子育てが一段落してからも、人生があと50年残されているかもしれない今の時代、浮気などの決定的な理由がなくても、夫婦を終えて新しいライフデザインを描くことも選択肢。「離婚約」や「卒婚」なら、法律ではまかないきれないその思いを、円満に叶えられるかもしれません。今回は〝うまくいく離婚約&卒婚の準備〟をQ&A形式でご紹介。
Q1:卒婚・離婚約中に恋人ができたら……?
婚姻期間中なので「不貞行為」となります どちらの場合も婚姻期間中なので浮気や不倫は不貞行為。事前に合意していたとしても無効とされる場合もあり、当然、慰謝料の請求を認められるリスクがあることは忘れないで。
Q2:専業主婦の私が卒婚した場合も、夫の面倒は見なくて大丈夫?
家事も労働。夫以外の部分を賄えば、それの対価があるべき 卒婚はあくまでも生活が夫婦の生活でなくなるというもの。夫の分の家事をしないなら生活費を渡さないというのなら、それまでの家事に見合った報酬を得ていたか、今後の家全体の家事への報酬は金額にするといくらになるかをわかりやすく提示するといいでしょう。
Q3:離婚約や卒婚を切り出すのに良いタイミングって!?
子どもの卒業など、家族の節目のタイミングで「この先、どうしたい?」から始めてみては? 離婚約や卒婚をしたいと思ったら、DVなど即時離婚が必要でない限り、自分の中で1年ぐらいウォーミングアップ期間を設けるといいでしょう。どんな資産があるかなどをしっかり調べて不利にならない状況を作る、金銭的独立のための準備を始める、切り出すタイミングを見計らうなど、一枚上手の準備をするのです。浮気も、話し合いを始めてから発覚した場合、離婚の発端となったとみなされないこともあるので証拠は事前に入手して。子どもが親離れするときや、家を建て替えるなどの節目は、相手も共感しやすいタイミング。相手を否定するのではなく「自分がこう生きたい」という思いを伝えるなど、うまくのせるつもりで。
Q4:結局、離婚約と卒婚の違いは何?
離婚を前提に話し合う期間が離婚約、戸籍を抜かない夫婦解消が卒婚 離婚約後、もし法的に離婚が成立すると、相続や遺族年金、旦那さんの勤め先の福利厚生などの権利はなくなり、独立した生活費の確保など、「金銭的」な覚悟が必要。離婚約はその準備期間にもなりますが、最終的に卒婚や復縁もあり得ます。卒婚は多くの場合は、同居しながらお互いに独立した生活をするので、生活費のランディングコストの負担が少なく、一方で夫のためにしてきた家事が手放せるなど、手軽でメリットも大きいと言えます。
Q5:離婚約や卒婚の内容は口約束で大丈夫?
口約束だけでは、法的には認められません どちらも、あくまでも法的効力はなく、公正証書として書面にして初めて公に認められます。ここに至らない間も、話し合ったことは少なくとも、LINEやメールで文字にし、 お互いが合意していたことをいざという時に示せるように残しておくと役立つ場合も。
撮影/五十嵐 洋 取材/鍋嶋まどか スタイリング協力/安西こずえ ※情報は2022年3月号掲載時のものです。
こちらの記事もおすすめ!
-Keywords