――日本語上演台本と演出を手掛ける河原雅彦さんと舞台でタッグを組むのは、真心一座 身も心も『流れ姉妹 たつことかつこ~獣たちの夜~』(2009年)、『八犬伝』(2013年)、残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』(2015年)に続いて、7年ぶり4作品目になりますね。
『ライチ~』の後、会うたびに「次、何やるー?」とラフに話していたんですけど、いつの間にか 7 年も経っていたとは、びっくりです。でも、同じ方向を目指して作品づくりをしているなという感覚は、稽古初日からありました。面白がっているところも同じなんですよね。同じところを斜めから見て笑っているというか(笑)。
――河原さんが、7年ぶりにタッグを組む作品としてこの作品を選んだことについては、どう感じましたか?
意外でしたね。河原さんが真面目なミュージカルをやりたいと思っていたことも、この作品をやるということも。そして、その新しいチャレンジに僕を指名してくれたことが、すごく嬉しかったです。河原さんと最初にご一緒したのは『ハリ系』(2007年)っていうテレビドラマなんですけど、僕のことを面白がって、真心一座に呼んでくれて。それを観た演劇界のいろんな人が声をかけてくれるようになって、その舞台を観た人たちがまた面白がってくれて……っていうふうに道を拓いてくれた方なので、河原さんに新しいことを一緒にやろうぜって言われたら、それがめちゃくちゃ歌うベートーベンの役で、相当しんどそうだなと思っても、やるっきゃないですよ(笑)。
――韓国のオリジナル版の映像をご覧になって、ご自身が惹かれたのはどういうところでしょう?
記録用の映像を、粗訳した台本と一緒に観たんですけど、単純にミュージカルとして、いい音楽が多いなと思ったのと、あとはやっぱり、ベートーベンの“生ききっている”ところですかね。「面白いんじゃないかな、これ」という予感があって。世間の人のイメージにはないと思うんですけど、僕は舞台ではエネルギー放出型の俳優になるので、観ていて惹きつけられるものがありました。