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Lifestyle大特集「更年期」10

ホルモン補充治療、実際のところどうでした?【STORYライター経験談】<前編>

更年期にいいと聞くホルモン補充療法とは、実際どうなのか?今回STORYライターチームから3人の経験者が集合。本音しか出てこないリアルすぎるほどリアルな更年期とホルモン補充療法のお話、まずは前編です。前編では、主に実際に私たちがホルモン補充治療に辿り着いた経緯をお話します。

<ライター紹介>

左:内山靖子
JJから始めてCLASSY,VERY,STORYと根っからの光文社育ちのライター。46歳から62歳の現在までホルモン補充療法を継続。

中央:北野法子
STORYライター歴8年。今年8月にホルモン補充療法(HRT)デビュー。50歳にしてもう一度内側からの女性ホルモンの高まりを感じているそう。

右:柏崎恵理
52歳から3年間、低用量ピルとエストロゲンを補うジェルを使用し、症状改善によって終了。実はそこに落とし穴が!

【INDEX】 ★ ほてり、動悸、不定愁訴、手指のこわばり、倦怠感、不安感。 STORYライターが赤裸々に語る「私も更年期不調のデパートです」
★ 女性ホルモン値が測定不能だったことに「女性として終了?」ショックを受けて
★ エストロゲンを補わないと判断力・決断力が鈍る!?

ほてり、動悸、不定愁訴、手指のこわばり、倦怠感、不安感。 STORYライターが赤裸々に語る「私も更年期不調のデパートです」

柏崎 北野さんはこの8月にホルモン補充療法デビューしたんですって?

北野 そうなんです。ほやほやの新人です!

柏崎 一方、内山さんは?

内山 ホルモン補充療法歴16年のベテランです(笑)。

北野 先輩!!

柏崎 私は3年やって、更年期症状が改善して引退してしまった中途ハンパ勢。

内山 辞めちゃったの?もったいない。

柏崎 そうなんです。今内山さんがどうして「もったいない」と発言されたかも含めて今日はホルモン補充療法のリアルについて深掘りしていきます!まず北野さんがやり始めたキッカケは?

北野 実は7月くらいにSTORY編集部で柏崎さんを含めた先輩のライターさん達がホルモン補充療法の話をしてて。

柏崎 覚えてる!北野さんは婦人科のドクターに「ホルモンの数値も測ってくれないし『全然症状も軽いから補充療法なんていらないよ』って言われてしまって…」「私はちょっとほてりも感じるし、やる気満々なのにどうしたらいいんでしょうか?」って嘆いてたよね。

北野 そうなんです。私は47~48歳くらいからモヤモヤしたり、ホットフラッシュとは言えないかもしれないけど、ちょっと暑いなという感じが日に2~3回あったりしてたんです。生理も半年来なくなっていたので、時々お世話になっている近所の女医さんに相談したら、とある有名な更年期外来を紹介されたんです。

内山 更年期外来、最近増えてるもんね。

北野 でも、そのクリニックはドクターが年配の男性で、ホルモン補充療法してみたいって言ったら怒られて、けんもほろろに拒否されて。

内山 えっ?ドクターから怒られたの?

北野 有名なクリニックだから大御所なのかな(笑)なんだか結構な圧でドクターが言うには「ホルモン補充療法は本当に必要な人しかしちゃダメ。例えば仕事をしてたら汗がポタポタ垂れてきてメモがにじむとか、椅子に水たまりができるほど汗をかくとか、本当に夜一睡も寝れないとか日常生活に支障がある人がやるもんだから」って言って検査すらしてくれないんです。

内山 メモがにじむって・・・その状態は更年期症状じゃなくて更年期障害のレベルだよね。

柏崎 「あなたはしなくていいレベル」と言われて「私はまだそこまでの治療は必要ないレベルなんだ」と喜ぶ人もいるかもしれないけど、北野さんは症状も感じているし、前向きに治療したいって言っているのにね。

北野 でも、「治療するかどうかは僕が決める」と言われました(笑)。私は椅子に水たまりもできないし気軽にやっちゃいけないのかなあ、って思ってシュンとなってしまいました。

柏崎 そんなのドクター、じゃなくて“毒ター”じゃない?

北野 あはは!柏崎さん、お口が!

柏崎 だって患者の不安を解消できないなんてどういうこと(怒)! 

内山 でも、男性のドクター、それも有名な人って割とそういう方いらっしゃるよね。

北野 で、凹んでいたところにライターの皆さんから「ホルモン補充療法ってできる時期が限られているし、抵抗ないならやってみたら」「がんリスクだって生活習慣からくるリスクと変わらないんだよ」「肌もきれいになるし若々しくなるし元気になるよ」って話してて私は「やっぱり、すぐにやりたい!」となって。

柏崎 美に貪欲!さすがSTORYライター!

