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離婚訴訟しながらの中学受験って!?【お母さんが変われば子供が変わる②】

こんにちは。子育てスマイルナビゲーターのたかみほです。

子育ては、長期戦です。お子さまが多くいれば、その長期戦はさらに長くなります。
そんな中、家庭では様々な出来事が起こります。人生は誰にでも、良い時ばかりでなく悪い時があると思います。
離婚を味わった私にとってもそれは悪い時期に当たりますが、その問題は自分側で対応していき、子どもには「苦労は見せない、疲れを見せない、大変そうな雰囲気を作らない」と心に決めて、笑顔で接することを大切にするようにしました。

連載第1回はこちら


●経験から得たことをプラスにする

① 「離婚」を経て社会の問題を自分ごとで考えられるようになった

長男が小学4年生、次男が小学2年生の時に、私は別居を開始したのですが、夫婦でお互い「親権」を主張し続け、離婚訴訟となり、そのために家庭裁判所に幾度も行かなければならないという、できれば人生で味わいたくないことを経験しました。

離婚に至る流れとして、協議→調停→訴訟(特別の場合に審判)となりますが、私の場合は協議でまとまらなかったため、この通常過程を経て最後は訴訟となり、訴訟まで至って和解で終了しました。その訴訟を提起する前に、離婚に関しては審判を経ませんでしたが、婚姻費用については調停で不調となった後に、審判となりました。

最初は、離婚というものがこんなに長期間かかるとは想像しておりませんでした。調停が始まった最初の頃は、夫婦と子供で同居をしていましたが、大変居心地が悪く、ますます家庭内の空気が冷え切っていくばかりなので、長男が小学4年生の夏に親子3人で別居生活を始めることに決めました。

② 年金のことを考えるきっかけになった

決めたは良いものの、次男が小学1年生になった時にパートは辞めており、別居のための引越し費用や賃貸借契約をする資金がないことに気付いたので、子どもが通学している間に短期集中で電話コールセンターのパートをしました。

平成19年(2007)に起きた【年金記録問題】がありましたが、約5,095万件の持ち主不明の年金記録に「漏れ」や「誤り」があるのでは?とご心配される方からの問合せに対応するコールセンターのオペレーターのお仕事でした。始業から終業時間まで、呼び出し音は鳴り止まない状態でしたが、電話の向こうからの問合せは、深刻でご立腹されている方が大変多かったです。

その当時の私は、年金の仕組みや将来自分が受け取る年金のこともよく分からずにいたのですが、この電話コールセンターの業務は、年金のことを知る座学研修もあり、「年金とは」から始まり自分の将来に関わる年金の知識を得ることができました。この仕事に関われて良かったと思っています。

●別居しながらの中学受験

結婚してから10年分の親子の荷物を、別居先の手狭な家に収めるのはかなり大変でした。1学期の終業式に引っ越しを決行。下校した息子たちは、住まいが移り、狭くなった室内に驚いていました。そこから切り詰めた暮らしがスタートし、中学受験のため小学4年生の長男は夏期講習から通塾も始めました。塾選びの基準は、私が働いていて送迎ができないので、「子ども自身で自転車や徒歩で通える場所にある塾」を条件にして選びました。

そこの塾が良かったのは、
・教材が手作りであること
・「授業→ 自宅学習 → 復習テスト」というようにサボらなければ、中学受験に必要な学力が身に付くシステムになっていること
・2クラスしかなく少人数。週末に順位ランキングがお手紙で知らされ、息子たちは意外とそれが励みになっていたこと

私にとっては、朝から仕事に出てしまっているので、塾に行く息子にお弁当を持たせられない問題がありましたが、その塾は帰宅後に家で食事ができる時間割になっていたので、お弁当問題は解消できました。

● とうとう離婚が成立

それから2年が経ち、長男は小学6年生。もうそろそろ中学受験に最も本腰を入れないといけない時期に差しかかっていた7月初旬の日でした。その日も、少し早く家庭裁判所に着いた私は、1階に入ってすぐの柱に立っていました。2年ぶりに会う元夫がやってきて、「久しぶりだね」「痩せたね」と話しかけてきました。今まで一緒の日々を過ごしてきた家庭を手放すことをずっと渋ってきた元夫とは、数知れない文書のやり取りがあり、「やり直したい」から長引かせているのかなと思うこともあり、私をとても疲弊させました。でも元夫にとっては、自分の気持ちが整理されていく大事な2年間だったのかもしれません。

元夫の表情は、「今日で終わらせよう」と思ってくれているように感じました。長男が中学受験の真っ最中のことも分かっており、早く離婚訴訟を終わらせてあげないといけないという父親としての配慮もあったのでしょう。そこで私が何かを言ったら、彼の覚悟を壊してしまうかもしれないと思って、しばらく見つめ合って、私はただ会釈をしてその場を立ち去りました。別居期間、元夫と会うことは一度もなかったけれど、どちらにとっても、私達の大切な子どもですから、子どもを手放すという声にならない悲しい気持ちや、腹をくくらないといけないという覚悟みたいなものが、その表情から伝わってきました。

そして、その日に、離婚成立となりました。帰宅後は、肩の荷が下りスッキリした気分で子どもたちと接することができ、その夜は特別に深くぐっすり眠ることができました。ようやく私も、本腰を入れて長男の中学受験のサポートに集中することができるようになったわけです。

次回は「中学受験のために備えてきたこと」をテーマにお届けします。

たかみほ(たかせみほ) 子育てスマイルナビゲーター 1968年生まれ。共立女子大学文芸学部卒業後、航空会社のグランドスタッフに。結婚後、長男が小4、次男が小2の時に夫と別居。2年間の調停の後に離婚成立。シングルマザーとして働きながら、子供たちを中高一貫校へ。その後、2人ともに東京大学理科一類へ現役合格を果たす。著書に『シングルマザーで息子2人を東大理Iに 頭がよくなる「ルーティン」子育て』(徳間書店) Noteブログ https://note.com/takasemiho
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