美肌で話題の同世代美容家、石井美保さん。娘を持つ母でもある石井さんが著書『石井美保のBeauty Soup』の中で、50点以上の書籍監修を担当する管理栄養士・金丸絵里加さんと食がもたらす健康と美容について考えました。今回は、調味料の取り入れ方のポイントについてお届けします。
㊧石井美保さん
トータルビューティーサロンRiche主宰。ボーテスト代表取締役。美容家。麻布十番「Riche」-リッシュ-のサロンオーナー。近年は女性誌にも多く取り上げられ、石井式メゾット「こすらない洗顔」が話題に。CM広告出演のほか、大手企業の商品プロデュースのコンサルティングなど活動は多岐にわたる。
㊨金丸絵里加さん
料理研究家、管理栄養士。食を通じて健康になることをモットーに、ヘルシーな家ごはんやおつまみレシピを数多く提案する。監修書籍は50点以上、雑誌・TVなどのメディアや施設へのレシピ提供・栄養指導などでも活躍する健康食のエキスパート。
オイルは「酸化」を意識して、しっかり種類を選びたい
石井:先生がよくお使いになるこだわりの調味料などはありますか?
金丸:そうですね、オイルにはこだわりがあります。炒めものなどはココナッツオイルも使うことも多いですね。ココナッツオイルは熱に強く、酸化しにくいので。あとは米油をよく使います。この二つの出番が多いです。ココナッツオイルは香りが気になるので、香りがないタイプがオススメすよ。あとよく使うのはMCTオイルですね。
石井:オイルの酸化を考えて使っていらっしゃるんですね。私も米油を使ったお料理をするのですが、クセがなくて使いやすいですよね。オイルの風味を活かさなくていいものは米油にしています。家では揚げ物はほとんどしないんですが、するときは米油にしています。揚がり方も重たくならないですし、オイル自体が劣化しないという点もありがたいので。
金丸:オイルは置いておくだけで酸化するものもありますからね。米油は常温保存でも比較的安心で、高温になったときも変異しにくいんです。変異した油というのは、言い換えれば酸化した油なので、できるだけ摂取は避けたいと思っています。
石井:私は、これまでMCTオイルとかココナッツオイルをあまり取り入れてこなかったんです。いろいろ調べると諸説ありますし、料理との相性も考えると限られるところもあったので。たとえばフレンチトーストを作るときに、オイルだけで甘みの風味をつけるためにココナッツオイルを使うとか……。
金丸:ココナッツオイルは意外と使えるんですよ。香りのあるものは、カレーやチリコンカンのような、スパイスが入る料理とは馴染みがいいですよ。簡単にいうとエスニック系はココナッツオイルとスパイスとの相性がいいです。甘みというか、バニラをかいでいるような甘い香りが出るので、おのずと糖分を控えられます。
石井:なるほど! 私はエスニックをいただくときは外食が多く、家ではあまり作らないんです。家族はあまり食べたがらないですし、まずはいろいろ調味料を揃えないと! とハードルの高さを感じるので。それとお店で食べる料理は和食でも洋食でも中華でも、味の構成がなんとなくわかるのですが、エスニックだけはどんなもので味付けされているのか想像できないんです(笑)。
減塩・低糖質のコツは、他の調味料で味を変えること
金丸:自分が好きでも家族が苦手っていうと作らなかったりすると思います。実は私の家族は、エスニック系やカレー粉が苦手なんです。でも、クミンやナツメグ、クローブなどは大丈夫なので、鯖とか青背の魚を組み合わせたり、隠し味程度に使うとおいしく仕上がります。特にスープは、トマトベースかクリームベースのどちらかになるなど単調になりやすいこともあるので、スパイスを上手に使うと変化が楽しめますよ。
石井:家庭でエスニックという考えがなかったのですが、ちょっとしたスパイスを取り入れるところから始めるとよさそうですね。
金丸:はい、スパイスは代謝を高めてくれますし、例えばシナモンは毛細血管にいいとか、効果効能は様々です。肉の下味を揉みこむときにクローブを少し加えるとか、いつものミネストローネにちょっとだけシナモンを加えてみると、料理がさらに楽しくなると思います。
石井:クローブパウダーですか……家にないです(笑)。
金丸:クローブパウダーは肉の臭みを抑えて爽やかにしてくれるんです。香りの作用で塩を少し減らすことができますよ。
石井:そうなんですね、そうすると塩を多用しなくていいですよね。減塩につながります!
金丸:あとは粒マスタードも大好きで。スープだけでなく、いろいろな料理に多用します。味のアクセントになるんですよ!
石井:粒マスタードですか? ソーセージ食べるときにしか使わないイメージです。
金丸:スープに入れたり、炒め物、和え物などに使えるんです。マヨネーズの代わりにヨーグルトと粒マスタードにするとカロリーオフになりながら、コクと旨味は損なわれないなど汎用性があるんです。
石井:以前、先生のレシピにあった料理で、さつまいもをゆでてヨーグルトと粒マスタードを混ぜて作ったことがあります! マヨネーズみたいな酸味が出て、かつヘルシーなんですよね。
金丸:ありがとうございます。粒マスタードは自分で作ることもできますよ。マスタードシードとブラウンマスタードシードを、塩と酢、砂糖を混ぜて漬けるんです。白バルサミコなどを入れて寝かすだけで、意外と簡単。市販品と自分で作ったものを混ぜると、深みが出ておいしいんです。
石井:粒マスタード、作れるんですね!
金丸:牛肉のスープに入れたり、お魚とも相性が良いので煮魚に加えてみたり、もちろんカルパッチョにも。そのほか炒め物にも使えます。大さじ1ぐらいを加えて、味の調整をしてみてください。
石井:ベースの味は何がいいですか?
金丸:ベースは塩こしょうがオススメです。それと粒マスタードだけ。旨みと酸味とコクが出るので味が決まる、お好みでちょっと醤油を入れて微調整してもおいしいです。
石井:スープってベースをトマトにしてもミルクにしても、基本は塩こしょうになりますよね。味がまとまらないとつい最後に塩を足してしまいがちなので、特に外食でスープを飲み切ると塩をたくさんとった気になってしまうんです。どんなに体を温めて、カロリーを抑えられても、塩分過多な感じは避けたいところ。塩に代わってアクセントになるものを入れるだけで、塩分を減らせるということですね。
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撮影/吉澤健太
本記事は『石井美保のBeauty Soup』掲載情報を抜粋しています