人気モデルとして、STORYでも活躍する鈴木サチさん。プライベートでは、前夫の子、今のパートナーとの子のパッチワークファミリーとして暮らしています。今まであまりプライベートは公表していませんでしたが、気持ちの整理、新たな一歩として今回、STORYに初めて語ってくれました。
〈左から〉【長男くん】シャツ¥8,580 中に着たT シャツ¥4,950〈グッド ロックスピード×トゥモローランド ボーイズ アンド ガールズ〉パンツ¥9,350(すべてトゥモローランド ボーイズ アンド ガールズ)サンダル¥6,600(ビルケンシュトック/ビルケンシュトック・ジャパン カスタマーサービス)【サチさん】シアーシャツ¥22,000(エイチ ビューティ&ユース)中に着たT シャツ¥13,200(エイトン/エイトン青山)デニム¥20,900(レッドカード/トゥモローランド)レースアップサンダル¥48,400(ロク/ギャルリー・ヴィー 丸の内店)フープピアス¥47,300右手薬指リング¥30,800(ともにオール ブルース/エドストローム オフィス) 左手薬指リング(サチさん私物)【次男くん】カットソー¥4,400(プチバトー/プチバトー・カスタマーセンター)パンツ¥7,150(ルーカス デュ テルトル/ロンハーマン)サンダル¥7,150(ビルケンシュトック/ビルケンシュトック・ジャパン カスタマーサービス)【パートナー】カーキシャツ¥17,600〈ブルー ワーク〉中に着たT シャツ¥25,300(キャバン/キャバン 代官山店)スニーカー¥59,400〈コモン プロジェクト〉(ともにトゥモローランド)リネンパンツ¥42,900(エイトン/エイトン青山)【長女ちゃん】シャーリングワンピース¥17,600(ベルキアラ/ロンハーマン)中に着たカットソー¥3,850(プチバトー/プチバトー・カスタマーセンター)サンダル¥10,450(ビルケンシュトック/ビルケンシュトック・ジャパン カスタマーサービス)
★ 鈴木サチさん、41歳 「今まで誰にも語らなかった離婚」
--どんな時も意識してきたのは、子どもが最優先ということ
モデルとして約25年活躍している鈴木サチさん。Instagramでは、子ども3人とパートナーとの仲の良い様子が伝わってくる。実はその内情は、前夫の子ども2人と新しいパートナーの子ども1人というパッチワークファミリー。今までは子どもたちのことを想い、あえて無言を貫いてきたサチさんが、初めて今の家族について話してくれました。
「私にとって、とても大切な今の家族がしっくり馴染み、揺るぎないものだと思えるようになりました。だから、こんな形もあるんですよとお話してもいいのかもしれないと思ったんです。幸せの形は人それぞれ。我が家の話によって、色々な幸せな形があるんだなと知ってもらえたら嬉しいです」
サチさんが離婚をした時、そこに大きなキッカケがあったわけではなく、少しずつお互いのずれが生じたせいだといいます。
「数年前、今住んでいる家を建てたのですが、今思えばその頃から少しずつずれていった気がします。家を建てたことが原因ではなく、色々な要因が重なっていましたし、親しい友人たちに色々なアドバイスを求めて相談していたのもこの頃。
けれど私は、離婚はしてはいけないものだと強く思い込んでいたし、無理とか限界の基準が当時はもう分からなくなっていたんです。自分の中で模索と努力を繰り返していた気がします。
その頃は平気だったけれど、今思い返すと本当にキツい時期でした。ある時、ふとした決定的な一言で崩れ落ちて……。私たちの関係はもう無理なんだと本当に実感する瞬間がきたら、そこからはもう冷静でした」
--離婚という出来事があった からこそ、「今がある」そう思えるようになった
もうダメだと分かる瞬間は急に訪れるもの。それを実感したサチさんは、腹をくくり、離婚へと進んでいきます。
「女性は決めてしまえば、そこからは強いし速いし冷静。気になっていたことは、子どもたちのことだけ。子どもたちが理解できるようになるまで時間が必要だと思っていたので、離婚のことは話さずにいて、1年くらいして落ち着いたら伝えようかとタイミングを考えていました。
子どものことだけは傷つけたくなかった。何よりもその頃は自分のことを〝やり遂げられなかったダメな女〞だと思っていたので、子どもたちに申し訳ない気持ちの方が大きくて。
けれど、何処からか話が流れ、幼稚園のママの耳に入ってしまい、仕方なくすぐ伝えなくてはいけなくなってしまいました。タイミングが変わったことがとても辛く悲しく、泣きながら子どもたちに話してしまいました。
けれど絶対に子どもたちの前でお父さんの悪口は言わないとその時から決めていたので、そこだけは守りました。大人の事情は関係なく、子どもたちにとっては大切なお父さんですから。それは今でも意識しています」
そうキッパリと笑顔で言い切るサチさん。別れることを決めるまでの期間の方が辛く、決めてからは迷うことはなく、子ども第一で進んできました。
そんな頃に今のパートナーとの出会いが訪れます。
