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「選んだ道が一番いい道」心を整えたい年末年始に読む、伝説のCAの言葉

ANA初・65歳定年まで飛び続けたCA界のレジェンド・大宅邦子さんの著書「選んだ道が、一番いい道」。大宅さんの人生観から生まれる名言が、有職者、専業主婦、既婚・未婚、世代も問わず、あらゆる女性の心を癒すと長く話題になっています。45年というフライトの長さだけでなく、8000人もの後輩から慕われたお人柄まで含め「伝説のCA」と言われる大宅さんの講演会から、人生のモヤモヤが晴れる、温かい言葉をお届けします。

心に響く、大宅さんの言葉 「選んだ道が一番いい道」
「 靴をはき替える変化もいい、同じ靴を履き続ける変化もいい」
「心の距離は、スモールトークで縮める」
「相手を緊張させない、それが年長者のたしなみ」
「やらされるより、やりたいことをする人生を」
「小さな目標も、大きな目標もマインドマップで可視化する」

「選んだ道が一番いい道」

結婚、離婚、転職… 今の人生の選択が正しかったか自信がなくなることがあります。大宅さんは45年間のCA生活、迷いなしでしたか?

「日々の暮らしや仕事でも選択肢は常にあり、自分が選ばなかった方のことを考え悔やんでいるとしたら、選ばなかった道は忘れなさい。後ろを向いたままで、上手に歩ける人はいませんよ。と声をかけてあげたいです。選んだ道が一番いい道です。そう思うことが後悔なく迷わず生きていく秘訣なのかもしれませんね。

CAは今では65歳が定年ですが、20代の頃は定年が30歳でしたから、私も看護師の母や教師の姉のように一生続けられる職業への転職を考えたことはありました。でも、結局は続ける道を選びました。

人生は順風満帆ともいかないし、何が正解かはわかりませんが「あの時、教師になっていたら…」という“もしも” を考えても意味がありません。歩んでいる道が自分が選んだ道というのが紛れもない現実なのです。」

「 靴をはき替える変化もいい、同じ靴を履き続ける変化もいい」

ー時代や環境のせいか、「もっと何かしなくちゃ」「変わらなきゃ」と焦りがあります。

「変化のある人生の方が幸せになるという考えもありますが、大きく舵を切ることだけが変化ではなく、続けることで見えてくる変化もあります。

靴をはき替える変化もいい、同じ靴をは続ける変化もいい。履き続けることで自分の足になじんでいくのを感じるという変化も素敵だと私は思っています。

私も入社した頃は2~3年のつもりで長く続けようと意気込んでいたわけではないのです。何でもそうですが、根詰めたり、無理すると息切れしてしまいますよね。

いつも通りの日常をスケジュール通りにこなし、それをくり返す。毎日という点を、ていねいに重ねるとその点が線となります。「一日、ひと月、一年」をないがしろにしない。

特別なことをするのではなく、半径1メートル範囲でいいから目の前のやるべきことを整える。その積み重ねで自分だけの線ができるのではないでしょうか。」

講演会には後輩CAをはじめ多くの女性が集まりました。

「心の距離は、スモールトークで縮める」

ー上司やママ友… 緊張する相手とコミュニケーションを上手にとるためのコツはありますか?

「ファーストクラスのお客様への接し方を後輩に聞かれることも多いのですが、機内での時間を快適に心地よく過ごしていただくためにすべきことは、どのクラスでも同じ。

例えば大企業の社長さんだからといって「いい話をしなきゃ」と気負う必要はありません。会社の経営などの難しい話をしたいわけではないですから。

構えると言葉は出なくなります天気の話や世間話でもいい。スモールトークから始めることをおすすめします。「こんな話はダメかな?」と考えずに思ったことを口に出してみると、思いがけず話が広がったりもします。

スモールトークのひとつでもありますが、私はその方をよく観察して「すてき」を見つけて言葉にするようにしています

これは接客時に限らず、同僚、家族、身の回りの人にためらわずにすてきだと思うことを伝えています。相手も自分に興味をもってくれたということが嬉しいし、そうすることで空気が和み、コミュニケーションが良好になるのです。」

「相手を緊張させない、それが年長者のたしなみ」

ー後輩とのコミュニケーションを円滑にするために、心がけてきたことは何ですか?

