<まさに壁にぶち当たり中のSTORYライターが、専門家に質問しました!>
◎ 答えてくれたのは…
育休後コンサルタント 山口理栄さん
総合電機メーカーでキャリアを積む一方、母として2人の子の育児に奮闘。現在は「育休後コンサルタント」として仕事と子育ての両立に悩むママたちに寄り添う活動を行っている。
【Q1】
登校拒否にいじめ、成績が急降下……せっかく仕事を始めたもののトラブルが発生する事例が続々。 私たち、仕事を続けてよいのでしょうか――?
山口理栄さん
その壁は、本当にあなたの仕事のせいですか――? 仕事を続けている人も、いない人も、そういうトラブルには遭います。親が自己実現したいという気持ちを隠しながら子供と一緒にいることは、子供にとっていい影響を及ぼすとは言えません。子供は、親の生き方に影響されます。仕事を再開したこと自体が悪いこと、そんなふうに思わないことです。それは、子供に対して「あなたも自分の好きなように生きなさいね」という無言のメッセージになるはずだからです。
【Q2】
働き始めたものの、 夫も子供も「家事はママの仕事」という意識がまだまだ強い。 家族に協力してもらうには、どうしたらよいでしょうか?
山口理栄さん
家族には正直に、何度も伝えるしかないと思います。仕事復帰した自分の中では区切りがついていると思うけど、家族はどうでしょう? 家族に対して覚悟を決めて宣言するところから始める必要があると思います。まずはパートナーとじっくり話し合って。例えば、新たなルールを作ったり、家族で分担して家事をやる方法を提案したり。最新の家電製品や代行サービスなどを取り入れながらやっていくのも、いいのではないでしょうか。それに、自分自身が家事の基準をちょっと下げてみるということも大事だと思います。
【Q3】
仕事が波に乗っていても、子供の状況次第では そのキャリアを断念しなくてはなりません。 女ばかりが不公平。 両立できる手段はあるのでしょうか?
山口理栄さん
一般化するのは難しいですが、ひとつ言えるとしたら「チャンスの雨はいつも降っている」ということ。出産のために仕事を辞めた時、育児に専念していた時、同じようにチャンスの雨は降り注いでいたんです。だから、この機会を逃したら最後ということはないんですよ。それでも、今回だけは諦めたくないという時は、周りの人のサポートを得るしかないと思います。特にパートナーには自分の想いを繰り返し伝えること。どれだけ自分がその仕事をやりたいのか、それをちゃんと説明できているかということが重要ですよね。
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撮影/西崎博哉(MOUSTACHE) 取材/小仲志帆、奥村千草 ※情報は2021年5月号掲載時のものです。