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――圭さんが年に1本のペースで舞台をやっていらっしゃるのは、やはり贅沢な時間を過ごせるからですか?
いや、それは少し違います。年に1本は舞台をやらなきゃダメだなと思っていて。舞台をやらなくても、お芝居がどんどん上手くなったり、成長していけるのであれば、全然やらなくていいのですが、やっぱり舞台をやっていないと無理だと思っているから、年に1本はやっている感じです。
――ということは、舞台公演の後には成長を感じられますか?
いえ、成長を感じたことはないです。それは舞台に限らず、どの作品でもそうなのですが、その時できたと思っても、すぐまたできなくなる時もあるし、逆に「なんであの時だけ、あんなことができたのだろう」という時もあるし……。それって、すごく難しくて、そもそも、お芝居は正解なんてない世界なので、自分で自分の芝居に点をつけたところで、あまり意味がないと僕は思っているんです。基本的には、好きか嫌いかだと思っていて。なので、あまり自分の出来とか成長は気にしていないんです。
――なるほど。
もちろん、いつも「負けたくない」とは思っています。でも、そこにあるのは、ただただ「お芝居が上手くなりたいな」という思いだけで、そこに対して「上手くなったな」と思ったことはないし、かといって、「上手くない」と思ったこともない。「下手だ」と思っているけど、当然「そんなことはないだろう」とも思っていて、自信もあれば、不安もある感じです。そんな中で舞台をやっているのは、初舞台を踏んだ時から、年に1本の割合で舞台をやって、自分の初心とかお芝居と向き合う時間を作ってきたからです。そこから、年に1本舞台やりましょうと決めて、それがずっと続いている感じです。
――そうでしたか。現在38歳の圭さん。40代をどんなふうに過ごしたいですか?
40代か……悠々自適に過ごしたいです。そういう意味では今、色々と迷っている時期かもしれないです。お芝居は好きですが、もっと何か違う視点から物事を進めてもいいのかなと思ったりもしていて。