相手を緊張させないことが年長者のたしなみ。どんなに年を重ねても、人に気を遣わせない人でいたいと思っています。

先輩だからって偉そうにするなんて、失礼ですよね。誰かに偉ぶりたくなるなら、まだ半人前の証拠です。

新人CAのOJTはとても緊張するフライトなのですが、私がその訓練生に「きれいな黒髪ね」と声を掛けたらことで緊張がほぐれたことを今でも覚えてくれている後輩がいます。時には冗談を言ってみたり相手を緊張させない工夫が年長者の気遣いではないでしょうか。威圧感を与えてしまったら、誰でもいい仕事はできませんよね。

そして、年齢に関係なく年下であっても自分の知らないことを教えてくれて刺激をもらえる方は私にとって「新しい風」。ある程度年齢を重ねてからできる友人は、年齢ではなく「人」として価値観が合うかをみるようになります。

どちらが年上かというのは些末なことだと思いませんか? 自分はまだ“完成品”ではない。そう思えば素直になれます。

「やらされるより、やりたいことをする人生を」

ー気づけば退職後の人生を考え始める年齢に。有意義に楽しむコツは?

「私はまず、日本全国を旅することを目標にしました。特にたくさんある島々(徳之島、甑島、壱岐、対馬、沖ノ島、五島列島)の島巡りをしたい。

そのために5年続けた書道を辞めました。偉大で厳しい先生の元で習い、フライト先にも小筆とインク瓶を持参し練習していました。今年の11月に作品展が予定され、担当にも組み込まれていましたが、行きたいところに旅をし、講演、ボランティア活動など、やりたいことがある今、自分にとって、どちらを優先したいかを考えた時に書道を辞めることにしました。

同時に色々とできるタイプの方もいますが、私はどっちつかずで不完全燃焼になることを避けたかったので優先順位を考えた上の決断です。人はやらされるより、やりたい生き物です。やりたいことはやってみる。それが私の人生の楽しみ方です。」

「小さな目標も、大きな目標もマインドマップで可視化する」

大宅さんが講演にあたり書かれたマインドマップ

ー新しいことを始めたくても、考えすぎて始める前から息詰まってしまいます。

「日々忙しく、うまくまわらないと悩む方こそ、マインドマップを作って、自分がやりたいこと、興味があることなどを整理し見える化することで、モヤモヤを解消し、前に進むことができるかもしれません。マインドマップは「整える」ためにとても有効です。

フライト時はマインドマップを作り、その中心に“素敵なフライトに”と書いて、年間目標、月間目標、緊急関係、サービス目標などを書いて、各クラスのパーサーに渡し、ギャレーに貼っていました。そうすることで、できていること、できていないことがビジュアルとしてわかり、CA同士で確認もできます。結果的にひとつのフライトで個々のクルーがどう行動すべきかが見えてくるので、フライトもまとまり、目標達成にもつながりやすいのです。

マインドマップはフライトに限らず、自分の一日の目標でも、ここ10年の目標でもいいんです。中心は自分の光り輝く笑顔とか理想とする姿や達成したい目標を書き、そうなるためには何をしたらいいかを具体的に放射状に書いていくことで、一歩一歩近づいていけるのです。また、考えを整理してマップ化するうちに、思考も整っていてクリアな状態になります。私は手書きでなるべくカラフルに書いています。その方が見ていても楽しいし頭にも残ります。

みなさんの人生の旅が少しでも快適なものになりますように。

 


この他にも、大宅さんの著書『選んだ道が一番いい道』には、生きるヒントとなる言葉がつまっています。自分と向き合う時間を作ったり、ポジティブに物事をとらえることができたり、ちいさな「すてき」をたくさん見つけられる一冊、将来の自分に思いを馳せながら、年末年始にゆっくり読んでみてください。

【 講演は動画でも視聴できます
「伝説の客室乗務員から学ぶ 心の翼を広げてまだ見ぬ世界へ」
・講師 大宅邦子さん
・配信期間 2022/12/12~2023/1/15
・視聴料金 2,200円(税込)
・主催 世界文化社 セブンアカデミー
・申込サイト https://peatix.com/event/3437578/view

 

大宅邦子(おおやくにこ)さん

1953年生まれ。ANA初の「65歳定年まで飛び続けた客室乗務員」。1974年に入社後、ANAの成長とともにおもに国際線ファーストクラスで空の上のおもてなしを提供し、滞空時間は3万時間超。ていねいに、手を抜かず、「いつでも指差し確認」の初心を忘れない姿勢と、仕事を超えた清潔な生き方そのものが、ANAの伝説として知れ渡り、8000人の後輩CAに慕われている。著書『選んだ道が、一番いい道』(サンマーク出版)は世代を問わず、人生の迷いに寄り添ってくれると、反響を呼ぶ。

 

取材/小仲志帆 撮影/イ・ガンヒョン

 

 

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