北野 っていうか、ライターの皆さんは婦人科の先生に取材してオススメしてくれてるから信用できるし、それに内側、それも臓器や血管に女性ホルモン補ってキレイになれるなんて皮膚科やエステよりダイレクトじゃないですか。

内山 たしかにね(笑)

北野 それで思い切って女医さんがいるクリニックに変えてみたんです。

柏崎 どうでした?

北野 その女医の先生は「大変だったわね。不安でしょ?でも大丈夫」って言って、すぐにホルモン検査して女性ホルモン値を測ってくださって。ホッとしました。

柏崎 私も52歳のときから3年間、通ってた女医の先生がいるのですが、先生のお顔見るだけで安心して涙が出そうになった(笑)。

女性ホルモン値が測定不能だったことに「女性として終了?」ショックを受けて

内山 ホルモン値はどうでした?

北野 そしたらなんと、エストラジオール値が測定不能の10.0pg/ml以下。

内山 うわ、性成熟期の20代~30代まで、排卵数日前には30~300pg/mlあるエストラジオール値が!

柏崎 私は54歳の時に測定したら108.6pg/miだったけど?

北野 うっ、マ、マウント取られた・・・(笑)

柏崎 でもね、だから油断してしまったの。数値はまだ高かったけど、不調があると言ったら低容量ピルのマーベロン出してくださってそれで一気に改善したから。今思うと「私はまだ本格的な更年期じゃないから大丈夫」といい気になってた。

北野 そして、更年期症状の目安となる、ホルモンの乱高下、自律神経の乱れを表わすFSH値が94.8 とすごく高くて。

内山 FSH値は、高ければ高いほど、脳の視床下部がパニクっているということで、若いときは15以下なんだよね。閉経後には157.8以下くらいまで上がるって聞いたな。

北野 数値を見て先生は「補充療法を始めるのにちょうどいい時に来たわね。ベストタイミング」って言ってくださって、もううるっときて(笑)。

内山 わかる!

北野 先生は、いろいろな方法をお話ししてくださったんです。ジェルと飲み薬と貼り薬があって、ジェルか貼り薬の方が吸収率は高い。好きなのを選んでいいよって言われて。

内山 パッチで貼るとかゆくなる人がいるんですよね。私も一時期かゆくなって痒み止めの薬を一緒にもらってたこともある。結局ジェルがいちばん良い気がする。

北野 お風呂上がりにボディーケアするときに一緒にやればいいですもんね。習慣付けできるから忘れません。

ライター私物の○○診断書と、ジェルタイプのホルモン補充

柏崎 うわあ、今はこんな風に個包装になっているんですね。私の時は資生堂の「エストロジェル」というボトル形状でした。

内山 私も初期の頃はそう。だから旅行に行く時はボトルごと持って行かなくちゃいけなくて不便でした。

柏崎 内山さんはいつからホルモン補充療法をされてるんですか?

内山 私は長いですよ。46歳になるころ、娘がまだ中学生の時に足の手術をして結構長い入院になったんですね。退院してからもう10ヵ月ぐらい足に器具をつけていたので学校の送り迎えをしたり、結構精神的に負荷がかかってしまって。

柏崎 子供のケガや病気はママのメンタル的にも大変ですよね。

内山 パソコン使おうと思ってマウスを握ると手にビリビリビリで痺れが来たり、慣れない車の運転時に動悸がしたり、1回家に帰ると夕方まで起き上がれなかったり。

柏崎 わかります。私も動悸や倦怠感で起き上がれなかったことあります。

内山 親しい友達から電話がかかってきても出たくなくて居留守を使ったりして。これはおかしいぞと思って近所のクリニックに駆け込んだんです。「先生助けて」と訴えたら「それは更年期で自律神経やられたね」と言われて。自分で原稿に数え切れないくらい更年期の症状を書いていたのに、自分がなるまでわからなかったことにびっくり。

柏崎 内山さんは私が担当する「更年期のクスリ」の前担当ライターでしたもんね。

内山 そうなんです。インタビューして原稿に書いていても、いざ自分の身に起こるとピンと来ないもんなんですね。初めて「あ、こういうことか」と腑に落ちました。何をしていても不安で不安でしょうがないの。

柏崎 わかります、

内山 私はそれで最初、漢方薬・加味逍遙散を処方してもらったんです。1ヵ月後にマイナーチェンジで加味帰脾湯に変えて、自律神経は漢方でだいぶ良くなったんですよ。でもだんだん体のほうもしんどくなってきちゃって、原稿の締め切りが続くと背中がバリバリになって墓石を背負ったみたいに重くて。

北野 墓石!背負ったことないけど何か分かります(笑)

内山 その時はプラセンタ注射で乗り切りましたね。

柏崎 婦人科の先生がおっしゃるには「プラセンタ注射はアミノ酸であってエストロゲンとは関係ない」ということですけど(笑)、元気は出ますよね。私も今1度に4本で2000円くらいのところを友達に教えてもらって今も2週間に打ってパワーチャージしてます。

