こんにちは。探究学舎の宝槻泰伸です。連載3回目は、上手に楽しく子どもの「創造力」を育む方法についてお話します。
それは、ズバリ!
“見守ること”
ズコーっとなっている様子が目に浮かびます(笑)「え?それって、何もしないってことですか?」よく親御さんたちから聞かれることですが、そうではありません。
私が言いたいのは、“子どもの夢中を見守ってほしい”ということ。これは、創造派でも適合派でもどちらのお子さんにも共通して言えることなのですが、子どもが熱中していることを邪魔しないであげてほしいのです。
夢中を見守ろう
例えば、穴掘りが好きで子どもがずっと穴を掘っている。
「いい加減にして、家に帰って宿題しなさい!」
うん、普通であればこう言ってしまいがちですよね。お母さんも夕飯の準備をしたい。わかります! でも、もしかしたら子どもは穴を掘っている先に創造の芽を見出しているのかもしれません。
考えてみてください。
公園の土の穴を掘っている → 土の色が変わった! → その先はどうなっっているんだろう? → このまま地球の反対に行けるかもしれない → 地球の真ん中ってどうなっているんだろう? → 日本の反対ってどこなんだろう?
なんだかワクワクするような内容が詰まっていると思いませんか?
子どもが自ら進んでのめり込み、かつその夢中が多方面に派生すること。これを“自発型夢中”と言います。親御さんには、この“自発的夢中”をぜひ応援してもらいたい。ただし夢中……には、皆さんも思い当たる、こわい夢中もありますよね。何が応援するべき夢中で、何が落とし穴な夢中か? 次回はそのお話をさせていただきたいと思います。
宝槻さんが紹介する、今回の偉人
宝槻さん目線で、幼少期のびのびと“自発的夢中”にのめり込んだ偉人を紹介します。
ユーグレナ代表取締役社長 出雲充さん
穴を掘っていたのは私です!
1980年広島県生まれ。東京大学卒。旅行先で直面したバングラデシュの貧困から食料問題の解決を試みる。苦労の末ミドリムシ大量培養に成功しユーグレナを設立。食料問題だけでなく温暖化や燃料問題の解決にも繋がる事業となる。信念は「ミドリムシが地球を救う」。
放任のプロと称される母の下、そのまま地球の裏側に行けると信じて穴を掘り続けた偉人です。幼少期の大地への夢中は、成長とともにそのままバイオテクノロジーの世界へと引き継がれていきました。
1981年東京都生まれ。京都大学経済学部卒業。探究学舎代表。幼少期から「探究心に火がつけば子どもは自ら学び始める」がモットーの型破りな父親の教育を受け、高校を中退し京大に進学。代表を務める探究学舎は子どもたちの“驚き”と“感動”の詰まった授業として、三鷹市を拠点とした教室のほか、オンラインでも世界的な人気を集める。’19年「情熱大陸」に出演、’21年「TEDX」に登壇。5児の父。
取材/竹永久美子