――『鎌倉殿の13人』で、まさにそういう部分を担っていたのは、瀬戸さんが演じる“トキューサ”こと北条時房でした。毎回ほっこりと癒されました。
ありがとうございます。でも、あの役、難しかったんですよ。三谷さんには直接「全シーン、笑わせてください」と言われていたんですけど、「この緊迫した場面で、これを言わなきゃいけないのか」とか「どういうテンションで言えばいいんだろう」とか、毎回考えちゃって。たぶん監督陣も悩んでいたと思います。三谷さんご自身が演出していたら、どんな感じになっていたのか、ちょっと見てみたい気がしますね。
――三谷さんから直接そんな指令を受けていたのですね。普段からやりとりをされているのですか?
メールを結構くださいます。Twitterのトレンドで“トキューサ”が1位になった時も、「大人気じゃないですか」というメールをいただきました(笑)。作品が終わると、「瀬戸さんのおかげで」みたいなメールをいただいたりするので、そうやって言葉にして伝えてくださるところにも三谷さんのキャストへの愛を感じます。僕が褒められて伸びるというか、褒められたいタイプだということまで、きっとわかってらっしゃるんでしょうね(笑)。
――舞台演出家としての三谷さんは、稽古ではどんな感じなのですか?
僕に対しては「やりすぎたら僕(三谷)が止めますから、自由にやってください」という感じです。きっと俳優によって演出の仕方は違っていて、僕みたいなタイプは、野放しでやらせてみたほうがいいだろうと思われている気がしますね(笑)。それでいて結構ドSなところもあって、『日本の歴史』というミュージカルの稽古では、三谷さんに「こういう感じでやってみてください」「次はこんな感じで」「じゃあ今度はこういうふうに」みたいな無茶振りをされました(笑)。僕で遊んでましたね、あれは(笑)。
――だからこその今の信頼関係なのでしょうね。今回の『笑の大学』に関しては、何かイメージは伝えられていますか?
今のところ、特に何も。僕自身のイメージとしては、一見、椿のほうが受け身の役で、そこの芝居が大事なのかなと思っていたんですけど、実は向坂に対するプレッシャー、攻めも大事なんじゃないかなと。稽古で色々なアプローチを試しながら、二人の攻守が入れ替わっていく面白さや、年も20歳くらい離れた“混ぜるな危険”な二人というか、混ぜちゃいけないし、そもそも混ざりそうにない二人が徐々に馴染んでいく面白さを出せたらなと思います。
――今作でのご自身の課題や、三谷さんに見せたいところは、どういうところだったりしますか?
僕の場合は、変に計算したり、狙ったりすると、芝居にいやらしさみたいなものが出ちゃってダメなんですよ。器用にそれができる役者さんもたくさんいらっしゃいますけど、僕はホン(台本)に書かれていることを大真面目にやるというスタンスでコメディに臨んでいるので、今回もそうするつもりです。二人芝居でセリフはすごく多いですけど、言い方で笑わせるのはちょっと違う気がするし、リアクションも含めた二人の真剣なやりとりで面白くなればいいなと。
<後編へ続く>
PARCO劇場開場50周年シリーズ
『笑の大学』
昭和15年、警視庁の取調室。笑いに理解のない警視庁検閲係の向坂は、劇団「笑の大学」の喜劇を上演中止に追い込もうと、座付作家・椿の台本に執拗に注文を出すが……。
作・演出/三谷幸喜 出演/内野聖陽、瀬戸康史
2023年2月8日~3月5日/東京・PARCO劇場 新潟、長野、大阪、福岡、宮城、兵庫、沖縄公演あり。
https://stage.parco.jp/program/warai
次回は、瀬戸さんが考える舞台の魅力や、これから挑戦していきたいことなどなど。瀬戸さんのさらなる魅力に迫ります!
【応募期間】
2023年1月11日12:00~2023年1月25日23:59
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撮影/古水 良 ヘア・メーク/須賀元子 スタイリスト/小林洋治郎 取材/岡﨑 香