――いまや、座長としてカンパニーを牽引することも多い浦井さん。40代を迎えて、ご自身で何か変化を感じることはありますか?
僕自身には、特に大きな変化はないですね。より楽しく充実しているなとは思いますけど。40代といえば、仕事でもプライベートでも、何事も自分で決めなきゃいけないようなイメージがあります。それこそ『キングアーサー』のテーマである“選択”を迫られることが増えていくのかなと。40代になった自分は、これから何がしたいのか、何ができるのか、何をチョイスしていくのか? より自分や作品と向き合うことになっていくのかなとは思います。舞台は年に3、4本しかやれないというのもあって、どんな作品と出会えるのか? とか、そういうことも考えますよね。
――生活面での変化はいかがでしょう?
いい意味で、持ち物が少なくなってきている気がします。“いい・悪い”じゃなく“好き・嫌い”で物を選ぶようになったことで、好きな物に囲まれる感じになってきているのかなと。それで整理整頓できているかと言ったら、全然できていないんですけど(笑)。
――40代を今後どんなふうに過ごしていきたいですか?
30代の頃よりも“人を大切にする”ことがどれだけ大事か、よりわかってきたので、それを後輩達に伝えられるような過ごし方をしたいですね。自分の行動を見てもらうことで、何か感じ取ってもらえたら嬉しいですし、コロナ禍もあって、苦労している若い人達も多いので、そういう子達が損をしたり、道を踏み外すことがないように、時に厳しく言うことも必要だと思っています。僕なんかがそういうことをするのはおこがましいですけど、それも大事なことじゃないかなと思うので。