私たちのオシャレに欠かせない「靴」は、足のエイジングの需要な要素。タイプ別に良し悪しを聞きました。
◎ 教えてくれたのは…
足のクリニック 院長 桑原 靖先生
歩き方コンサルタント 篠田洋江さん
靴とインソールの職人 RiNGOSEIKA 店長 安廣洋司さん
★ スニーカー
桑原 靖先生
かかと、甲、足底側の3つの立体曲面で足を固定することができるスニーカーは歩行の補助ツールとして適しています。後ろが5㎜〜10㎜程高くなっているものを選ぶと、踏み返しの時間が短くなり、疲れづらくなります。
篠田洋江さん
通気性の良い素材ででき、ソールのクッション性もあるため長く歩いても疲れにくいです。ただ、大きなサイズや靴紐を結び直さず、ゆるいまま履くと、足のアーチの崩れにつながることもあります。
安廣洋司さん
ソールのクッション性が高く、足に負担が少ないので、スポーツシーンに合わせて快適な状況を考え設計されています。しかし、厚い生地に包まれていることで、足の調子の変化に気づきにくく、対処が遅れることも。
★ サンダル
桑原 靖先生
足首のところで固定ができるものをお勧めします。脱げてしまいそうなサンダルは、無意識のうちに指を曲げることで、何とか脱げまいと維持するので、曲げる筋肉が強くなってしまい、逆に伸ばすことができなくなります。
篠田洋江さん
ヒールが低いサンダルの場合、足でしっかり地面を踏みしめられるので楽に歩くことができ、足の痛みも少ないです。ただ足を支える部分が少ないため、横ブレや転倒も起こしやすく、だらだら歩きや摺り足になることも。
安廣洋司さん
指の解放感があり、足の蒸れの心配がなく、短距離の歩行や車移動時などのリラックスシーンに向いています。ただ、かかと部分の固定ができていないと、歩くたびに靴の重さをダイレクトに感じてしまいます。
★ パンプス
桑原 靖先生
甲のところにストラップが付いているなど、脱げにくい工夫がしてあれば、足への負担は減ります。ただし常に履ている人は足のトラブルが多く、アキレス腱が硬くなり、パンプスを脱ぐとに重心が後ろになってしまいます。
篠田洋江さん
キレイに履きこなそうとすれば脚力や体幹が鍛えられ、脚長でスタイルが良く見えますが、膝が曲がってガニ股になりやすく、ヒールが高いことで足指が圧迫され、ハンマートウなどの足トラブルにつながりやすいです。
安廣洋司さん
3.5㎝〜7㎝程度までのヒールは、サイズが合っていれば、体重の重みがうまく分散され足全体に体重を乗せた歩行が望めます。サイズが合わないと固定されずつま先が痛くなるので、サイズ選びこそ重要です。
★ ブーツ
桑原 靖先生
タイトなものであれば、足首の動きを制限できるため、アーチが崩れやすい人にとってはメリット大です。ヒールは4㎝以下にしてください。ムートンブーツは暖かいということ以外、メリットはありません。
篠田洋江さん
足全体を覆ってくれるため、パンプスが脱げてしまう人も履きやすく、天候に拘わらず履くことができます。ただロングブーツなど重い靴や足首が固定されるものは、疲れやむくみが出やすくなります。
安廣洋司さん
足と靴が固定されているので、ある程度大きな靴でも足の滑りや動きを抑えてくれるでしょう。ただ、ムートンブーツは足を固定する力が弱、痛みは感じづらいですが、足の変化や変形の温床となりますく。
〔番外編〕本格的なインソールを作ってみた
①足型を計測してビックリ!
サイズは大きいのに、ワイズが極端に細く、既製靴だとほとんど合わないことが判明。
②足指も長いためハンマートウぎみに。
指がいろんな方向に傾いている……。
③インソールには厚みのある革を使用。
④靴に合わせて中敷の底面図(設計図)を作製し、インソールを作製。
⑤2つのパーツを組み合わせて敷く。
⑥元々の靴のトップカバーにのりを塗布し、パーツの上に貼るので、作ったインソールは外から見えない。
⑦サイズは合うのにワイズが合わず、かかとがパカパカしていた靴が、インソールを入れたことで足にしっかりとフィットして、快適に歩けるように!
ゴールデンパーツ(全敷タイプ) ¥15,000、製作時間は約90分。
撮影/五十嵐 洋(静物)、BOCO(取材) スタイリスト/桑代 愛 取材/沢 亜希子 ※情報は2021年4月号掲載時のものです。