こんにちは。ライター秋元恵美です。
いつも本誌の撮影でお世話になっているカメラマンの加瀬健太郎さんの著書、『お父さん、だいじょうぶ?日記』(リトルモア)お読みになりましたか?ブログを一冊の本にまとめたもので、絵日記風にお子さんたちの写真とエッセイで構成されています。
幼稚園生の長男と次男、そして、近所に顔が広くてしっかりものの奥さんの4人暮らし。3人目のお子さんが誕生するまでの、2年間の日常が綴られています。ご本人のまえがきから抜粋させていただくと「僕はカメラマンです。写真を撮るのが仕事です。でも、そんなに忙しくないのでよく家にいます。……一つ屋根の下、肩寄合って暮らす同居人たちは、油断していると変なことをしたり言ったりして笑かしてきます。……面白かったことやびっくりしたこと、たまにはケンカしたことなんかも、放っておけばすぐに忘れてしまいます。僕は、それがもったいないと思って書いて残して、写真も撮って置きました」
ちょっと頼りないお父さんですが、杓子定規ではない、独特の視線で子供たちや奥さんを見ていて、なんともあったかいんです。お子さんたちの、のびのびした子供らしさにジンときたり、奥さんに共感したり、加瀬さんのひょうきんぶりに笑ってしまったり、そうして、こういう誰にでもある素敵な家族の時間はやがて過ぎていってしまうんだな、とほろりとさせられたり。読む人ごとに、刺さるポイントが必ずある本です。
加瀬さんは私が大好きなカメラマンさんの一人なんですが、本当に面白い。撮影に夢中になりすぎて、犬の糞をひざで踏んづけちゃったり、ここをポイントに撮ってとお願いしているのに、全然、そこを撮っていなかったり、ロケハン頼んだのにちゃんと見るべきものを見て来なかったり……。だけど、めちゃくちゃお茶目で、全然憎めないんです。それどころか、一緒にいて本当に楽しいんです。その上、いつも予想を超える素敵な写真を撮ってくれるんですから、いつの間にかファンになってしまいました。
秋の夜長、お茶をすすりながら、のんびりと読むのにうってつけの大人の絵日記。ぜひ、読んでいただけたら、嬉しいです。