内山 2000円‼その当時はプラセンタ注射も高くて1本4000円もしたのに、価格破壊がすごいですよね。

北野 私、プラセンタ注射もやってみよう(笑)。

内山 それでそのうちに仕事がものすごく忙しくなって同時に何本も締め切りを抱えてたりして、だんだん訳が分からなくなってきて「先生だめです。私これじゃ仕事ができませんからホルモン補充療法にしてください。ジェルにしてください」って訴えたんです。

柏崎 それが50歳くらいでしょうか。

内山 そうですね。そして今はパッチと漢方を併用しています。

北野 内山さんはホントに全てを網羅してますね。

内山 でももし私がゆっくりマイペースで日々暮らせるんだったら必要なかったかもしれないなとは思う。ライターってすごく時間に追われて自分が現場を回さなきゃいけないじゃない?エストロゲンが急激に減ると判断能力が衰えるらしいんですよ。

北野・柏崎 え?そうなの?

エストロゲンを補わないと判断力・決断力が鈍る!?

内山 そうなの。私はルリ子女性ライフクリニック 銀座の対馬先生のところに何度か更年期の取材に行かせてもらったんですけど、、弁護士さん、医者、政治家、会社の社長の方たちはこぞってホルモン補充療法を積極的に取り入れているらしいです。

柏崎 判断力と決断力をキープするためにですね。

内山 でも私が始めた頃は、5年以上連続してやっているとがんになるリスクが高いって言われてたんですが、それこそ定期的に乳がん検診、子宮がん検診が義務付けられているからむしろ、がんリスクの回避にはなった気がしますね。

柏崎 それにもう5年説は消えたらしいですしね。

内山 みたいですね。研究が進んで医学もどんどん進歩して、数年前に信じられていたことがひっくり返されたりしますもんね。

北野 柏崎さんは、どんな更年期だったんですか?

柏崎 51歳くらいのときかなあ。いきなり動悸が始まって「私死ぬのかな」と震え上がりました。

北野 動悸、こわっ!

柏崎 いくつも内科行って心電図とかエコーとかで調べてもらっても異状はないし、でも急に大きめのドキドキが襲いかかってきて「もはや、これまで・・・」「辞世の句でも書こうかな」みたいな。

北野 動悸はメンタルにもきそうですね。

柏崎 あとはやる気レスがひどくて。

北野 え~~?柏崎さんにそれはありえない。

柏崎 いやいや。朝起きて、家族のお弁当や朝食作って、仕事が午後からだったら午前中はベッドに倒れ込んだまま、とかね。ちょうど3番目の息子の中学受験が終わって、これで10年以上続いた中学受験バトルロワイヤルから解放される、とホッとしたのかもしれない。

内山 そういうこと、ある。

柏崎 更年期の取材した方の中には「息子のお弁当を作らなくてよくなった瞬間から空の巣症候群と更年期が一気に来た」という人もいたから。

北野 分かるなあ。ちょうど子育てが一段落する時期と更年期って重なるんですよね。

柏崎 あとイヤだったのは、夜中に背中に汗をかくんだけど、それが豆の匂いで。

内山 豆?

柏崎 そう、ゆでた枝豆みたいな匂いで、それがショックというか、気味が悪くて。あとは言いようのない不安、どんどんネガな方向に考えてしまって、今まで割と陽キャできていた自分が、どんどん自分じゃなくなるような恐怖もありました。

北野 またまた~、柏崎さんが・・・ウソでしょ?

柏崎 そんなこともあったのよ(笑)。自分でもビックリしたわよ。ちなみに、ママ友で更年期障害になるほど症状がひどかった専業主婦の人は鬱になって家から出られなくなったの。だから私は仕事をしている人より専業主婦の方が辛いんじゃないかなと思うんです。

北野 そうかも。

柏崎 私は内山さんとはちょっとケースは違うかもしれないけど、自分が専業主婦だったらもっと重かったと思うんですよ。仕事で紛れるから、どうしても行かなきゃいけない、やらなきゃいけないことがあるから、低容量ピルとジェルで対応できたけど、ライターの仕事をしてなかったら更年期不調で廃人になってたと思う。

北野 私もそうかも。ホントにやってみてよかった。

内山 みんな、もっと活用してもらいたいですよね。だってホルモン補充療法って健康保険内でまかなえるでしょ? 

北野 そうですよね。クリニックによっては初診料はちょっとお高いところもあるみたいだけど、月々かかる経費は2000~3000円じゃないでしょうか。

内山 ですよね。がんリスクも生活習慣病と同じくらいのパーセンテージしかないし、リーズナブルに40〜50代の生活を支えてくれるものならトライしてみる価値は絶対あると思います。

▼後編では「“隠れ更年期症”に気づいた」や、「信頼できるMY婦人科はこうして見つける」などでお送りします。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
<後編>ホルモン補充治療、実際のところどうでした?【STORYライター経験談】

※こちらの経験談は各ライターの個人的な感想ですので、医学的な根拠につきましてはご自身でもお確かめください。

撮影/沼尾翔平(MOUSTACHE) 取材・文/柏崎恵理

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