「思いがけず好きな人ができて。でも子どもたちが受け入れてくれることがもちろん第一優先。お付き合いを始める時『私は好きだけれど、もしも子どもたちが馴染まなかったら無理です』と伝えました。
彼に子どもを会わせるときも、始めが肝心だと思い紹介には気を遣いましたが、すんなり馴染んでくれたんです。子どもたちはたくさん遊んでくれる彼のことを大好きになり、彼もとてもフラットに接してくれているのが伝わってきて。こうして新しい家族の形ができていきました」
「その後、私の希望で事実婚を選択。彼との間に新しい命を授かり、出産の前に上の2人に『彼はお父さんではないけれど、お父さんのように頼ってもいい。一緒に住んで、チームで力を合わせて頑張っていこうね』と彼についてもきちんと話しました」
★ 自分の軸をきちんと持つことで、寄りかかりすぎずにいられる
--けれど、甘え、助け合う ということもまた覚えた
ダブルブレストロングジレ¥88,000(サイ/マスターピースショールーム)中に着たリブタンクトップ¥12,100(RH ヴィンテージ/ロンハーマン)ダブルリングイヤーカフ¥17,600(ハイク/ボウルズ)パールネックレス¥29,700(プリーク×エイチビューティ&ユース/エイチ ビューティ&ユース)シリンダーネックレス¥144,100 バングル¥38,500(ともにオール ブルース/エドストローム オフィス)
新しい家族と暮らす中でサチさんは何を感じていたのでしょうか。
「リハビリみたいな感覚です(笑)。家事は全て自分でするものだと生活してきたので、彼が色々手伝ってくれることにいちいち驚いてしまって(笑)! もともと頼るということが得意ではない性格なので、ゴミ捨てをしてくれただけで、え!いいの? と。
彼は『サチだけのゴミじゃないでしょう、みんなのゴミなんだから気にしなくていいんだよ』と説明してくれる人。そのおかげで、頼ったり、力を抜いてもいいということを学んでいる最中です」
そして、今のサチさんを支えてくれた存在の中で、ピラティスの力もとても大きかったそう。
「始めたのは結婚前で、資格をとったのは長男を出産後。人生が変わったといっても過言ではないほど、気持ちと体に変化がありました。自分が好きなものを見つけられたおかげで、ピラティスが軸となり、不安を払拭してくれたり支えになってくれたりしています。
それに、何よりも人に教えるということが本当に楽しいんです。好きなものに出合えたことが、今までの私を支え続けてくれました。今は自分のスタジオを持ちたいと思い、準備しています」
★ 二人で〝事実婚〞を選んだ、私たちの関係とミライ
--籍が問題ではなく、幸せになろうと お互い強く思っていることが大切
〈左から〉【パートナー】ダブルブレストジャケット¥47,300 スラックス¥14,850 スリッポン¥24,200(すべてユナイテッドアローズ/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)【サチさん】プリーツドレス¥53,900(ハイク/ボウルズ)ストラップサンダル¥57,200 ※参考価格(ペリーコ/アマン)ドロップモチーフピアス¥25,300(クレド/ギャルリー・ヴィー 丸の内店)チェーンブレスレット¥41,800(オール ブルース/エドストローム オフィス)
撮影の合間、パートナーの彼が発する言葉は全てとてもポジティブ。
「僕は、彼女に子どもがいるということは特に気にならなかったんです。問題といえば僕の親くらいでした。子どもがいる人と付き合うということに驚いてしまって。けれど、理解してくれる日は来るだろうなと思っていたので大した問題ではなくて。
子どもたちは自分のことは自分でできる年齢ですし、何でもやってあげるというスタンスでもないので、年上の先輩というか友達のような感覚で接しています。マナーなど基本的なことで叱ったりすることもあるので、喧嘩もしょっちゅう(笑)」
そういった彼のフラットな接し方が家族を結びつけている様子。
「私としては、長男と長女の用事は彼に頼みづらかったり、まだ葛藤がありますが、彼の方から提案したり手伝ってくれるので、そういう部分も少しずつ甘えられるようになりました」とサチさん。
とても仲が良い2人。籍は入れず、事実婚を選びました。
「事実婚は私の希望で選ばせてもらいました。これまでの経験からお互いを大切にし合うことが重要で、籍は問題ではない気がしていたので。子どもたちが全員巣立った後に籍を入れるかもしれないし、先のことは分かりません。今は籍よりも、ずっとしたかったキャンプに家族で出かけたり、夫婦でデートしたり、そういう時間がとても幸せ。
この幸せな生活が長く続いてくれるのかな……なんて不安に思ってしまう時もありますが、そういう時は彼が明るく『続けると強く思えば続くよ』と言ってくれるんです。寄りかかりすぎずお互い自立しながら一緒にいて、幸せな日常を続けていくぞと私も心に決めています」
撮影/須藤敬一 モデル/鈴木サチ ヘア・メーク/麻生ヨウコ スタイリスト/小川夢乃 取材/柿本真希 ※情報は2021年5月号掲載時のものです。