)。
真知子　どうしてそんなにデニムスカートが好きなの？
詩織　子育てをするようになってからかなあ。汚れても家で洗えるし、スカートだからちょっとだけきちんと感も出る。キツくないから楽だしね。腰やお尻のラインも気にしなくていいし。
真知子　スカートのきちんと感てあるよね。私もパンツだと気分が上がらない。逆にお仕事モードの時はパンツを穿くかも。だってお仕事の時はウキウキ感はいらないからね。真面目にお仕事したいし。
北野　服によって心のスイッチを切り替えているんですね。
真知子　まさにそれ！！私にとっての服は、コスプレに近いかも。セルフプロデュースの一環だね。
北野　なるほど。お出かけ服はご近所服より値段が張ると思うのですが、高いとあまり更新はしない感じですか？
真知子　いやいや、お出かけ服こそ絶対更新しますよ。だってそれこそせっかくのお出かけなのにトキめかなくなっちゃいますもん(笑)。結局、ご近所服もお出かけ服も、昨年買ったものは着ない。私、１年クローゼットなんです。
成美　それってオシャレ悩みとは無縁な感じする！
真知子　いやいや、年齢的に「あり？」「なし？」で迷ったりするよ。
成美　たとえばどういうこと？
真知子　露出はどこまであり？とかね。胸元とか膝出しとかどこまでいいの？とか。無理してる感は避けたいし、イタいオバさんにはなりたくないじゃない(笑)？　だから膝は出さないとか、自分なりのルールは決めてるの。
北野　真知子さんはいつもキレイ色を着ているイメージがありますが、逆に黒とかグレーとかベーシックカラーは苦手ですか？
真知子　いやいや、たまに着てますよ(笑)。でも確かにあまり着ないかも。
成美　それはどうして？私は毎日モノトーン来ているせいか、逆にキレイ色は抵抗があって着られないのが悩み。
真知子　うーん、顔がくすむ気がするのよね。オバさんがよりオバさんらしくなるって言うか(笑)。自分が黒とか着ている時の写真は、本当に顔が沈んでるというか。でも昔はよく黒とか着ていたんだよ〜。黒を避けるようになったのは40代に入ってからかな。くすんだ顔が更にくすむというか。だから知らず知らずの間に、「スッキリ・シンプル・キレイ」な服を選ぶようになったよね。そうすると必然的に柄物とか、大きめの服とか選ばなくなったし、試着とサイズ感にはこだわるよ。Sサイズも入るけど、絶対に買わない。中年女性は（笑）、背肉とか見せたくないラインが出てきてしまうから。どんなに鍛えたり細かったとしても、若い子とは身体のラインも張り感も違うじゃない？
詩織　分かる！お肉のつき方が変わってくるよね。私もタイトなシルエットのお洋服が好きなんだけど、40代後半になるとワンピースの後ろのジッパーが背肉で上がらなくなったりして(笑)、もう何を着たらいいのか分からない！昔はタイトなシルエットは着痩せして見えるから好きだったんだけどね。それが着られなくなるっていう…(涙)。
真知子　そうなのよ。背中とかお尻とか気になる箇所はたくさんあるよ。でも割とフィットした服もサイズをワンサイズあげることによって、そこまで気にせず着られるよ。
詩織　サイズ感は確かに大事〜。

北野　　詩織さんは前に、パーソナルスタイリストにお買い物の同行をしてもらいたいって言っていましたが、それは新しいオシャレに挑戦したいってことかな？
詩織　　うーん、例えばデニム１本でも流行りが出るでしょ？だからどのブランドのデニムが流行っているとか、どんな形が今っぽいとか教えてもらいたいなと思ったの。自分があまりよく知らない領域のブランドやオシャレに挑戦したいなって。テレビの変身企画じゃないけど、自分だったら買わないアイテムとか「こういうのも似合うと思いますよ」ってアドバイスしてもらえたらオシャレを楽しめそうでしょ。だってもう楽しくなくなってきてるんだもん！
北野　　じゃあ例えば、詩織さんが絶対に着なさそうなサロペットとかをスタイリストに勧められたら挑戦します？
詩織　　あー、その選択肢はないんだけど(笑)！
北野　　でもスタイリストが「いや、絶対似合うから！」って言ったらどうします？
詩織　　そしたらとりあえず着てみる。そして何かのギャグでしょ？って鏡の前で言うかも(笑)。
一同　　笑。
成美　　実は私、最近デニムを２本買いまして……。
北野　　いいですね！どんなデニムですか？
成美　　ヘルトのデニムです。１本はバギータイプで、もう１本はブラックスキニー。デニムは一時期避けていたのですが、家にいる機会が多くなってご近所用として更新してみたら楽しくて！
北野　　デニムこそネット購入だと難しくないですか？
成美　　ネットでも返品できたりするので、安心して購入できたの。今までデニムは学校にもランチにも対応できないから避けていたんだけど、こんな世の中だからこそトライする気になったのかも。お陰様で、このデニムに合わせてエブールのカーデガンやカデュネのブラウスも欲しいなと思ったり。
北野　　デニム再デビューでオシャレの幅が広がったんですね！
成美　　そうかも。生活スタイルの変化でオシャレが変わってきたのかな。前はスニーカーも履かなかったけど、子供の毎日の車送迎で、買ったデニムに合わせてシルバーのコンバースも新調しました。
北野　　今、オシャレを楽しんでるじゃない！
成美　　そっか、自分でも気付かなかった(笑)。「オシャレ＝お出かけ用のキレイな格好」っていう思い込みがあったかも。デニムにコンバースって、私、オシャレの幅が広がって楽しんでるんだね！
真知子　　私はお出かけにデニムは履かない主義だけど、ご近所デニムなら探して楽しんでみたい！
北野　　そうそう！服は家にいる時も含めて365日着るものだから、お出かけに限らず楽しめたら毎日が楽しくなるよね。悩みがあるというのは、それだけオシャレに興味も関心もあるとうこと。きっと50代、60代になっても、その年代に合うオシャレがあると思うの。幾つになってもオシャレを楽しめる自分でありたいよね！

取材／北野法子　※自粛期間中により、リモート座談会を開催しました。