我が子を少しでも良い方向に導きたいと思うのはどの親も同じ。だけど、時としてその思いが一方通行になることも。子育てに悩めるママのお話を通して、PPT活用した子どもに合った関わり方をご紹介します。
★ 娘の反抗期に悩んでいた時、PPFに出合いました
★ 長女も次女も受験。 特に反抗的な長女との距離感に苦戦中
★ 反抗期が始まった長男に、くそばばぁと言われショック!
PPF(パーソナルプロファイリング)って?
<まずはPPTを調べよう!>→生年月日を入力して、軸を判定!
生年月日から割り出された統計学をもとに約3万人を分析。生まれ持つ個性や考え方を具体的に理解し、自己成長を促すメソッドです。
◯ 教えてくれたのは...一般社団法人 PPF協会 代表理事 今村園子先生
娘の反抗期に悩んでいた時、PPFに出合いました
(長男 23歳)…相手軸
(長女 20歳)…相手軸
今村先生(以下、敬称略)
初めて出会った頃、娘さんの反抗期に悩みを抱えていましたね。
鍋嶋
だいぶ育ってしまっていたので(笑)、親子の信頼関係を取り戻すまでに少々時間はかかりましたが、最近は仲良しです。
今村
鍋嶋さん親子は、お兄ちゃんも含め全員〝相手軸〟。3人とも大切な人が喜んでくれることがモチベーションなので、分かり合いやすいと思うのですが、娘さんの反抗期が悪化した原因は何だと思いましたか?
鍋嶋
自分自身が相手軸と知った時は心から納得。家族の喜ぶ顔を見るために仕事も家事も頑張ってきていたので。子育てにおいてもできる限り寄り添っていたつもりでしたが、娘が中3の終わり頃から、毎日予定を入れて深夜まで帰宅しない日々が続きました。周囲の友人に相談したら〝甘やかしすぎ〟と注意されたこともありましたが、叱りつけると更に悪化。負のスパイラルに陥って途方に暮れていた時、偶然出合ったのがPPFでした。
それぞれの性質を理解した上で今までを振り返ってみると、娘の場合、私が仕事で忙しくなったことで〝ママの主役〟に一度もなれていなかったことが原因のように感じました。娘が幼稚園に入園してすぐにライターを始め、我が家の生活サイクルは一変。幼な心に〝お兄ちゃんの次は私が主役!〟と思っていた矢先、私自身が仕事が楽しくなり、子育ては二の次。そんな状況で娘を裏切ってしまっていたんだなと。
今村
相手軸の子どもは愛情いっぱいに育てられることが基盤なのに、鍋嶋さんには 〝楽しいことが大好き〟な性質があるので、お仕事が楽しくて没頭してしまったのですね。
鍋嶋
娘との長年の溝を埋めるため、〝本当は私とやりたかったのかな?〟と思うことを少しずつ実行しました。スイーツを一緒に作ったり、母娘だけで旅行に行ったり。その機会が増えるごとに私の言葉を受け入れてくれるようになりました。家で過ごす時間が増えただけでも大きな変化。〝娘って私のことが大好きなのね〟って、自信も持てました(笑)。PPFのおかげで、気付けなかったことに気付けたと思います。娘とは、今では友達のように会話が弾んでいます。
前置きをダラダラ話さず結論から話すこと。感情より明確な数値や期日を具体的に。
【相手軸】の子には…
一緒に喜びを分かち合い、伴走してあげることが大切です。一緒にいる時間を大切に。
【社会軸】の子には…
根掘り葉掘り聞かず、細かいことより大局的な話を。感覚で気分が変わることに理解を。
長女も次女も受験。 特に反抗的な長女との距離感に苦戦中
(長女14歳)…自分軸
(次女11歳)…相手軸
松本さん(以下、敬称略)
中2と小5の姉妹はともに高校・中学の受験生。志望校が決まっている次女の傍ら、志望校が決まっていない長女とは喧嘩ばかりで、コントロール不能な状況。解決の糸口が見つからず悩んでいます。
今村先生(以下、敬称略)
どういう理由で喧嘩になるんですか?
松本
受験と真剣に向き合っていない長女に焦りを感じ、つい自分の気持ちをぶつけてしまうんです。
今村
社会軸のママは想像や妄想が豊かな一方、自分軸のお姉ちゃんはやったことがないことを想像しにくいタイプ。なので、ママがキラキラした将来を話しても〝またきたよ〟って聞かなくなるんです。
お姉ちゃんの場合、目標設定が自分なりにできた時に初めて動き出すので、まずは明確な志望校を見つけることから始めればよいと思います。〝どの学校に行きたいか? その理由は?〟〝やる気がない子にはお金は使えない〟とキッパリ放り投げると〝ママ、本気だな〟と感じてスイッチが入るはず。
一方で、相手軸の妹さんには沢山ベタベタしてあげて。ママが話すのではなく彼女の話をしっかり聞いて、傾聴、共感、認めてあげることが大切です。愛情を実感できることで、自信を持って自分の良さを発揮できるお子さんに成長すると思います。
松本
自分でも妄想癖があると薄々気付いていましたが、娘たちはついてこれていなかったんですね(笑)。長女は任せたほうが伸びるってはっきり実感できました!
大きすぎる曖昧な話はせず、結果や具体的に改善した部分を評価してあげましょう。
【相手軸】の子には…
雰囲気ではなく言葉でしっかり伝えて、落ち込んでいる時は放置せず向き合いましょう。
【社会軸】の子には…
テレパシー並みに理解し合えるので、いいイメージを共有し合うことが大事です。
反抗期が始まった長男に、くそばばぁと言われショック!
(長男10歳)…相手軸
(次男7歳)…自分軸
塚田さん(以下、敬称略)
体の成長も早い長男は、同学年の中でもひと足早く小5で反抗期が始まりました。もともと甘えん坊だった息子が私の話を聞かなくなり、いよいよ〝くそばばぁ!〟も経験して、この先どう乗り越えたらいいのか先が見えません。
今村先生(以下、敬称略)
自分軸のママって減点法なんです。ダメなところが先に目に入って、いいところが見えにくい。身内であればあるほど、ここまでできたら次、それができたら次と、どんどん欲が出てくる性分。それに対して相手軸のお兄ちゃんは、周りから愛されていると実感を得て初めて自信を持てる性質なので、厳しくすることは彼の成長になりません。
むしろ、体は大きくてもスキンシップをマメに取り、愛されている実感を与えてあげることが優先。愛されることで愛し方を覚える性分なのです。強くならなきゃならない必要性を理解できていないと思いますよ。
塚田
わかります! 長男という理由で、私も夫も次男より厳しく育てていました。
今村
自分軸が躍起になればなるほど、相手軸にはますます響かなくなるもの。実際は他の軸よりママが大好きなので、たまには頼ってみると彼のエネルギーが育ちます。〝ママを守らなきゃ!〟って。
一方、自分軸の弟さんは損得を重んじる性分で、幼いうちはつい先に手が出てしまいがち。言葉で表現することが効果的だと教えてあげてください。お兄ちゃんは優しさを、弟さんは語彙力を育ててあげることで、それぞれの良さを発揮しながら成長できると思います。
自己成長と達成することが互いのモチベーション。本人の目標を共有できれば潤滑です。
【相手軸】の子には…
結果を急がずじっくり話し合って。親子間でもありがとう、ごめんねを言葉で表現すること。
【社会軸】の子には…
叱られても伸びません。次から次へと課題を与えることはせずに、しっかり褒めること。
撮影/吉澤健太 取材/鍋嶋まどか ※情報は2022年8月号掲載時のものです。