◯ 教えてくれたのは...教育ジャーナリスト 加藤紀子さん
’73年京都市生まれ。’96年東京大学経済学部 卒業。中学受験、海外大学進学、国際バカロレア等、教育分野を中心に様々なメディアで積極的な取材、執筆を続けている。一男一女の母。
子どもの好きなことを
邪魔しないことが重要です
邪魔しないことが重要です
昨今、日本の教育へ不安感を抱き、早くからインターや海外留学を検討する家庭が増えているようです。しかし日本の教育は基礎学力を身につけるには世界的に見ても優れているので、あまり心配しすぎず、学校での勉強をしっかりサポートしてあげてください。
気をつけたいのは、絶対に他の子と比べないこと。他の子と比べて 親が一喜一憂すると、子どもは失敗を恐れるようになってしまいます。テストの点などの「結果」ではなく、頑張った「過程」をほめてあげたいですね。
そのうえで、親は子どもが熱中していることを邪魔しないこと。子ども自身が塾や習い事で忙しすぎると自分の好きなことに気づけなくなるので、ゆったりとした予定を組み、自由な時間に子どもが何に熱中しているのか親がよく観察することが大切です。そしてその理由を深掘りしてみてください。
「ゲームが好き」と言っても、好きなのはキャラクター、グラフィックス、ストーリーなど人それぞれ。子どもの好きなものから、興味関心をわらしべ長者的に広げていくといいでしょう。「ゲームのストーリーが好き」という子に歴史の漫画や神話の本を買ってあげたら、そちらに夢中になるケースも。
私はこれからの子どもたちに必要なのは主体性だと思っています。親子の「対話」を通して子どもの話をじっくり聞き、互いの意見を認め合いつつ「あなたはどう思う?」と問いかけながら、自分で 考え、決められる力を育んでいきたいですね。
◯ 中学受験をテーマにした小説、マンガがベストセラーになりドラマ化される作品もあるほど
around思春期世代とその親だけでなく、日本中が〝中受〟に熱い視線を注いでいるといっても過言ではありません。
撮影/草間智博〈TENT〉(静物) 取材/片岡かこ ※情報は2022年5月号掲載時のものです。