――Season1の終盤で描かれている、娘への愛ゆえに一人で突っ走る小比類巻も印象的でした。
脚本を読んで、仕事の時は常にピシッとした人であるというイメージが明確であるほど、娘を守るために暴走していく姿はドラマチックに映るだろうなとは感じていました。撮影時は、Season1と2を同時進行で撮っていたので、自分としては、あまり区切りを意識することなく演じているところがあったのですが、放送を見た時は、一視聴者としてアドレナリンが出る感じがありましたね。Season1の8話あたりから10話にかけて、物語が加速しながらスリリングに展開していくところといい、スケール感あるアクションシーンといい、まさに一つのSeasonの区切りにふさわしいなと。改めて、羽住さん(監督の羽住英一郎)の現場に関わらせてもらって幸せだなと思いました。
――撮影では、特にどんなことが印象に残っていますか?
やっぱり、大規模なアクションシーンですね。とても広い空間で、重機や火、ワイヤーを使って撮ったんですが、アクションの手数も普通のドラマの制作能力では捌ききれない分量でした。それをテキパキと撮っていく羽住組の底力というのがすごくて、こういうたとえが適切かどうかはわからないんですが、秀逸な軍事作戦を見ているようでした。指揮官の羽住さんもすごいけど、それを支えている武将(各パートのスタッフ)の皆さんもすごい。しかも、羽住さくんはずっとニコニコしている感じで、現場に嫌な雰囲気はまったくない。その上、映像のクオリティも高いんです。すごく勉強になりました。
――アクションといえば、Season2から小比類巻の部下として、あらゆる格闘技に精通している新人捜査官・奥田玲音が加わりました。スマホを使いこなして情報を得るなど、今どきの若者らしいところも新鮮です。
科学犯罪対策室に新たな一面が加わった感がありますね。新しいキャラクターが入ったことで、Season1で出来上がったものに違う角度の視点が生まれるというのは、いいことだと思います。オーディエンスの方にも、こういう見方もあるんだ、こういう捉え方もあるんだなというように、また違った登場人物の目線を提供できますし。
――奥田玲音役の吉本実憂さんが加わったことで、現場の雰囲気にも変化はあったのでしょうか?
前室の空気は、ちょっと変わりましたね。実憂ちゃんがめちゃくちゃ前のめりに色んなアクションを練習しているので、僕も前室にトレーニング道具を持ち込むようになって(笑)。時間がある時は、一緒にボクシングのミット打ちをしたりしていました。彼女は向上心があるだけじゃなく、勘もいいんです。僕も教えるのは嫌いじゃないので、人体の構造から話して技を教えると、すぐできるようになる。僕の武器のコレクションを持っていくと喜ぶので、一度、中国刀を持っていったら、「私の!」って言われました(笑)。何言ってるの? って思ったんですけど、結局、記念に刀を1本プレゼントしました(笑)。