「私たちのCHALLENGE STORY」を担当しているライターの孫 理奈です。今月号のテーマは「人生のdestinationを変えた旅」。鶴田真由さんと読者さんが、テレビ番組風に言うところの“アナザースカイ”を紹介してくださっています。是非お楽しみください。
因みに私にとっての“アナザースカイ”はカナダのバンクーバーです。初めて訪れたのは2004年。前の年に息子のケインが悪性リンパ腫になり、奇跡的に治療が上手くいった翌年に「これからは家族で思い出を増やそう!」と決めて旅先に選んだのでした。歩く力が弱まっていたケインが「ここは歩く」と言ったキャピラノ吊橋。ここでは自然の力に背中を押されたのか、本当に力強く一歩一歩トコトコと歩いていた姿が忘れられません。あれからケインが亡くなり、また訪れた2年前に同じ場所で家族写真を撮りました。「ここにはケインがいるよね」とまた思える場所。元気に歩いているケインがまた見えた気がしました。
その後、息子達が選んだ留学先もバンクーバーでした。次男が選んだ理由は「人に優しい街だから」。2004年にケインと共に訪れたとき、「日本ではケインのことをみんなジロジロ見るけど、この国はそういう人がいないね」と言った次男。障がいのある弟を見る目が日本とは違うということに、幼いながら気づいていました。多民族都市のバンクーバーだから、「いろんな人がいてみんな違って当たり前」が当たり前の価値観になっているのかもしれません。旅はいろんなことを教えてくれますよね。あなたの心に残る旅はどこですか?