野菜のアレンジを得意とするシェフの田坂嘉隆氏が新料理長となり、メニューが様変わりしたハイアット リージェンシー 横浜のスペシャリティレストラン「MILANO | GRILL（ミラノ・グリル）」。イタリアンをベースにフレンチの技術を取り入れた創作イタリアンが人気のレストランです。選べる季節のコース料理にプラスして、今春からは、旬を迎える野菜の魅力をたっぷりと味わえるアラカルトメニューやプリフィックスコースが登場して話題を呼んでいます。

この時期にしか味わえない、フランス・ロワール産のホワイトアスパラガスをはじめとする、その日最も美味しい瞬間を迎えた野菜を農家から直接取り寄せ、最高の状態に仕上げて至福の一皿に。「たとえお肉料理やデザートであっても、食べた後に『美味しい“野菜”を食べた』とお客様の印象に残るような驚きのある体験を提供したい。」と話す田坂シェフお勧め料理を、気軽に楽しめるプリフィックスコースで早速披露してもらいました。

ガス灯や赤レンガなど横浜の街並みを思わせるエントランスを抜けると、アクションステーションと呼ばれるオープンキッチンがお出迎え。こちらでは、躍動感あふれるシェフの様子を間近で見ることができます。フロアの空間は、自然光が差し込むガラス張りの開放的なエリアと、落ち着いたライトが照らす大人の空間エリアがあり、シーンに合わせて異なる雰囲気を楽しめます。

ワインは、ソムリエがイタリアやフランスなどヨーロッパを中心にセレクトしたものが豊富に揃います。ソムリエの話を聞きながらワインリストから好みの一本を選ぶこともできるし、ワゴンで運ばれたワインを目で見て選ぶことも。注目は、グラスでオーダーできる種類が多いこと。リーズナブルなグラスワインから、通常はボトルでしかオーダーできないようなプレミアムな銘柄のワインがバイザグラスでオーダーできるのは、ワイン好きには嬉しいですね。お酒が苦手な方や車で来た方には、ノンアルコールのワインもお勧めしてくれます。

プリフィックスコースの最初に登場したのは、横浜産の人参を使ったエスプーマとコンソメジュレ。ふわっふわで軽い食感のエスプーマは、シェフが目の前のワゴンで仕上げてくれます。「人参の中心にある雑味がない部分だけを低温のオーブンでじっくりとローストし、濃厚な旨味を引き出した後、クリームを加えて軽い食感のエスプーマをつくりました。」というシェフの言葉通り、コンソメのジュレと人参を一緒にすくって味わうと、繊細に引き出された人参の甘さがコンソメと絶妙なハーモニーを奏で、口の中でとろけていきます。

カネロ二というパスタをモチーフにしたサーモンの中に天使のエビを詰めた料理と、レンコン、春ウド、カリフラワーを玉ねぎと白ワインのドレッシングでマリネした季節のお野菜の彩りが見事な、アートのような一皿。ヨーグルトとニンニク＆パセリで作られた緑のソースと、サーモン、エディブルフラワーのコントラストが美しく、心が華やぎます。

「野菜は信頼のある農家から取り寄せた物に加え、地産の物も積極的に使っています。横浜の野菜は、朝採れたてのものを短時間で仕入れているので、箱詰めなどのストレスがない状態で届くため、とても新鮮で美味しいです。」とシェフが語るように、口に運んだ瞬間に感じる野菜のほのかな香りと食感が素晴らしく、野菜ってこんなに美味しいのかと改めて実感。

パッケリというパスタの空洞にオマール海老のムースと赤座海老に香草のパン粉を混ぜて焼いたものを詰め、トマトと雲丹のクリームを添えた逸品。シェフが目の前で、12カ月熟成のロディジャーノチーズを透けるほど薄く削り、たっぷりとかけてくれます。味わいがしっかりとしたチーズなので、薄く削ることで香りも楽しんでくださいとのこと。

わずか1400頭しかいない豚舎の4元豚のロースをグリルしたもの。丁寧に育てられた本当に美味しい豚を直接仕入れており、ナイフを入れただけで分かる上質な肉質と甘みを感じる味わいが絶品です。つけ合わせは、フランス・ロワールのファームから取り寄せた鮮度の良いホワイトアスパラガスのほかに、能登のスナックインゲン、ノーザンルビーポテト、芽キャベツ、横浜のロマネスコなど、もちろん野菜も主役並み。肉を左側にするのが普通の盛り方ですが、野菜を楽しんでもらうためにあえて左側に置いています。野菜で旬を味わってから肉を食べて欲しいという、シェフのこだわりを感じます。

国産のホワイトアスパラガスとホワイトチョコレートを使用したムースにカカオのビスケットを敷いたスイーツと、グリーンアスパラガスで仕立てたアイスクリーム。シェフによると、トマトに糖をプラスして酸味を際立たせているので、トマトとの酸味とスイーツの甘みのコントラストを味わえるデザートなのだそう。さらに、ほんのりとした甘さのミカンをローストしてピューレ状にしたソースをプラスすると、また違った味わいに！　意外な素材の組み合わせで生まれる美味しすぎるデザートは必食です。

「プリフィックスメニューでも自由に好きなものを選んで欲しくて、前菜は8品、メインは9品、デザートは5品とメニューの幅を広げました。その日の気分に合う料理のストーリーをお客様自身で創り、それぞれの感性で美味しいと思えるお気に入りを見つけてください。」と気さくに語る田坂シェフ。そこには、あれこれ考えながら食べるのではなく、難しいこと抜きでシンプルに美味しいと思える食事を楽しんで欲しいという優しさが感じられました。

店内は、ママ友や家族で訪れてもゆったりと寛げる広い空間が保たれており、安心して会話が楽しめます。「お母さまがコースの時、お子さまはパスタやリゾットなどお好きなアラカルトをオーダーいただいて構いません。ぜひ家族で楽しんでください。」とのこと。野菜好きのシェフが創作する季節感あふれる料理を、一流のサービスとオシャレな空間で味わって、身も心も喜ぶ至福のひとときを過ごしてみては？